なぜか伝承されない教育技術
初任研で教わってないのか、教わったけれど意味が分からなかったのか。さらに不思議なのが、管理職がその技術を伝えないのだ。たしかに、児童指導が苦手だから昇進試験を受けるという管理職は今も昔も多いものだが。(昔はそれでよかったが、今はそんなマネジメント力のない校長に大きな権限を持たせてしまった。それが教職が不人気職業になってしまった大きな原因のひとつといえる)
閑話休題。
この「指示」と「その徹底」を完璧にやったとしても、学級崩壊するときはする。けれども、これをやらなければ、よほどのパワープレーヤーとかカリスマ先生でない限り、確実に学級経営はグダグダになる。
こういった基礎・基本ができていないタイプの教員による学級崩壊が増えているように見える。
これでは、うまい人は最初からうまいし、うまくない人はずっとうまくないまま50年後の定年(今の若い人の定年は70歳だろう)を迎えるということになってしまう。
教育委員会にはそのような問題意識はないようだ。基本的に現在の研修は、座学か他人の授業を見ることだ。研究授業はセレモニーである。
研修は自治体がちがえばまったくちがう。うまくやっている自治体があればぜひ教えてほしい。
問題が意識にのぼっていないという問題
この現象は意外と難題だと思う。
事務方公務員の問題意識に上がらないようで、漫然と「あそこは学級崩壊してて、あそこの保護者からの電話が今日も思いやられるなあ」程度である。
現場の問題点は明らかである。問題は、問題点を認識せずに現場の最前線に丸投げの教育行政・管理職のように思える。現場ではその課題が子供に丸投げである。被害者はだれかは一目瞭然だ。
問題の根は深い。
文・中沢 良平/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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