【実機レビューモデル-其の3】
CHOPARD(ショパール)
L.U.C XPS
2007年に登場した“L.U.C”コレクションのスモールセコンド仕様。2針の“L.U.C XP”と対を為すベーシックモデルのひとつであり、クラシックな意匠をベースにしつつ、文字盤、ケースなど、ディテールに独自の意匠を取り入れることで現代的な雰囲気を加えたデザインが特徴となっている。

■Ref.168591-3001。SS(40mm径)。30m防水。自動巻き(Cal.L.U.C 96.50-L)。106万7000円
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ショパール ジャパン プレス
TEL:03-5524-8922
》編集部・船平の総評

“LUC XPS”は、創業者の頭文字を取ったモデル名を冠するショパールの代表コレクションのひとつ。クラシックとモダンが違和感なく融合された意匠が魅力的だが、まず注目したいのはムーヴメントだ。
搭載しているのはショパール独自のツインテクノロジー(積載式2重香箱)により約58時間パワーリザーブを備え、さらにクロノメーター認定を取得した自社製のLUC96・12]L。両方向巻き上げ式のマイクロローターを採用しており、安定した動力をキープしつつ、厚さがわずか3・3㎜という薄型の設計を実現している。ケース自体も直径40㎜、厚さ7・2㎜と上品な造形に仕立てられており、袖口にすっきりと納まる装着感を獲得しているのも美点と言えるだろう。
ケースは一見するとシンプルだが細部を見るとその印象は一変する。ドーム形風防と一体化する曲線を描くようにデザインされたベゼル、先端にむけてわずかに逆テーパーの曲線を取り入れつつ細くシェイプされたラグ、ベゼルやラグとコントラストを生むようにシャープな質感を取り入れたヘアライン仕上げのミドルケースなど、曲面と直線を使い分けた造形により、薄型ながら立体感と上質感を楽しむことができる。
表面をわずかに荒らしたグレイン仕上げの文字盤には、アプライドのアラビア数字、くさび型のインデックス、そしてドーフィンフュゼ型と称される針を配置。余白の取り方を含めて非常に均整の取れた美しい文字盤であるため、デイト表示を採用した点は評価の分かれるところだが、クラシックとモダンを融合した意匠は実に魅力的だ。
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くさび型インデックスも見事だが、中央部分を厚く成形したアラビアインデックスが素晴らしい。立体的な造形が高級感を高めている。

マイクロローターを採用しているため、コート・ド・ジュネーブ装飾、ペルラージュ装飾など、高度な仕上げを施したムーヴメントの造形を細部まで鑑賞可能。

ケースの直径は40mmで、厚さが7.2mmとエレガントで薄型のフォルム。ドレスウオッチと実用時計の中間ともいえる絶妙なサイズに仕上げられており、文字盤の意匠とともに、ほどよく現代的な雰囲気を感じさせる。薄型のケースは袖口に引っかかる心配もなく装着感も良好だ。
》編集部・堀内の総評

「薄型ドレスウオッチに現代的なニュアンスを加える。言葉で書くのは簡単ですが、実際に時計として具体化するためには、卓越したデザイン性と技術力の高さが求められます。デイト表示の有無については賛否両論あるかと思いますが、針、ケースなどディテールのモダンで高品質な作り、マイクロローターを備えた自社製ムーヴメントと、このモデルは、まさにこの難題を克服した秀作だと思います。(編集長:堀内)」
構成・文◎船平卓馬(編集部)
提供元・Watch LIFE NEWS
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