不動産投資が成功するかどうかは、不動産購入前のシミュレーションで決まると言っても過言ではありません。投資における外的要因などを事前に想定することで、さまざまなリスクを避け、適切な物件を選ぶことができます。不動産投資のシミュレーション方法やポイントを紹介します。

目次
不動産投資のシミュレーション方法
 ・価格や金利などのデータを揃える
 ・利回りなどの計算をする
 ・パターンを変えて検証する

不動産投資のシミュレーション方法

不動産投資を始める際には、検討している物件が収益を得られるのかを事前にリサーチする必要があります。そこで重要なのが「不動産投資のシミュレーション」を行うことです。

5年後、10年後まではもちろん、ローン返済後以降の収益を見通せるシミュレーションを行うことが大切です。

価格や金利などのデータを揃える

シミュレーションを行う際にまず必要になるのが、購入する「物件のデータ」です。

「販売図面」には、物件価格や、物件の詳細情報が書かれています。1棟ものへの投資を検討する場合には、「レントロール」と呼ばれる賃貸条件一覧表で、賃貸状態や家賃収入、現状の利回りなどを確認します。また、「年間修繕費の実績データ」や、「管理費・修繕積立金のデータ」などの書類も合わせて取り寄せましょう。

融資可能金額や金利などの詳細は、最終審査後でなければ回答を得られません。シミュレーション上では、銀行が公開している情報を参考にさまざまな金利のパターンを想定して行うとよいでしょう。多くのデータや資料は、不動産会社に揃えてもらうことになります。

利回りなどの計算をする

上記で得たデータを使って、上記のエクセルやシミュレーションツールに必要な数字を入力すると、利回りや返済額を確認することができます。不動産投資には「表面利回り」や「実質利回り」など複数の利回りの考え方があります。それぞれの違いと正しい数字の見方を把握して物件購入に役立てましょう。

利回りの種類計算式概要
表面利回り年間合計家賃収入 ÷ 物件価格年間の入居率が100%の場合の利回り
実質利回り(年間合計家賃収入 - 年間経費) ÷ (物件価格 + 購入時諸費用)年間の管理費や運用に関わる経費、空室などを考慮した上での利回り

シミュレーション用に収集したデータを打ち込むだけでは、正確な投資の予測が立てられたとは言えません。前述しましたが、金利に関しては銀行の最終審査を終えないと正確な返済額を把握することができません。

パターンを変えて検証する

また、ある程度の金利の予測ができても、この先、金利が変わらないとも限らないため、多少金利が上昇しても利益が取れる物件を探す必要があります。

実質利回りの計算で使われる年間経費には、管理費や修繕費用など物件を管理している最中に変動するものや、設備費などの急な出費となるものが含まれます。

小さな経費の変動でも、利回りの計算には大きな相違が生じ、気づいたら赤字ということもありえるため、シミュレーションを行う際は、さまざまなパターンを想定して検証することが大切なのです。