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ファンクラブも?ヴァリス州(ヴァレー州)原産、世界一可愛いヒツジ!
マッターホルン博物館、そして登山者墓地へお参り

ファンクラブも?ヴァリス州(ヴァレー州)原産、世界一可愛いヒツジ!

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<『ブラックノーズ(黒い鼻)』とも呼ばれるが、正式名称は『ヴァリザーシュヴァルツナーゼンシャーフ』>

ツェルマットといえば、マッターホルン観光やハイキング、スキー、山岳鉄道、お買い物などたくさんの楽しみがありますが、今回私が来た主な理由は、ある"カワイイ動物"を間近で見てみたかったからです。

そのカワイイ動物とは、ツェルマット村のあるヴァリス(仏語: ヴァレー)州原産のヒツジ、『ヴァリザーシュヴァルツナーゼンシャーフ(Das Walliser Schwarznasenschaf)』。

呪文のような長い名前ですが(笑)、和訳すると『ヴァリス州の黒鼻ヒツジ』という意味となり、その名の通り黒い鼻(と顔)をしていて、もこもことした巻き毛はまるでぬいぐるみのよう。その姿があまりにも愛くるしいということで、このヒツジのファンクラブも存在するのだとか。

この黒鼻ヒツジは、山岳の厳しい気候に強く、昔はツェルマットに暮らす人々にとってなくてはならない動物でもありました。

ツェルマット駅からゴルナーグラート鉄道(Gornergrat)に乗って展望台まで行く途中の牧場で、このヒツジたちを車窓からよく見かけますが、今回ゴルナーグラート展望台へ行く時間がなかったため、ツェルマット村周辺の牧場で見ることができるか、観光案内所で訊いてみることにしました。

すると「ヒツジたちはツェルマット駅近くの牧場に放牧されている」というではありませんか。

さっそくツェルマット駅の裏側にあるハイキングルートを辿っていくと、急斜面の牧場があり、上の方の斜面にヒツジの群れが見えました。うーん、遠すぎる、もっと近くまで来てくれないかな。

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<牧場のはるか上の方で草を食(は)む、ヒツジたち>

待てど暮らせど、ヒツジたちがハイキングルートまで下りて来てくれそうな気配はなかったので、諦めてツェルマット駅へ戻りました。

するとツェルマット駅の入り口に、"ゆるキャラ"の黒鼻ヒツジ、ヴォリー(Wolli)君がお出迎え♪

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<ツェルマットとマッターホルンを代表する、ゆるキャラのヴォリー>

ヴォリーは子どもたちに大人気!夏休みやクリスマスなど、多くの子どもたちがツェルマットやマッターホルンへ来る季節になると、ヴォリーが様々な場所に出没し、みんなと遊んでくれるんですって。

マッターホルン博物館、そして登山者墓地へお参り

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<マッターホルン博物館内部>

ツェルマットに着いた週末は晴れていましたが、翌日から曇り時々雨。この日の村は更に閑散としていました。

突然大雨が降ってきたので、マッターホルン博物館へ駆け込みました。

ここでは当時のツェルマット村での暮らしや文化などが紹介されており、とても興味深いです。マッターホルンのことも、詳しい説明や展示、ミニシアターがあり、なかなか凝っていておススメの博物館です。

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<マッターホルン博物館内部。当時の登頂者やルートに関する展示>

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<マッターホルン博物館内のミニシアタールーム>

マッターホルン博物館横の教会裏に墓地があります。ここはマッターホルンやヴァイスホルンなど、山岳地帯で命を落としたアルピニストたちが眠っています。

時代も国も様々で、墓石にはさまざまな言語で故人を偲ぶ言葉がありました。共通していたのは、みな若くして亡くなっていること。墓石に記された言葉によれば、下山中に亡くなったアルピニストが多いという印象でした。

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<登山者墓地(ベルクシュタイガーフリードゥホフ/Der Bergsteigerfriedhof)にて>

そこで、1865年7月にマッターホルン初登頂に成功したウィンパー(Edward Whymper)たち7人のパーティも、下山中に悲劇が起こったことを思い出しました。

同墓地内には、ツェルマット出身で経験豊富な山岳ガイドだったタウグヴァルダー(Taugwalder)親子の墓もあります。山の事故で亡くなったわけではありませんが、マッターホルンを象徴する人たちだったからでしょう。

【スイス】コロナ禍で観光客不在?人気観光地ツェルマットへの旅の思い出2021
(画像=『たびこふれ』より引用)

<タウグヴァルダー親子の墓>

マッターホルン初登頂という偉業を成した直後の悲劇により、その後は辛い人生を送ることとなった、山岳ガイドのタウグヴァルダー父。

下山中、7人中4人のメンバーがマッターホルン北壁から滑落し、命を落とすことになったのは、ガイドのタウグヴァルダー父が命綱を切ったからだ、など世間からの誹謗・中傷を受け、ガイド業を続けることが難しくなり、その後も不幸が続いて最終的には単身アメリカへ移住します。

ヴァリス州地域方言のスイスドイツ語しか話せず、読み書きもできなかった彼が、どうやってアメリカで数年生活していたのかはわかりませんが、4年後にスイスへ帰国した後は、ツェルマット近くのシュヴァルツゼー(Schwarzsee)に居を構え、ホテル建設の手伝いなどをして暮らしていたといいます。

そして1888年7月にシュヴァルツゼーにて、波乱に満ちた生涯を静かに閉じたのでした。

マッターホルン博物館(Matterhorn Museum - Zermatlantis)

  • 住所:Kirchplatz3920, Zermatt
  • 電話:+41 27 967 41 00
  • 開館時間:月曜日~日曜日/15時~18時
  • 入館料: おとな(17歳以上)/10スイスフラン、64歳以上・学生/8スイスフラン、こども(10歳~16歳)/5スイスフラン

ツェルマット登山者墓地(Der Bergsteigerfriedhof)

  • 住所:Röm. kath. St. Mauritius-Pfarrei, Englischer Viertel 8, 3920 Zermatt
  • 電話:+41 27 967 23 14
  • 24時間無料開放されています