目次
注意すべきポイントは?
・1. 売却価格が相場よりも安くなる
・2. 一般個人にはなかなか売れない
・3. 購入者と共有名義人の間でトラブルが生じる可能性も
マンションの共有持分の売却は3つの注意点に気をつけよう!
注意すべきポイントは?
もし共有持分だけを売却する場合は、注意すべきポイントが3つあります。共有持分の売却は、一般的な不動産売却(単独所有権の売却)とは異なるため、実際に売却を進める前に注意事項として把握しておきたいポイントです。
1. 売却価格が相場よりも安くなる
共有持分のみを売る場合、売却価格は相場よりも安くなることがほとんどです。安くなってしまう理由は、売買対象物件の所有権が「全部」ではなく、「持分」という権利のみの売却だからです。購入しても、そのマンションが自由に使用できるわけではなく、買主にとってメリットは多くありません。
そのため、通常よりも安くなければ、「売れない」もしくは「売れるまでに数年かかる」といったケースが多いのです。相場の50%程度で売れる場合もありますが、中には相場の30%以下の価格になることもあります。
例えば、2人の名義人で所有しているマンション全体の査定価格が4,000万円の場合、自分の持分が2分の1であれば、価格は2,000万円です。しかし、権利のみの売却となると、相場の50%なら1,000万円、30%なら600万円となります。
もし取引相場の30%程度(上の例では600万円)で持分を売却してしまった場合、共有名義人が「それなら自分の持分も一緒にして通常の相場(4,000万円)で売ったのに!」と怒り出す可能性もあります。共有持分のみを売却したい場合は、不動産相場について把握しておくことが重要です。
2. 一般個人にはなかなか売れない
共有持分のみを売却する場合、一般個人へ売ろうとしても、なかなか買い手がつきません。その理由は前述の通り、持分の権利だけを購入しても自由に使えないからです。
リフォームをしたり、マンション全体を売却したりするにも、共有名義人の同意が必要となります。そのため、一般個人で共有持分のみを購入する人は少ないのが現状です。その結果、売却先は不動産会社か投資家となることが多いのです。それ自体は悪いことではありませんが、売買物件にほかの共有名義人の所有権が残っている以上、売却後に問題が生じる場合もあります。
3. 購入者と共有名義人の間でトラブルが生じる可能性も
共有持分のみを売却した場合、購入者と共有名義人との間で、トラブルが生じる可能性があります。なぜなら、不動産会社や投資家の購入目的は、権利を所有するだけではなく、リフォームやリノベーションを行ったあとに転売をするケースが多いからです。一般的に、不動産業者や投資家は、収益物件(マンションやアパートなど)の転売や賃貸運用によって利益を得ることを目的としています。
そのため、不動産会社や投資家は、購入後に以下のことを行いたいと考える場合が多いです。
- 共有名義人からも持分を買い取り、マンション全体で売却したい
- 購入した持分を、共有名義人に売却したい
- 共有名義人がマンションに住んでいる場合、持分に応じて賃料を払ってほしい
上記のような交渉を、共有名義人へ持ちかける可能性があります。話し合いがスムーズに進めばよいのですが、住み続けたい共有者に対して売買や賃料の支払いを迫ると、トラブルに発展する場合もあります。
共有持分のみを売却する場合は、この点を意識しておくことが必要です。可能であれば、不動産会社や投資家へ、購入後のプランを事前に確認しておきましょう。
マンションの共有持分の売却は3つの注意点に気をつけよう!
マンションは共有持分のみを売却可能です。ただし、気をつけるべきポイントも3つあります。
「売却価格が安くなること」「売却先が不動産会社や投資家になること」「買主と共有名義人とでトラブルになる可能性があること」の3つです。売却する際には、これらを意識しておくとよいでしょう。
また、共有名義のマンションを売却するには、いくつかのパターンがあります。共有名義人への持分売却や贈与、共有者の同意を得てマンション全体での売却も選択肢の一つです。また、共有持分の売却に関しては、通常のマンション売却よりもシビアな問題になることが多いため、わからないことがあれば、まずは不動産仲介会社へ相談してみることをおすすめします。
※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
提供元・RENOSYマガジン
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