目次
●パンプスのブランド「AYAME」から派生した「菖蒲」
●足にぴったりの靴は素材・色・パーツも自分好みにできる!
●異色のメンバーが手がける自分だけの一足
●北海道のエゾジカ問題に着目しSDGsにも貢献
●まとめ
ひと口に「革靴」といっても、ブランドやデザイン、価格帯などがさまざまにある。しかし、社会人ともなれば“ちょっと良いもの”に興味が湧く人もいるだろう。
今回は、オーダーメイド革靴をサブスクリプションモデルで提供している「菖蒲(しょうぶ)」に取材を行った。今年で85歳を迎える靴職人の熟練の技だけでなく、最新機器を用いた3D計測など、男心をくすぐる魅力を紹介する。
●パンプスのブランド「AYAME」から派生した「菖蒲」
菖蒲を運営する「crossDs japan」は、元々はパンプスを作るブンランド「AYAME」が事業の始まりであった。同社の代表を務める諏訪部梓さんは、元はITエンジニアだと言うが、靴作りに携わるようになったのは、パンプスを履く同僚の女性が足の痛みに悩んでいるのを聞いたからだ。
「こうした悩みは、靴を作る時に使う木型(靴型)と履く人の足が合っていないことが原因であるケースが多いんです」と話す諏訪部さん。
靴作り自体に興味を持っており、さらには3Dプリンタが入手しやすくなったこともあり、3D技術を活用した個人専用の靴作りに動き出した。当初は婦人向けの「AYAME」を立ち上げてパンプスを製作していたが、この技術はメンズ靴にも使えるため、メンズの革靴やスニーカーを作る「菖蒲」も生まれたのだ。
●足にぴったりの靴は素材・色・パーツも自分好みにできる!
菖蒲の最大の特徴は、なんといっても3Dスキャナを活用している点だ。
諏訪部さんいわく、計測から靴の完成まで何か月も待っていると、足の大きさが変わることもあるのだとか。従来のオーダーメイドでは、足の計測から木型の作成までに3か月以上の時間が必要だった。しかし、3D技術を駆使する菖蒲では、わずか1時間で木型データが完成する。
また、自分好みの革靴が手に入るよう、靴の素材や色、パーツなどのバリエーションが豊富な点も利用者には嬉しいポイントだ。紳士靴は4万3000通り、スニーカーは17億通りものパターンがある。これだけの選択肢があれば、世界に一つだけの靴と言っても過言ではないだろう。