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初めて購入した 【アート作品】 に込められた想い
「いろんな人に助けられたからこそ、自分だけの力で挑戦してみたい」

初めて購入した 【アート作品】 に込められた想い

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(画像=アートディレクター・小野清詞さんによる作品、『男の隠れ家デジタル』より 引用)

最後に紹介してくれたのは、6年前に初めて買ったというアート。そこには、どんなストーリーが潜んでいるのか?

「仕事でお世話になっているアートディレクター・小野さんという方の作品です」

『左ききのエレン』に登場するアートディレクター・神谷雄介は、小野清詞さんをイメージして描いていたと言う。

「僕の中のすごいクリエイターの筆頭だった人。そんな小野さんがアート活動もされていて、この作品はrejectorという名義でやられているんです。初めて展示会に行った際に『めちゃくちゃカッコいいな』と一目惚れしましたね」

「なぜこれを自分が持つのか、ストーリーを大事にしている」|漫画家・かっぴー
(画像=小野清詞さんの作品は階段の側にも飾られている、『男の隠れ家デジタル』より 引用)

かっぴーさんにとっては、初めてアートを購入する機会にめぐまれた。自分も作品づくりをするため、なおさら「俺が買って良いの?」と何度も自問自答したと言う。

「持つべき人が持つものだとか、洋服と違って一点ものなので、持つことにも責任がある気がするんですよ。ただの買い物じゃないので、作品を持つということを重く考えすぎちゃう。だから、自分にゆかりがないと手が出なかったんです。でも、これは自分が尊敬している人の作品だし、初めて買っていいんだと思って買わせてもらった作品ですね」

初めてアートを買った時の気持ちを忘れないように、この作品をずっと手放さずに持っている。このアートを見るたびにモノへの愛着や持ち方、自分が手にする動機などを思い出すためだ。

「ここ最近買ったものが、一番自分らしいと思います。漫画家としてちょっと売れ始めた時に買ったものって、最近では使っていないというか。より自分の本質に従っているみたいな感じなんですね。なんでこれを買うのかという自分の中でストーリーを大事にする意識を強く持ちましたね」

「いろんな人に助けられたからこそ、自分だけの力で挑戦してみたい」

「なぜこれを自分が持つのか、ストーリーを大事にしている」|漫画家・かっぴー
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

財布やリュック、アート作品を手にしたことが、仕事観・人生観にも大きく影響を与えたと言うかっぴーさん。

「お金も有限だし、時間も有限だから、自分がやるべきことじゃないことにお金を使ったり時間を使ったりするのって、面白くないなと思うようになりました。だから、漫画に限らずアパレルの会社を作ったりしているのも、自分が面白いって思えることが漫画以外でもあるんだったら、それをやればいいと思っているんですよね。僕はそういうふうに仕事を選んだり、ものを選んだりしています」

そんなかっぴーさんが見据える、2022年の目標を最後に聞いてみた。

「去年までは、いろんな人に助けられていたんですよね。2020年に再編集版漫画化のクラウドファンディングが行われ、漫画カテゴリー日本最高額となる総支援額5,368万円を集めましたけど、大勢の人たちに助けられて実現した企画だったんですよ。 そういうありがたいことが続いて今年どうしようかなと考えた時に、1人で頑張ろうと思ったんですよね。1人で頑張れることを作ろうと思って、自分の作品だけで個展に挑戦したいなと。いろんな人に助けられてきたからこそ、1人の時間をもう少し増やしてみようかなとか思っていますね」

【かっぴーさんの愛用品】

■DIOR カードホルダー

「なぜこれを自分が持つのか、ストーリーを大事にしている」|漫画家・かっぴー
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

自分視点ではなく、人生のパートナーである奥さんからの視点で購入することとなったカードホルダー。気に入ったポイントは、奥さんのバッグとお揃いの柄だ。ただ、奥さんはお揃いの柄がついたDIORのバッグを使うことをもったいなく思い、なかなか使ってくれないという。

■UNTRACE KNAP PACK

「なぜこれを自分が持つのか、ストーリーを大事にしている」|漫画家・かっぴー
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

かっぴーさんがクリエイティブ仲間たちと一緒に立ち上げたアパレルブランド「UNTRACE」の集大成とも言える逸品だ。クリエイターのために作られたリュックは、仕事からプライベートまで幅広く使うことができ、「自分にとって一番気持ちいいのはこれ」と言えるほど、使い心地の良さと愛着が際立つ。

■アート作品

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(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

本作は、かっぴーさんが尊敬するアートディレクター・小野清詞さんによるもの。アート作品を持つことに対して重く捉えていたが、尊敬している人の作品であり、作品自体にも惚れ込んでいたため、初めて「自分が買っていいんだ」と感じたと言う。「この作品を見るたびに、モノを手にする動機や愛着など、初心に帰らせてくれる」と、かっぴーさんは語る。

<作品情報>
『左ききのエレン』
主人公の朝倉光一は、大手広告会社に勤めるデザイナー。彼は高校生の時にエレンという少女と出会ったことを機に、自身と天才との間にある大きな壁に悩む日々を送る。キャッチコピーにある「天才になれなかった全ての人へ」は、理想と現実のギャップを痛感したかっぴーさんだからこそ描ける世界観だろう。クリエイターをはじめ、様々な読者の心に深く刺さる本作を、ぜひ手に取って読んでみてほしい。

出版社:集英社
価格:484円(税込)/冊

文/池田鉄平 撮影/井野友樹

提供元・男の隠れ家デジタル

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