変化への対応力が求められている

リモワというワークスタイルには、オフィス現場で対面によるコミュニケーションには必要なかったビジネススキルが求められる。まずはこの事実を受け入れることが肝要だろう。

経営者は、自社のビジネスがリモワという働き方をすることが「本当に効率的か」を見極める手腕が問われる。現在は従業員の感染拡大防止を優先させる必要性から、効率度外視で取り組んでいる企業もあるだろう。問題はこの感染危機が去った後も継続するかどうかだ。効率性を可視化することで、改めて経営判断することになるだろう。

ちなみに、米・金融大手のゴールドマン・サックスのCEOはBBCのインタビューで「リモワは新たな日常などではなく逸脱。自社の企業文化には合わないワークスタイル」と答えており、リモワに否定的だ。同社のような先進的で時代の変化に強くサバイバルする企業においても、リモワを否定的に捉えたという興味深い事例である。

また、働く従業員は対面から、テキストによるコミュニケーションへの転換力が求められている。テキストベースのコミュニケーションが前提のリモワにおいて、「やりづらい」「慣れていない」という理由で上司が頻繁にビデオ会議の場を設ける事例もあるが、そうなると巻き込まれる全員の効率を低下させることになる。

リモワに特化したワークスタイルは、従来のオフィス現場では表面化しなかったビジネススキルが求められる。変化に対応できる者、できない者にわかれるわけだが、数年内にその答え合わせをすることになるだろう。

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リモワで仕事が効率化する人、逆に効率が悪くなる人
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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