見知らぬ土地に不動産を購入する際は、物件だけでなく周辺の環境を知っておきたいもの。現在の様子はもちろん、未来のまちを事前に把握できると、購入物件の将来の資産価値も予想しやすくなります。「まちの住みやすさ発見!」では、さまざまな角度からまちのよさに迫ります。
今回は1度の乗り換えで、JR山手線、都営浅草線、東急大井町線、JR京浜東北線、東急多摩川線の5路線の利用ができ、東京都心部はもちろん都内広域、そして横浜、川崎へもアクセスの良い「隠れ家的」東急池上線沿線の4駅(雪が谷大塚、千鳥町、池上、蓮沼)をご紹介します。
目次
東急池上線はターミナル五反田駅に直結
・五反田駅周辺の大規模再開発
・大崎・五反田周辺の再開発
・五反田・大崎周辺の今後の再開発情報
五反田はスタートアップの街
東急池上線はターミナル五反田駅に直結

五反田駅は、JR東日本(山手線)、都営地下鉄(浅草線)、東急電鉄(池上線)の3路線が通る都内でも有数の駅です。
五反田駅周辺の大規模再開発

五反田〜大崎駅周辺は、今から約40年前、「再開発事業」そのものが始まった頃に街の再開発が計画・実行されてきたエリアです。
大崎は、1982年(昭和57年)に東京都の「長期基本計画」によって「副都心」に位置づけられ、1989年(平成元年)の「大崎ニューシティ(大崎駅東口第1地区)」オープン以降、街の様子が次第に変わっていきます。
2002年(平成14年)に五反田駅から大崎駅にかけてのエリア61haが都市再生特別措置法によって「都市再生緊急整備地域」に指定されると、大規模な開発が次々と実行され、さらに街が大きく変わりました。

これら再開発の影響により、五反田・大崎駅周辺の地域では就業人口が増加しました。副都心に指定された昭和57年当時と比べると、従業者数や事業者数は共に伸び、工場跡地の残るエリアから、整備されたオフィスと住宅とが複合した街へと、30年かけて発展を続けてきました。
【副都心位置づけ前後と現在の推移】
事務所数 | 991(1978年) | 1,432(2016年) | 145%増 |
---|---|---|---|
従業者数 | 19,795(1978年) | 36,294(2016年) | 183%増 |
乗車客数 | 18,954(1975年) | 173,136(2018年) | 913%増 |
※対象:東五反田2丁目、北品川5丁目、上大崎1〜3 丁目、大崎駅
参考:大崎地区 まちづくり の整備方針 - 品川区(PDF)
参考:産業、交通・通信|品川区の統計 2020(令和2)年 -第59回-
現在も都市再生緊急整備地域内の開発は続いていて、今回は過去行われた大規模再開発の一つと、今後行われる再開発を紹介します。
大崎・五反田周辺の再開発
パークシティ大崎(北品川五丁目第1地区市街地再開発)

都市再生緊急整備地域内で最大規模(約3.6ha)の開発事業「パークシティ大崎」(北品川五丁目第1地区第一種市街地再開発事業)は、2015年に完成しました。オフィス・商業施設・住居合計7棟から構成されます。
周辺道路の整備を含め、歩いて楽しめる道路、緑豊かな空間の確保など、周辺環境の改善を目指した開発が行われました。品川区とも連携して交流の場「品川区産業支援交流施設」も設けられています。
五反田・大崎周辺の今後の再開発情報
現在進行形の事業としては、現在建設中の「北品川五丁目計画(住友不動産 大崎東プロジェクト)」、また計画が進行中の「東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業」(2021年度の権利変換計画認可予定)など、複数の事業が動いています。

そして都市再生緊急整備地域外での開発もあります。
五反田計画

ホテルや結婚式場などの複合施設だった「旧ゆうぽうと」跡地に、日本郵政不動産株式会社は大規模複合開発「五反田計画(仮称)」を建設します(2021年8月着工予定)。
地上21階、地下3階、高さ約100m、延べ面積約68,000㎡で、事務所、ホテル、多目的ホール、商業施設などで構成される計画です。
五反田はスタートアップの街
近年、五反田はスタートアップの集まる街として活気づいています。2018年にfreee株式会社、株式会社マツリカ、セーフィー株式会社、株式会社トレタ、株式会社よりそうなどが「一般社団法人五反田バレー」を立ち上げました。品川区もベンチャー企業に助成金を出すなど(2020年実施)、民官ともにまちづくりが行われています。

五反田はベンチャー企業が集まる街として認知され、今後も新しいエネルギーが発信される街として賑わうことが予想されます。再開発により住環境も整い、副都心「大崎」のお隣として安定した発展が見込まれます。
次に、上記のような発展を続ける五反田からのびる、隠れ家的池上線を紹介します。