「いずれは不動産投資で脱サラしたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、不動産投資での脱サラは楽してできることでも、良いことばかりでもありません。計画的に不動産投資を進めていかないと、失敗リスクも高まります。不動産投資で脱サラする場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。注意点とあわせて解説していきます。
目次
不動産投資で脱サラするメリット
・1. 自分で時間を管理しながら稼げる
・2. 曜日や時間を問わず不動産投資のために行動できる
・3. 大家として活動することができる
不動産投資で脱サラするデメリット
・1. 金融機関からの融資が受けづらくなる
・2. 社会的信用が下がる
・3. 社会保険料の負担が増える
不動産投資で脱サラするメリット
まずは不動産投資で脱サラするメリットを確認していきましょう。不動産投資で脱サラするメリットは主に3つ挙げられます。
1. 自分で時間を管理しながら稼げる
不動産投資では、物件の管理業務を自主管理にせず不動産会社に委託できます。そのため不動産投資で独立後、ほとんど自分では何もせず家賃収入だけで生活する、ということも理論上は可能です。家賃収入だけで生活ができると、自分のやりたいことに没頭できたり家族との時間を増やせたりします。
不動産投資で不労所得を得ることで自由な時間が増え、より充実した人生を送れる可能性があるといえるかもしれません。
2. 曜日や時間を問わず不動産投資のために行動できる
不動産投資では、収益が見込めそうな良い物件というのは、多くの人が欲しがる物件でもあります。良さそうな物件を見つけた場合、他の人に先を越されないようにできるだけ早く現物を確認しに行き、投資するかを判断しなければなりません。
また入居者が退去したタイミングで、部屋をリフォームしようとする場合などは、リフォーム業者とやりとりをする必要があります。打ち合わせをするのはもちろん、時には現場を見に行ったほうがいいこともあります。
サラリーマンをやっていて平日に仕事がある人は、仕事を休むか、もしくは休みの日の土曜日や日曜日、祝日でなければ、物件の選定や業者との打ち合わせに時間を割けません。
一方で脱サラし個人事業主となったあとは、平日でも動けるため、打ち合わせの必要が発生したタイミングで不動産会社の営業マンとも落ち着いて話せます。リフォーム会社とも、曜日を問わず打ち合わせが可能です。
3. 大家として活動することができる
賃貸管理業務を管理会社に委託せず、自身で大家業に取り組んでみたいという場合、大家業にチャレンジすることができます。「きめ細やかなサポートをしよう」「入居者募集の撮影では、ホームステージングをしよう」「入居づけのために、照明器具やカーテンのプレゼントをオプションでつけよう」などと、オリジナルなアイデアを生かすことができます。
不動産投資で脱サラするデメリット
不動産投資で脱サラする際は、必ずデメリットも確認したうえで対策しましょう。
1. 金融機関からの融資が受けづらくなる
会社を辞めて独立すると、給与収入を失って金融機関からの融資が一気に受けづらくなる点に注意が必要です。
自身では変化がそれほどないと思っていても、金融機関の見る目は想像以上に変化します。安定した企業に勤めていたことがどれほど融資に有利だったかを感じるでしょう。
銀行や信用金庫などの金融機関が融資をする際、年収や勤務先、勤続年数などが入念に審査されます。独立をすると給与収入がなくなるため、金融機関から「この人にお金を貸しても返してくれない可能性がある」と判断され、融資の審査に落ちやすくなるのです。審査に通るためには、それまで積み重ねてきた不動産投資の事業性を評価してもらう必要があります。
融資が受けられないと、不動産投資の事業を拡大できません。そのため独立をするまでに、事業規模を拡大させて安定した賃料収入を得られる状態にしておく必要があります。
2. 社会的信用が下がる
個人事業主になると融資が受けづらくなるだけでなく、社会的な信用そのものが下がるためさまざまな弊害を受けるかもしれません。
例えば、個人事業主になるとクレジットカードの審査にも通過しづらくなります。そのため個人事業主として独立する前の会社員時代に、必要枚数のクレジットカードを作成しておくと無難です。また引っ越す予定がある場合は、独立する前に賃貸契約を済ませておいたほうがスムーズです。
3. 社会保険料の負担が増える
会社員の場合は、健康保険や厚生年金保険などの保険料を会社と折半して支払います。そのため会社員時代に支払っていた公的保険制度の保険料は本来の半額で済んでいたのです。
しかし脱サラをすると、個人で国民健康保険や国民年金に加入しなければなりません。保険料の計算方法が異なるため一概には言えませんが、保険料が全額負担となるため金銭的な負担が増える可能性があります。
また国民年金に加入するため、老後に受給できる老齢年金や亡くなった場合に残された家族が受給できる遺族年金等は、サラリーマンを定年まで続ける場合よりも受給額が低下するでしょう。サラリーマンをやめるまでに支払っていた分の厚生年金と企業年金は受け取れるとしてもです。