見知らぬ土地に不動産を購入する際は、物件だけでなく周辺の環境を知っておきたいもの。現在の様子はもちろん、未来のまちを事前に把握できると、購入物件の将来の資産価値も予想しやすくなります。「まちの住みやすさ発見!」では、さまざまな角度からまちのよさに迫ります。
今回は、沿線に多くの大学が存在し、都内でも最大級の規模を持つビジネス街・大手町に1本でアクセスできることから、学生や社会人が注目の路線・都営三田線(西巣鴨、板橋区役所前、板橋本町、志村坂上)をご紹介します。
目次
都営三田線は巨大ターミナル駅・大手町に直結
・日本有数のビジネス街・大手町
大手町に隣接する東京駅周辺の大規模再開発
・東京駅前常盤橋プロジェクト
・東京駅八重洲口
・東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業
・大手町プレイス
・Otemachi One
都営三田線は巨大ターミナル駅・大手町に直結

都営三田線は大学が多く立ち並ぶ白山、水道橋、神保町、ビジネスの中心地・大手町を通っている路線です。また、大手町駅は、都営地下鉄(三田線)、東京メトロ(丸ノ内線、東西線、千代田線、半蔵門線)が通る日本有数の大規模な駅。その平均乗降者数は1日約37万人です。
東急目黒線も直通ですので、通勤や通学で都心部への移動はもちろん、横浜方面への移動もしやすいのが魅力です。
日本有数のビジネス街・大手町
大手町駅周辺は、丸の内を中心に大規模オフィスビルが集中しています。大手町駅が位置する千代田区の総事業所数は約31,000社、総従業員数は約942,000人と港区に次いで2位となっています。
駅周辺の企業は金融をはじめ多くの有名企業がオフィスを構えています。フォーチュン・グローバル500のうち19社が東京駅周辺(大手町、丸の内、有楽町)に存在するなど、東京のビジネスの中心地といえるでしょう。
大手町に隣接する東京駅周辺の大規模再開発

東京駅周辺は、歴史ある大手企業や有名企業が数多く集まるビジネス街です。そんな街では、高度成長期に建てられた「丸の内ビルディング(丸ビル)」の建て替え(2002年竣工)を皮切りに、丸の内、大手町、そして日本橋、八重洲と、大規模な再開発が続いています。
現在進行形の大規模開発には、「世界で一番ビジネスをしやすい環境」を作るため、従来の規制や制度が大胆に緩和された「国家戦略特区」に複数、指定されています。
予定されている再開発事業は、2040年を目処にした日本橋川を走る首都高速道路の地下化(2035年に掘削終了、2040年に既存高架橋撤去予定)や、東京駅日本橋口前に位置する常盤橋街区に建てられる日本一の高さを誇るオフィスビル「トーチタワー(390m)」(2027年度完成予定)などがあります。
東京駅前常盤橋プロジェクト

東京駅日本橋口前の常盤街区の大規模複合再開発がTOKYO TORCH(トウキョウトーチ)です(敷地面積3.1ha)。
築年数が経過し老朽化した複数のオフィスビルの建て替えを契機に、既存のJXビルと大和呉服橋ビルを解体して、1つの高層オフィスビル「常盤橋タワー」(A棟)が2021年6月に誕生しました(地上38階、建築法上40階・地下5階・高さ約212m、延べ146,000m2)。このオフィスビルだけで約8,000人の就業者が見込まれています。
新型コロナウイルスによる働き方への変化にも対応しながら、多様な通勤手段・働き方への対応として、自転車通勤を想定した駐輪場も設けられ、自転車用111台・バイク用20台が予定されています。

東京駅前常盤橋プロジェクトの街区名称を「TOKYO TORCH(トウキョウ トーチ)」に決定 2027年度、東京駅前にニューノーマルを見据えた約2.0haの屋外空間を整備した新たな街が誕生(PDF)、『RENOSYマガジン』より引用)
そしてTOKYO TORCHの目玉となるのが、日本一の高さを誇るオフィスビル「トーチタワー(Torch Tower)」(B棟)です(地上63階・地下4階・高さ約390m、延べ490,000m2、2027年竣工予定)。防災機能や環境機能の向上も含めて、国際都市東京として大規模な開発が進みます。
東京駅八重洲口
東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業
敷地の細分化や建物の老朽化が進み、防災性が低下するなど、東京駅前としてふさわしい土地利用がされていない状況にあることから、再開発が進む八重洲口。国際都市・東京の玄関口にふさわしい交通結節機能の強化と国際競争力強化のため、高度な防災機能・環境性能を確保した再開発が進んでいます。
東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業の解体工事は2020年10月より始まりました。小学校を含む既存の50を超える建物を解体し、地上51階(高さ250m)の超高層ビルが完成します(延べ面積225,200m2、2025年4月竣工予定)。

現在進んでいる八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業では、既存の建物20棟が解体され、中央区立城東小学校や新しく「ブルガリ ホテル 東京」も入る超高層ビルの建設が進んでいます(地上45階、高さ240m)。

また、現在分散している高速バス停留所を集約し地下化されます。地上の歩行者環境を改善するため、24時間稼働の国際空港や日本各地の都市とを結ぶ大規模ターミナルが地下にできる予定です。
大手町プレイス


2018年8月に竣工した大規模オフィスビル「大手町プレイス」。ウエストタワーとイーストタワーの2棟に分かれており、延べ面積は約354,000m2と大手町でも最大級の規模を誇ります。大手町駅より徒歩1分と立地も抜群で、住友商事やNTT関連のグループ会社など多くの企業が入居しています。
Otemachi One

2020年2月に竣工したオフィス、ホール、カンファレンス、商業施設、ホテル、大規模緑地広場を備えた大型複合施設「Otemachi One」。施設には国内有数のラグジュアリーホテル「フォーシーズンズホテル東京大手町」もオープン。延べ面積は約357,700m2と都内最大級の規模です。

また敷地内には約6,000m2の緑豊かな広場空間である「Otemachi One Garden」が誕生する予定(2022年完成予定)で、都心ながらも自然を感じられる開放的な空間になるでしょう。