Q9. 原発を警備するってどういうことですか?
岸田さんの答弁では、福井県の置いている警察の部隊を全国の原発にも置くという話のようですが、今でも特重(特定重大事故等対処施設)という規制で安全設備が強化され、航空機の墜落ぐらいでは壊れません。しかしウクライナのように軍隊が攻撃して、原子炉を破壊した場合には、警察では対応できないでしょう。
Q10. 原発の最大の危険は何でしょうか?
風評被害です。チェルノブイリでは半径30kmの住民38万人が避難し、住居も職業も失いました。当時は社会主義だったので、食糧も十分になく、精神的ストレスで数千人が自殺したといわれています。
福島でも数万人が避難し、いまだに避難を続けている人がいます。実際には事故の起こった福島第一の周辺でも線量は下がり、普通に生活できるのですが、立入禁止の場所が多く、放射性物質を処理した水さえ流せない状態です。
このように戦争としては、原発の破壊は効率が悪いのです。でもマスコミが大々的に報道し、その後もずっと風評被害でエネルギーが供給できなくなるという点では、ダメージは大きいので、テロ活動としては原子炉の破壊は効果的です。その加害者はマスコミですが。
文・池田 信夫/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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