同世代より年収は高めなものの、年収800万円までアップさせたいと考えている人もいるかもしれません。年収800万円の生活レベルや、その年収を目指せる業界や職種、また達成するための行動を解説します。今後のキャリアを考える上での参考にしましょう。
目次
年収800万円を稼ぐ人の割合
年収800万円の生活レベル
年収800万円を稼ぐ人の割合

年収800万円というと、高収入なイメージを持つ人も多いでしょう。実際のところ、日本において年収800万円を稼ぐ人はどのくらいいるのでしょうか。
年収800万円台の人は3%以下
国税庁が実施した『民間給与統計実態調査』によると、年収800万円台の人は全人口の2.8%という結果です。日本人の平均年収は433万円なので、平均の2倍近くの金額といえます。
全体で上位約9%に入る水準の年収であるため、年収800万円は間違いなく高収入といえます。裏返せば、年収800万円を稼ぐのはそんなに簡単ではないことがわかるでしょう。
参考:令和2年分民間給与実態統計調査 P.21|国税庁
女性の割合はさらに低い
年収800万円台を稼ぐ人の割合を男女別で見てみると、男性が4.1%、女性については0.8%でした。女性の中で年収800万円以上を稼ぐ人の占める割合は全体の2.3%のため、ひと握りの人しか到達できない金額と考えて差し支えないでしょう。
なお女性の場合、年収400万円以下の人が全体の75%以上を占めています。これは結婚や出産により、フルタイムの仕事を離れる人が男性より多いことが一因と考えられます。女性で年収800万円を稼ぐのは、男性が同じ金額を稼ぐことより難しいかもしれません。
参考:令和2年分民間給与実態統計調査 P.21|国税庁
年収800万円の生活レベル

年収800万円は高収入であることがわかりました。そんな人たちの生活レベルがどうなっているか、気になる人も多いでしょう。年収800万円の実際の生活レベルを解説します。
手取り金額は約590万円
年収800万円といっても、800万円全額が手元に入ってくるわけではありません。税金や社会保険料などを支払わなければならないためです。これらを差し引いた金額を手取りと呼びます。
年収800万円の手取り金額は約590万円です。所得税と住民税で約90万円、社会保険料で約120万円が天引きされます。社会保険料に含まれるのは、厚生年金保険料や健康保険料、雇用保険料などです。
なお日本では累進課税制度が採用されているため、年収が上がれば上がるほど課される税金も高くなります。そのため、仮に年収が2倍になったとしても、必ずしも手取りが2倍にはなるわけではない点は覚えておきましょう。
生活費や貯金額の目安
年収が800万円の場合の手取りは590万円なので、月額に換算すると約50万円です。一般的に家賃の目安は月収の1/3までとされているため、年収800万円なら15万円までが目安となります。
15万円の家賃であれば、東京23区内でもある程度の広さのある物件を借りることができます。都心にこだわらなければ、かなりの大きさの家に住めるでしょう。
また令和2年の家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)によると、年収800万円の人の約80%が毎月貯蓄をしています。貯蓄の割合として一番多かったのは、収入の35%以上でした。つまり年収800万円の人の多くが年間200万円以上貯金しているということです。
独身は余裕のある生活を送れる
独身者であれば、手取り月収である50万円を全て自分のために使えるため、余裕のある生活が送れます。特に意識しなくても、毎月10万円以上、実家暮らしであれば20万円以上を貯金することも不可能ではないでしょう。
1人暮らしの場合に大きくかかるのが食費です。外食が中心となると、その分コストが上がるため、どうしても貯蓄に回せる金額が減ってしまいます。外食だけでなく自炊をする機会も増やせば、不自由なく生活できるでしょう。
家族がいると贅沢はできない
結婚をして子どもがいる場合でも、ある程度は余裕のある生活が送れます。配偶者が専業主婦(夫)の場合でも、生活が苦しくなる可能性はそれほど高くないでしょう。
子どもがいる場合、大きな出費として考えられるのが養育・教育費です。またマイホームを購入するなら毎月ローンの返済が発生するため、それほどの贅沢はできないかもしれません。
贅沢をしなければ危なげなく生活はできるものの、子どもが複数いる場合や、もっと余裕のある生活を送り たいと希望する場合は、共働きをおすすめします。配偶者がパートタイムで働いたとしても、毎月数万円でも収入が増えれば、生活に余裕が生まれるはずです。