木村 基準は……、多分ないですね(笑)。「ああ無理や」と思ってから何回やるかとか、特に考えていません。1セット当たりのレップス数も変わります。いつも大体の重量でセットしているので、1セット目で6回しかできない時や20回近くできる時もあります。持った瞬間「重いな」と思っても、「これでやろか」という感じです。迷ったときは、敢えて重い方にはいかず、軽い方を選択しています。コントロールしたいからです。軟弱な感じです(笑)。
――マックスの何%ぐらいという基準はありますか?
木村 最近、マックスの重量を計っていませんので、何%でやっているかもわかりません。種目も重量も回数も、こだわりがありません。メチャメチャ重たい重量を扱わないのは、筋肉が動いている感覚がつかめないからです。筋肉を動かすというイメージでトレーニングしています。例えば、サイドレイズをやる時、1番下のポジションで1回力を抜いて、入れ直してから上げるようにしています。重すぎると上がらなくなるので、そういう重量は扱いません。ただ、メチャメチャ高重量は扱いませんが、かといって軽すぎない重さでやるようにはしています。
――フォームはいかがでしょう?
木村 ある程度きれいにやっていると思います。ただ、刺激が入っていることが重要なので、完全に教科書通りのフォームにこだわるのではなく、自分に効く角度でやっています。崩れてきても、パーシャルで続けていると思います。
――テンポとインターバルは、どうしていますか?
木村 最初は1番重いものを扱い、軽くなって回数も増えていく感じで、それに伴ってテンポもリズムに乗る感じです。下げる秒数などは、固定していません。インターバルは、大きい部位は1分から2分くらいで、腕やカーフはパンプ重視というのもあり、30秒から45秒くらいです。腕は2日に1度やっているので、テンポよく終わらせます。カーフも、多少の疲労感が残っている時に次のセットをやった方が、いい感じで終われます。
――ドロップセットは使いますか?
木村 それも感覚です。時々やりますが、多用すると癖になり、中途半端に追い込んで、満足感だけで終わることになりがちです(笑)。ストレートセットで終わるのが理想だと思っていますが、例えば胸をインクラインから始めて、次にフラットのベンチプレスにする場合、ハードさに欠けるのでドロップセットを使ったりします。適当な感じです(笑)。決めていることは全然なく、思い付きが多いです。毎回違うというのが、こだわりと言えばこだわりかもしれません。
――高重量トレーニングと比べ、疲労度はいかがでしょう?
木村 対象筋以外の部分も含めた全身の疲労は、高重量を扱っている時の方が大きかったと思います。今のやり方の方が、体に無理がない気がします。例えば、スクワットを高重量でやっていた時は、セットに入るまでの集中力と恐怖感がすごくありました。ですが、今の方がしんどくて、対象筋には効いている気がします。
――減量中はトレーニングの仕方を変えますか?
木村 3年前は色々変えたのですが、今回は腹筋のセット数を増やしたぐらいで、特に変えていないです。絞れば絞るほど自分の腹筋がショボくさいことに気付きまして(笑)、もうちょっとなんとかならへんかなと、慌てて毎日やっていた感じです。74㎏から落とし始めたので、世界選手権まで9㎏減です。5月ぐらいから始めて、8月末のジャパンオープンの時は66㎏とか67㎏だったと思います。あまり体重にはこだわっていなく て、見た目だけ気にしています。体脂肪は、以前、家で計った時に思ったより高く出て、嫁さんに馬鹿にされてトラウマになったので、それ以来計っていません(笑)。
――トレーニングをしている読者の方々へ、メッセージをお願いします。
木村 僕は今このやり方が好きでやっているだけなので、高重量でもどちらでもいいと思います。昔は、凄く重いのを限定されたパーシャルレップでやっている人を見ると、「はあ? あんなやり方……」と思っていましたが、それが効いていれば、それでいいと思います。効いていなくても、ストレス解消でやっていらっしゃるのかもしれませんし(笑)。トレーニングは、こだわらず好きにやればいいと思います。僕のやり方は、1つの方法でしかありません。僕自身、明日から変えるかもしれませんし、正解はありません。楽しくやることが大事だと思います。
木村征一郎(きむら・せいいちろう)
1978年3月4日生まれ、身長160cm、体重65~74kg。消防士。トレーニング歴約26年
好きな食べ物はポテトチップス、揚げ物、唐揚げ、嫌いな食べ物はきゅうり、スイカ、メロンなど、瓜系の野菜。趣味は釣り。最近はまっているもの「子育てにはまりたいと思っています」。2121年日本選手権5位にまで上がってきた。
執筆者:木村卓二
TVディレクター、記者として活動。複数言語に通じ、「究極のトレーニング」を求め、研究と取材に勤しむ。有資格パーソナルトレーナーとして、格闘家などへの指導も行う。
提供元・FITNESS LOVE
【関連記事】
・筋トレ初心者必見!「筋トレメニューの組み方」トップボディビルダー2名が考えた特別メニュー
・激痩せ法公開!驚きの”ビフォーアフター“8選
・腹筋は毎日やるべき!?腹筋ワークアウトの頻度
・肩トレで気を付けてほしい重要なこと
・スポーツジムで聞きました!「みんなプロテインは1日何回飲んでいるの?」