世の中のアウトドアブームを受けて、クルマの世界でもオン、オフ問わず走れるSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)の人気が高まっている。
そして、さらに本格的なオフロード性能を求める人が注目しているのは、SUVの原点ともいえるクロスカントリー4WD車だ。
ここでは、クロカン4WDの中でも究極的な存在といえるジープ ラングラーとランドローバー ディフェンダーの2台を徹底比較してみよう。
目次
ジープ ラングラーってどんなクルマ?
ランドローバー ディフェンダーってどんなクルマ?
ジープ ラングラーってどんなクルマ?
ジープ ラングラーはアメリカを代表する本格クロスカントリー4WD。
初代が登場したのは1987年だが、そのルーツは1940年、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍の要請によって開発された小型四輪駆動車まで遡る。その軍用車は「ジープ」と呼ばれ、戦後は民生用の自動車として普及した。
やがてジープの名前は単なるブランドに留まらず、四輪駆動車の代名詞となった。
そのジープの設計を受け継ぎながら、ホイールベースの延長やタイヤの小径化などにより舗装路での走行性能を高め、同時に現代のクルマに求められる安全性、快適性などを備えて生まれたのがジープ ラングラーだ。
初代から約10年毎にモデルチェンジが行われ、4代目となる現行JL型が登場したのは2018年。
四角いボディに丸いヘッドライト、梯子型フレームを持つボディ構造、パートタイム4WD機構などジープの伝統は受け継ぎつつ、安全性、快適性は格段に向上しており、現在も世界のクロカン4WDのベンチマークとして高い人気を誇っている。
ランドローバー ディフェンダーってどんなクルマ?
ランドローバーは英国の自動車メーカー「ローバー」が第二次世界大戦後の1948年に送り出したオフロード4WD車。アメリカのジープを参考につくられ、その優れたオフロード性能から農耕用などの実用に使われる一方、イギリス軍をはじめ多くの国の軍用車、警察、消防車両にも採用された。
ランドローバーは強固な梯子型フレームにアルミボディを載せた構造を保ちながら、長きにわたりモデルチェンジせずにつくり続けられたが、その間にレンジローバーやディスカバリーなどのモデルが登場したため、それらと区別するために1991年に「ディフェンダー」という名前が付けられた。
2019年、70年ぶりのフルモデルチェンジを受けた新型は、ボディ構造をアルミ製モノコックに、サスペンションを前後独立懸架にと大きく進化させ、外観も先代のデザインをモチーフとしたモダンなものへと大きく変わった。