鏡は緑色だった!?
現代の鏡は、ガラス板の裏に銀やアルミニウムの薄膜を張り付けて作られています。
そしてこのガラス板には透明度が高い「石英ガラス」が利用されており、他の色よりも緑色の光の反射率が若干高いようです。
つまり、通常では確認できないほど「わずかに緑がかっている」ということです。
この緑色を確認したい場合は、合わせ鏡が役立ちます。
2枚の鏡を向かい合わせにすることで、「像が無限に続くかのように」映し出される現象ですね。
しかし実は、像は無限に続きません。
なぜなら鏡自体の反射率が100%ではないからです。これは光が鏡の素材に徐々に吸収されていく、ということです。
そのため合わせ鏡にすると、2枚の鏡を行き来する光が徐々に失われ、奥に映った像ほど暗く(黒く)なるのです。
このとき他より少し反射率の高い緑色が強調されると考えられます。
実際、2003年の研究では、この「合わせ鏡」によって、鏡に映った映像が暗く、緑色になったと報告されています。
そのため「鏡は緑色」だという人もいるようです。
さて、ここまでで鏡の色について考えてきました。
「光をすべて反射する」という部分を考えると、「白色」かもしれません。
しかし、一般的な白色の物体に見られる「乱反射」ではないことを考えると、「無色」と呼ぶのが妥当かもしれません。
そして「鏡」という1つの製品を考えると、素材に含まれるわずかな色合いから、「緑色」とも言えるでしょう。
いずれにしても、鏡は銀色ではないようです。
参考文献
What color is a mirror? It’s not a trick question
提供元・ナゾロジー
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