次の激戦区はEC化率の低いカテゴリーか?

これまでの話からもあるように、全体的に消費が減速しているこの状況において、EC企業は既存のトラフィック維持と奪い合いに必死である。市場規模が伸びないことを前提とした場合、EC事業者らはトレードオフのような関係になるだろう。

【2022年版】絶対に知っておきたい中国ECの3トレンド
(画像=『チャイトピ!』より引用)

こうした中、新しい成長エンジンを見つけ出すにはEC化率の低い商品カテゴリーへの注力が1つの手段となりそうである。

中国デジタル製品や、アパレルのEC化率は30%を超えており、すでに高い水準に到達している。これと比べ、食品や飲料のEC化率は8%に止まる。特に青果やお肉などの新鮮食品のEC化率は低いままだ。食品は生活の必需品であり、市場自体が大きいため、EC事業者にとって大きいなビジネスチャンスと言えるだろう。

実際に、2020年からコロナ禍によって生鮮ECが脚光を浴び、IT大手の市場参入が相次いでいた。しかし、即時配達にかける高いコスト、粗利率の低下、同業者の悪質な価格戦争によって倒産した企業が続出。これを踏まえると、健全なビジネスモデルが確立するまで、またしても残酷な競争が起きそうだ。

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以前のように、「中国は14億人の人口を抱える巨大市場で、何もしなくても市場が自然に伸びていく」と言われた時代はもうとっくに過ぎ去ったようだ。この市場に身をおくEC事業者・メーカーは、既存ユーザーの維持、日々変わっていく消費者のニーズ把握、さらにはオフライン市場の見直しなど、今後は今まで以上にトレンドを見据え、それに応じた対応をいち早く取らないといけなくなるだろう。

提供・チャイトピ!

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