不動産投資を行うにあたって重要なポイントは、しっかりと収益を上げること。そのためには「損益分岐点」を十分に理解することが大切です。損益分岐点を知っているかどうかで、投資の結果も大きく変わってきます。そこで今回は損益分岐点の仕組みから計算方法まで、幅広く解説します。
損益分岐点とは
損益分岐点とは、売上高と費用の額が等しくなる値のことです。言い換えると、黒字も赤字も出ない状態のこと。したがって、損益分岐点を上回ると黒字に、下回ると赤字になります。不動産投資の場合、売上高は「家賃収入」や「礼金」など、費用は「不動産投資ローンの支払い」や「管理委託費」などを指します。
損益分岐点を下げるほど利益は出しやすいです。そのために必要なことは、「売上アップ」か「費用削減」になります。売上をアップする最も簡単な方法は、家賃を引き上げることです。しかし空室率が上昇するので、家賃を上げることは現実的ではありません。したがって売上をアップさせるためには、空室率を下げるか、入居年数を長くするという工夫が必要です。
一方、費用を削減する方法としては、綿密な計画を策定して日々の出費を抑える方法などがあります。またローンを完済すれば費用が大幅に下がるため、損益分岐点が下がり利益を出しやすくなります。
不動産投資の損益分岐点の詳しい仕組み
不動産投資で損益分岐点を考えるときに注意すべき点が2つあります。
1つ目は、不動産投資はまず「不動産を購入すること」から始まるので、売上高がゼロの状態から費用を計上する必要があります。つまり必ずマイナスからのスタートになります。損益分岐点を計算する際には、このマイナス分を加味しなければいけません。
そしてもう1つは、将来的な売却価格や家賃収入、および支出は変動する点です。例えば予期せぬ修繕費用(支出)が発生すれば、損益分岐点は上がります。つまり利益を上げるハードルが高くなるということです。これらの変動要素を完全に読むことは難しいですが、精度の高いシミュレーションをすることで、ある程度は読めます。その辺りは信頼できる不動産会社を見つけて、二人三脚でシミュレーションする必要があるでしょう。