国連総会(加盟国193カ国)緊急特別会合で2日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア非難決議案が賛成141、反対5、棄権35の圧倒的多数で採択された。総会決議は安保理決議とは異なり、法的拘束力はないが、世界の大多数の国がロシアのウクライナ侵攻を非難したことで、ロシアの国際社会での孤立を改めて鮮明にした。2014年のウクライナ南部クリミア半島のロシア併合を非難した総会決議では、賛成は100カ国だった。今回はそれを41上回った。

ウクライナ危機が示した国連の弱点
(画像=安保理改革が急務となった国連(国連公式サイトから)、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

決議は日本を含む96カ国が共同提案国となり、ロシア軍のウクライナ武力侵攻を国際条約違反とし、ウクライナからの完全撤退、東部親ロ派地域の独立承認を撤回するように要請している、バイデン米大統領は2日、ロシア非難決議案が多数の支持で可決されたことに対し、「ロシアの武力侵攻に対する世界の怒りが如何に大きいかを示した」とその意義を強調している。

ロシア非難決議案に反対した国をみると、紛争の当事国ロシアを除けば、シリア、北朝鮮、エリトリア、ベラルーシだ。シリアのアサド政権はロシアの軍事支援を受け、内戦を乗り越えてきた経緯があって、ロシアを支援せざるを得ない事情がある。ベラルーシはプーチン大統領のロシアとの間に同盟を締結している関係だ。ベラルーシ軍がロシア軍と連携してウクライナ侵攻を展開している現実をみれば、ベラルーシはロシアと共にウクライナ侵攻の当事国だ。実際、緊急特別会合では、ベラルーシの共同責任が明確に指摘された。