いざ不動産投資を始めようとしたときに、気になるのが税金ではないでしょうか。どのような税金が課せられていくら支払うのか、不安に思っている方も少なくないかもしれません。不動産投資で成功するには税金に対する理解が欠かせないため、きちんと知っておきたいところです。そこで、不動産投資を行った際に課せられる税金について紹介いたします。

目次
不動産投資で課せられる税金の種類と税率
 ・不動産取得税
 ・登録免許税
 ・印紙税
 ・所得税
 ・住民税(市町村民税と道府県民税)

不動産投資で課せられる税金の種類と税率

不動産投資を行う際に関連する税金は、以下のとおりです。

  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 所得税
  • 住民税(市町村民税と道府県民税)
  • 個人事業税(10棟以上など、相当規模のみ)
  • 消費税
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 相続税

以下は法人化した際に課せられる税金です。

  • 法人税・地方法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税・地方法人特別税

不動産取得税

土地や建物など不動産を取得した場合に1度だけかかる税金が不動産取得税
です。課税対象は実際の取引価格ではなく、総務大臣が定めた固定資産評価基準によった価格で、原則として固定資産課税台帳に登録されている価格です(新・増築家屋等を除く)。

固定資産税評価額は、各自治体が独自に算出しており、不動産売買価格よりも低くなります。

例えば、都内にある築15年の中古ワンルームマンション(20m2)を2,000万円(土地と建物それぞれ1,000万円)で購入した場合、評価額が土地280万円、建物250万円だった場合、不動産取得税は、土地4万2,000円、建物7万5,000円で合計11万7,000円です。

土地に対しては評価額が1/2になる軽減措置があるため(令和3年3月31日までに取得したとき)、建物より税金が低くなっています。そのほか要件を満たせば(新築の場合、面積が一定以上など)軽減措置はいくつかあります。

登録免許税

マンションなど不動産を購入した場合に、所有権の移転登記や抵当権の設定登記にかかるのが登録免許税
です。所有権の移転登記には不動産価格の20/1000が、抵当権設定登記に債権金額の4/1000がかかります。

上記中古マンションを2,000万円の借入で購入した場合、所有権の移転登記に10万6,000円、抵当権設定登記に8万円で18万6,000円ほどかかります。

印紙税

印紙税
とは、マンションなどの不動産売買契約書を作成した際にかかる税金です。契約書に記載されている金額に応じた収入印紙を貼付することで納付します。不動産の譲渡に関する契約書については契約金額500万円以下の場合2,000円、1,000万円以下の場合には1万円、5,000万円以下の場合2万円、1億円以下の場合6万円です。

上記中古マンションの場合、2万円です。

所得税

不動産を貸すことで得られる家賃収入に対しては、所得税
がかかります。経費をマイナスした所得に対して課せられる税金が所得税です。不動産投資で得られる所得は「不動産所得」に分類され、以下の計算式により算出します。

不動産所得=不動産収入-必要経費
不動産所得の課税方式は総合課税です。給与所得などほかの総合課税科目と所得を合算し、そこから所得控除を差し引いたものが課税所得金額となります。

所得税の税率と控除額(速算表)は以下のとおりです。

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超~330万円以下10%97,500円
330万円超~695万円以下20%427,500円
695万円超~900万円以下23%636,000円
900万円超~1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超~4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

住民税(市町村民税と道府県民税)

一般的に市町村民税と道府県民税を合わせたものを住民税
(個人住民税)とよびます。東京都23区の場合だと、区民税と都民税を合わせたものが住民税です。

住民税も、所得税と同様に所得に対して課税されます。税率は所得の10%。これに地域によって異なる「均等割」が加えられたものが住民税となります。

均等割は、東京都の場合、個人区市町村民税は3,500円、個人都民税は1,500円です。地方自治体の防災対策にあてるため、それぞれに500円が加算されています(平成26年度から令和5年度まで)。