クレームも良くある

輸出した商品のクレームに対処するためのノウハウも必要だ。クレームは必ずある。日本の消費者は一般に家具もオートメーションですべての商品が均一にできるのが上等だと思っている。家具も手つくりの工程が色々とある。だから均一にできることはまずない。しかも、日本まで直線にして1万キロの距離を運んで来るのである、ハンドリングで商品に傷がつくこともある。それをケースバイケースでどのように解決するかという策も必要。更に、実際に壊れた時の修理もできる体制にしておく必要がある。それが社内で出来ない場合入って修理屋と契約しておくとか。その為の経費も計算して小売価格を出す必要がある。

パイン家具に節があるのは今では当たり前になっているが、日本市場で当初そのような節のある家具は欠陥品だと見られていた。しかし、それが本当に家具の無垢を使っている証拠だということを理解してもらうのに時間がかかった。時の経過とともに節があることもインテリアとして受け入れられるようにもなった。

広島の顧客は素晴らしい

1998年12月の帰国では最初に訪問したのは広島市内にある家具店ASAH店であった。これからこの店は筆者にとって重要な顧客に成長していくのであった。姉妹が中心になって経営しており、コーディネートのセンスも高い。また補修もできる。そして重要な点はスタッフが人間味豊かであるということ。だから幅広く固定客が育つということなのであろう。また創業者である一番上の姉は家具のセールスで相当に苦労されたようだ。その精神が今もスタッフに宿っているように感じる。

筆者は自分の出身地である広島でお客を見つけたいという願望をもっていた。それでリサーチしている間にこの店を見つけ飛び込み的な形で訪問したというのが始まりであった。あの当時はまだ直接家具の輸入はされていなかった。国内の商社から輸入家具や小物を仕入れていた。それで筆者の方で輸入の仕方なども説明させて戴いた。