(本記事は、ホームライフ取材班の著書『日本人の9割がやっている間違いな選択』=青春出版、2018年9月30日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

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手皿 汁が垂れそうなとき迷わず手皿をする

箸で食べものを口に運んでいくとき、片方の手を下に添えてフォローする。上品なしぐさだと思い込んでいるのか、あるいは無意識の動作なのか、この「手皿」をする人はじつに多い。もちろん、これは和食の作法に反した下品な振る舞いだ。

汁の垂れそうな食べものを口に運ぶ際、次の2つから行動を選ぶようにしたい。まず、器を持って食べるようにすること。器が大きい場合、食べやすく切り分けたものを取り皿に移し、その取り皿を持って食べるようにするといい。

次のチョイスは、手のひらサイズの和紙である「懐紙」を使うことだ。これを受け皿代わりに使うのは、和食の作法のひとつ。懐紙は口元を隠したり、指や口を拭いたりすることもできるので、格式の高い和食の場にはぜひ持参しよう。

正解 手ではなく、「小皿」で受けないと下品に見える

大皿料理 箸を逆さに持って取り分ける

大勢で大皿料理を前にしたとき、自分が食べる分をどうやって取り分けたらいいのか。よく見かけるのが、箸を逆さにして取り分けする姿。自分が口にする箸の先のほうは使うに忍びない、という心づかいのようだが、マナーに厳しい人が同席していたら、即座に注意されるだろう。それは「逆さ箸」という下品な箸づかいだと。

箸を逆さにして取り分けると、手で持っていた部分が料理に触れることになり、衛生的ではない。また、箸の両端が汚れることになるので、見た目のうえでもキレイとはいえないだろう。

取り分けるときは、店の人を呼んで、新たに箸を持ってきてもらうのがいちばん。作法を知らないと思われないように、決して間違った箸づかいはしないようにしよう。

正解 「逆さ箸」はマナー違反。新たに箸を持って来てもらう
 

三種盛りの刺身 食べたいものから自由に食べる

色合い異なる刺身が右・左・中央奥と、彩り良く組み合わさった「三種盛り」。格式の高い店で出されるものは、脇役であるつまやけんの配置も美しい。さて、この三種盛りはどのように食べ進めるのがいいだろうか。

どうと言われても、好きなものから選ぶに決まっている……こう思った人は、本人が気づかなかっただけで、これまでに恥を相当かいているに違いない。

三種盛りの食べる順番は決まっている。まず左から食べて、次は右、最後に中央奥に食べ進めるのが作法だ。多くの場合、淡泊な白身からはじまり、次は貝類などを味わい、最後は味の濃い赤身で締める流れになっている。刺身と交互に、つまやけんを少しずつ食べると、一層上品な食べ方に見える。

正解 「左→右→中央奥」の順番に食べ進めるのが作法

椀 食べ終えたら逆さにして重ねる

何気ない振る舞い方で、その人の〝育ち〞が見えるのが食事のシーン。吸い物や味噌汁の椀をフタつきで出されたときも、扱い方で印象がアップしたり、一気に急降下したりする可能性がある。

作法に厳しい人が注目するのは、食べ終えたときのフタの置き方。どう行動するのかは二択となる。フタを元通りに戻して閉じるのか、それとも、フタを逆さまにして椀の上に重ねるのか。

逆さまを選ぶ人は、「食べ終えた」ということを示す気づかいだと思っているのだろう。しかし、これではフタや椀が傷つきやすくなってしまう。見た目も上品とはいえないので、フタは元通りにしておくのが正解だ。

正解 フタが傷つくので、「元通り」に重ねる

ピザ イタリア料理店で手づかみで食べる

ピザは放射状に切ってから、手づかみでガブッと食べるのが当たり前。こう思ってはいないだろうか。しかし、こうした豪快な食べ方はアメリカ式。日本にはアメリカからピザが伝わってきたことから、このカジュアルなスタイルが広まったわけだ。

普段、手づかみでピザを食べても、誰に注意されることもないだろう。けれども、本格的なイタリア料理店ではNG。ピザの本場、イタリアではナイフとフォークを使って食べるのがマナーなのだ。

イタリアのピザは薄いことが多いので、手で持って食べると具材が落ちてしまう。ナイフとフォークをうまく使って、放射状に切った先端部分からクルクルッと巻き込み、ひと口サイズに切ってから食べるようにしよう。

正解 本格レストランでは「ナイフとフォーク」を使う

ナプキン 店から出る前キレイにたたむ

フレンチやイタリアンのレストランでは、ナプキンを上手に使いこなさなくてはいけない。使い方には作法があるので、ちゃんと覚えていないと、恥をかくことになりかねない。こうした店に慣れていないなら、カトラリーの使い方などを含めて、しっかり予習して出かけるようにしよう。

ナプキンの使い方で間違いやすいのは、食事を終えて席を立つとき。日本人の感覚では、ナプキンをきちんとたたむのが礼儀のように思えるが、まったく逆。キレイにたたんでからテーブルに置くと、じつは「料理がうまくなかった」というサインとして受け取られてしまう。クシャクシャにはし過ぎず、雑にたたんでから置き、席を立つのが上品なマナーなのだ。

正解 それは「まずい」のサイン。「雑にたたむ」のが正解

ワイン 注がれるときグラスに手を添える

西洋料理にワインはなくてはならないもの。カジュアルな店なら、同席した相手と気軽に注ぎ合いながら飲むことだろう。

これに対して、高級なレストランの場合、グラスが空になったら店のスタッフが注いでくれる。慣れない人は何だか恐縮してしまい、グラスに手を添えたり、ビールを注がれるときのように、グラスを持ち上げたりするかもしれない。

しかし、これはマナー違反。空になったグラスにワインを注がれようとするとき、選ぶべき行動は何もしないことだ。ただワインが注がれるところを見ているだけでいい。グラスに手を添えたり持ったりすると、ワインを注ぎにくくなってしまう。一見、気づかいのある振る舞いのようだが、こうした場ではNGだ。

正解 ビールとは違って、「手は添えない」のがマナー
 

ワイン 乾杯のときにグラスとグラスを合わせる

カジュアルなパーティーや宴会の乾杯のときは、ビールで行うことが多い。グラスをみなで胸の高さまで持ち上げ、「では、乾杯!」の掛け声とともに、ほかの人とグラスを合わせてカチンと鳴らす。これが一般的によく見られる光景だ。

けれども、格式の高いパーティなどで、ワインやシャンパンで乾杯をする際、絶対にほかのグラスと合わせてはいけない。ワイングラスやシャンパングラスは薄く、繊細な造りになっている。ほかのグラスと合わせると、カチンではなく、ガシャン!と割れてしまいかねないからだ。

ワインやシャンパンでの乾杯は、合図とともに、グラスを目の高さまで上げて、周りの人と目を合わせるだけで十分。TPOをわきまえた行動をチョイスしよう。

正解 グラスが割れやすいので、合わせるのは禁物
 

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ホームライフ取材班
暮らしをもっと楽しく! もっと便利に!」をモットーに、日々取材を重ねているエキスパート集団。取材の対象は、料理、そうじ、片づけ、防犯など多岐にわたる。その取材力、情報網の広さには定評があり、インターネットではわからない、独自に集めたテクニックや話題を発信し続けている。
 

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