(本記事は、ホームライフ取材班の著書『日本人の9割がやっている間違いな選択』=青春出版、2018年9月30日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

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靴 玄関をあがるとき後ろ向きで脱ぐ

人の家を訪問したとき、玄関でどのように靴を脱ぐのが正しいだろうか。考えられるひとつのやり方は、上がる直前に後ろを向く脱ぎ方だ。靴を脱ぐと同時に、きちんと揃えることができるという、なかなか合理的な行動だ。とはいえ、この脱ぎ方では、訪問先の相手に対して、お尻を向けることになってしまう。これは大変失礼なことで、決してやってはいけないマナー違反の振る舞いだ。

訪問時に行うべきは、まったく逆の脱ぎ方。後ろを向くのではなく、前を向いたまま靴を脱いで上がり、それからしゃがんで靴を揃える方法だ。しゃがむときには、やはりお尻の位置に注意。体を斜めにして、相手にお尻を向けないように気をつけながら、靴を揃えるようにしよう。

正解 そのまま「前向き」で脱ぎ、しゃがんで揃える

靴箱 かかとを手前にして靴を入れる

小学生のころ、運動靴や上履きを下駄箱にしまうとき、出し入れしやすいように、かかとを手前にしていたのではないか。確かに、このようにすると、子どもでもスムーズに靴を出し入れすることができる。しかし、正式な場では、振る舞いを改めなければいけない。この長年身についた方法で行うと、ちょっと恥ずかしい思いをしてしまう。

かかとを手前にして下駄箱に入れると、靴の汚れた中敷きやすり減ったかかとなどが、ほかの人から見えやすくなる。これはけっこう見苦しいので、つま先を手前にするのが正しい作法とされている。下駄箱が用意されている店や施設、会社などでは、この脱ぎ方をチョイスしたほうがいいだろう。

正解 「つま先を手前」にして入れるほうが上品

挨拶 挨拶しながらお辞儀をする

会社の上司や取り引き先、近所の知り合いにと、日頃、私たちはいろいろなシーンで、挨拶とお辞儀をしている。気心の知れた相手なら、少々くだけた感じで接してもかまわないだろう。しかし、目上の人に向かったときなど、礼を欠いてはいけない場合、やってはいけない恥ずかしい振る舞い方がある。

その代表的なものが、挨拶しながらお辞儀をすることだ。挨拶と同時にお辞儀をすると、顔を下に向けているときに、「おはようございます」などと言うことになる。

マナーを押さえた正しい振る舞い方は、まず、相手の顔を見ながら声を出して挨拶をする。そして、息を吸いながら上体を前に傾けていき、45度程度の角度で止めて息を吐く。それから息を吸いながら、上体をゆっくり上げていく。特にビジネスシーンでは、この挨拶とお辞儀をする機会が多いので、必ず身につけておきたい。

やってはいけないお辞儀の仕方は、ほかにもまだまだある。そのひとつは、何度も繰り返しお辞儀をすることだ。本人は丁寧に振る舞っているつもりかもしれないが、周りから見ると、ぺこぺこしているようで、妙に卑屈な印象を受ける。背筋を伸ばさず、背中を丸めたお辞儀も、何だか貧相に見えるのでNGだ。

上体を傾けずに首だけでちょこんとするお辞儀、立ち止まらないで歩きながらのお辞儀も禁物で、とても失礼なヤツだと思われる。じっと相手を見ながらのお辞儀も、礼儀に反する振る舞いなので、決してやらないようにしよう。

正解 「挨拶してから」お辞儀をするのがマナー

ノック 訪問先のドアを2回ノックする

ドアを開ける前、ノックするのは基本的なマナー。特にビジネスでは上司の部屋に入るとき、営業先の会社を訪問する際など、必要となるシーンが多い。

では、ノックは何回するのが正しいのか。日本では「コン、コン」と2回ノックする人も少なくないが、じつは国際的にはマナー違反。これはトイレのドアを叩くときにするものなので、「トイレノック」ともいう。ビジネスでは4回叩くのがマナーで、3回ノックは親しい相手に使うのが基本とされる。

日本は、ドアよりも引き戸が多かったことから、ノックについては厳密な共通ルールはない。4回は叩き過ぎと感じる人もいることから、無難なマナーとされている3回ノックを基本にするのがいいだろう。

正解 「2回」はトイレ用。日本では「3回」が無難

握手 男性から女性に握手を求める

近頃、ビジネスシーンではよく行われるようになってきた握手。しかし、元々、日本にはなかったスキンシップなので、正式なマナーを知らず、見よう見まねで行って、相手にイヤな顔をされる場合もあるようだ。

男性から女性に対して握手を求めるのも、代表的なマナー違反のひとつ。非常に失礼な行為とみなされるので、特に外国人相手には絶対にやってはいけない。

レディファーストの国々の習慣なので、男女の握手では、あくまでも主導権があるのは女性側。相手から手を差し出してきたら、それに合わせて自分の手を伸ばして行うようにするのが決まりだ。力の入れ具合も重要で、男性相手なら、やや力を込めて握り合うのがマナーだが、女性に対しては軽く握らないと怒りを買ってしまう。

正解 女性が手を差し出してから握手する

ズボン 太ってきたから、大きめの「2タック」を選ぶ

スーツのズボンには、生地を畳んだヒダヒダの「タック」があるものとないものがある。近頃はノータックのスリムタイプが流行りだが、中年男性の場合、ぽっこり出てきたお腹を隠したいと、よりゆったりした「2タック」のズボンを選びたくなるのではないだろうか。

確かに、2タックをはくと、お腹を隠せた気がするかもしれない。しかし、2タックはヒップや太ももにも余裕をもたせている。このため、腰回りや脚の肉が落ちている人の場合、ウエストは合っていても、ヒップや太ももはだぶだぶで、貧相な印象を与えかねない。こうした体型の人は、ある程度、体にフィットしたズボンのほうが無難。腹が出ているから2タック、と決めつけないようにしよう。

正解 体にフィットしたズボンのほうが目立たない
 

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ホームライフ取材班
暮らしをもっと楽しく! もっと便利に!」をモットーに、日々取材を重ねているエキスパート集団。取材の対象は、料理、そうじ、片づけ、防犯など多岐にわたる。その取材力、情報網の広さには定評があり、インターネットではわからない、独自に集めたテクニックや話題を発信し続けている。
 

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