運送業の運行管理者の年収はドライバーと違うのか知りたい方も多いのではないでしょうか。この記事では、運行管理者の仕事内容や給料、資格の取得方法や実際の求人について紹介します。人手不足の運送業界で、企業運営に欠かせないと言われる運行管理者に興味のある方や未経験から資格取得を目指す方は、ぜひ読んでみてください。
目次
そもそも運行管理者とは?
運行管理者の給料はどれくらい?
そもそも運行管理者とは?

トラックやバス、タクシーなど荷物や人を運ぶ会社で運行業務を統括し、営業車両の管理と運行業務のマネジメントが主な業務です。
特に運送業は、大型トラックを中心に全国規模で展開する大手企業、地域に密着した中小企業、個人経営の配送業務請負業者など様々な業者が存在します。使用する車両もトラック、特殊車両、軽自動車、原付バイクとバリエーション豊富です。
運送業は経済を支えると同時に、事故が発生すると人的及び経済的に多大な影響を及ぼします。運行管理者は、円滑な業務と安全運行の司令塔です。
運行管理者とは

一般に配車担当にあたる業務をこなします。企業規模によって異なりますが、ドライバーや事務職、管理職と兼任することが多い職種です。
タクシーなど顧客の要望に応じて車両を手配する業務もありますが、運送業やバス業界は事前に配車及び担当者を決めて運行指示を出します。安全運行を支える目的で、労務管理や健康管理、気象や道路情報の収集、運転者への教育も業務範囲です。
運行管理者には緊急時の対応も含まれ、事故発生時の状況把握、緊急連絡、代替輸送指示を行います。
運行管理者の主な仕事内容

運送業の運行管理者は、車両の管理業務と運行指示、運転者の労務管理が主な仕事内容です。出庫と帰庫点呼を通じて確認及び指示します。
出庫点呼では日常点検と運転者の健康状態の把握、運行指示を確認します、帰庫点呼は運行中の確認を行います。遠隔地で対面点呼できない場合はオンラインで実施し、どの点呼でもアルコールチェッカーを併用します。
車両の点検と車検の日程調整、運転者の健康診断や適性検査の適切な受診指示、結果を受けた指導も仕事です。また、労務管理は1日の労働時間と次の勤務まで間をあけるなど、一般企業にはない変則勤務独特の調整も行います。適切な休息を確保するため、休憩室の維持管理も運行管理者の業務です。
運送業には運行管理者が必要

運送業を営むためには、車両台数に応じた運行管理者の配置が法律によって規定されています。違反すると行政処分の対象になり、車両の使用禁止命令が発せられます。記載が義務付けられた日報や報告書の不備、未提出も処分対象です。
営業用車両の台数に応じて運行管理者の選任者数が決まります。点呼が円滑に実施できるように車両台数に応じた人数よりも多く選任し、営業車両走行中に運行管理者が出勤するように配慮します。
運行管理者は営業所ごとに配置が義務付けられ、管轄する陸運局へ届け出ます。車両が5台未満、軽自動車や原付バイクだけの場合、選任義務はありません。
運行管理者の給料はどれくらい?

運行管理者だけの業務を担当する場合とドライバーや事務職など兼任する業務がある場合で給料が異なります。
運行管理者の業務内容が運送業の根幹部分に関わることもあり、小規模運送業者では経営者及びそれに準ずる立場の管理職が兼任することもあります。大規模事業者では専任者を配置します。
立場の違いや兼任する業務内容が給料に反映されるため、運行管理業務だけで給料を単純に比較できません。
運行管理者の平均年収

運送業の運行管理者の平均年収は、大手運送業は約800万円、中小事業者が約300万円から400万円です。管理職が兼任する場合は、大手運送業では1000万円以上の年収もあります。
ドライバーを兼任する場合は、今までの業務経験や保有する免許証によって年収は異なります。勤務経験が長い場合や大型または特殊免許を保有していれば、年収に反映されます。運送会社の場所によっても違いはあり、首都圏など大都市圏では他の業種の賃金を反映して高額ですが、地方では同じ資格を保有しても都市圏よりは少なめです。
運行管理者の平均月収

平均月収は約34万円で、運転者の平均月収の25万円よりも高額です。運行管理者は一定の経験が求められるため、年齢層が高くなることも影響します。
多くの企業では給料に加えて手当てが加算されることもあり、運行管理者の資格保持者は毎月5千円から1万円上乗せです。責任ある立場で多くの業務をこなすことから手当てが支給されます。
運送業では運行管理者の他に整備管理者も選任されます。車両整備を整備管理者が担い、総務や人事が労務管理を行うなど運行管理者の負担を軽減し、待遇改善を図る企業もあります。
ドライバーの給料よりは安い

運行管理者だけでの給料は安く、ドライバーと兼任しなければ求人も多くありません。事務職と比較して、ドライバーは運転業務に伴うリスクがあり高額に設定されていることが理由です。
配車担当が運行管理業務を行う場合、定時勤務が一般的ですが、ドライバーは不規則勤務も多く導入されています。長距離トラックや夜間配送は特別加算が行われ、給料がアップしますが、定時勤務の職種は適用外です。
勤務経験が長くなれば比例して給料も上がりますが、運行管理者専任での募集条件は、ドライバーよりも抑え気味の待遇が提示されます。