総務省は2022年1月末、「住民基本台帳人口移動報告 2021年(令和3年)結果」を発表しました。日本人および外国人の国内移動はどのような動きをしていたのか、主に東京に絞った移動状況を読み解きます。
目次
全国の移動状況
・出入りする人が最も多いのは東京都
・年齢別の都道府県間移動
東京圏、東京都、東京23区の移動状況
・東京都の転入超過は2年縮小
・東京23区では25年ぶりの転出超過
全国の移動状況
2021年の1年間に日本国内を移動した人(日本人・外国人)の全体像としては、大きく3つの区分で移動数が発表されています。
- 都道府県間を移動した人:247万6,640人
※都道府県またいで住所を移した人 - 都道府県内を移動した人:277万1,104人
※都道府県(東京都特別区部および政令指定都市含む)の区域内で住所を移した人 - 市区町村間を移動した人:524万7,744人
※市区町村をまたいで住所を移した人
前年2020年との比較では、都道府県間の移動数が増加しています(前年比12,648人増加)。

出入りする人が最も多いのは東京都
都道府県間の移動者を都道府県別に見ると、転入者・転出者とも東京都が最も多いです。
- 東京都への転入者数:420,167人
- 東京都からの転出者数:414,734人
転入者から転出者をマイナスした転入超過数は、5,433人です。
前年2020年との比較では、転入者は減少(12,763人)しています。

年齢別の都道府県間移動
都道府県間の移動者数を年齢で区切ったデータもあります。
移動者数が多い年齢は、多い順に
- 22歳:177,942人
- 24歳:131,256人
- 23歳:120,011人
- 25歳:118,155人
- 26歳:108,834人
となっています。
2020年との比較では、移動が最も増加しているのは24歳(5,801人増加)、次いで18歳(4,904人)、26歳(4,659人)となっています。

東京圏、東京都、東京23区の移動状況
東京都の転入超過は2年縮小
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の「東京圏」は、いずれも転入が転出より多く、4都県合計で81,699人の転入超過です。
東京都5,433人、神奈川県31,844人、埼玉県27,807人、千葉県16,615人です。このうち、東京都は2年連続で、転入超過の数が減っています。

東京23区では25年ぶりの転出超過
東京23区の「東京都特別区部」では、転入より転出が上回り、14,828人少なくなりました。日本人に限ると1996年以来25年ぶりに7,983人の転出超過となったこととなります。※

※住民基本台帳人口移動報告は、2014年8月結果から日本人移動者に加え,外国人移動者を含めた移動者の結果を追加
上記2つのデータは首都圏および東京都特別区部の直近8年の推移ですが、より長い期間、1955年からの推移が「東京圏」の区分であります。
それを見ると、東京圏ではバブル崩壊後に一時的に転出超過となっていますが、そのあと2000年代は転入超過が続いていることがわかります。
