天気予報を活用したマーケティング施策でクリック率が最大50%向上

さらに、WxTech®︎をマーケティング施策の策定に活用する企業も増えています。

防虫剤「ムシューダ」などで知られる日用雑貨メーカーのエステーは、防虫剤の需要がピークを迎える衣替えの時期を予測するのにWxTech®︎を活用しています。消費税増税やパンデミックなど想定される特殊要因と天気予報から売り上げを推測し、(需要ピークから逆算して、)販売店にチラシ配布や特設売り場を作るタイミングを伝えているといいます。

また、日本コカ・コーラはWxTech®︎を活用して、消費者向けのスマートフォンアプリで天気予報に応じた施策を行なっています。

気象データ活用で購入数20%アップ! 使い方は無限大、ウェザーニューズ社の最新ビジネス事例と展望
(画像=『宙畑』より引用)

気温が高く熱中症の危険が心配される日には、「熱中症に注意」という通知とともに、該当日時にドリンクを購入すると2倍のスタンプがもらえるキャンペーンを打ち出しました。その結果、通知が届かなかった地域と比べて20%多いユーザーがコカ・コーラの製品を購入したそうです。

「Webサイトの訪問者の情報を保存するCookieが規制される動きがあるなか、デジタルマーケティングのターゲティングをどうしていくべきか悩んでいらっしゃる方が多くいます。天気予報は個人情報ではないので、規制の懸念はなく、行動や意思決定に最も影響する要因の一つであるため、画期的だと評価をいただいています。広告のクリック率は20〜50%向上するという結果が出ていて、市場の反応もいいです」(中村さん)

「これまでは、大手企業を中心にシステム開発を行ってきましたが、WxTech®︎をリリースしたことで、ベンチャーや中小企業までサービス提供の幅が広がりました。今も多くの問合せをいただいていて、『APIのニーズってこんなにあったんだな』と思っています」(安井さん)

世界展開も積極的に。日本初のSnowflakeデータ出品企業に

また、ウェザーニューズ社は海外展開にも積極的です。現在、国外には20以上の販売拠点および運営拠点を置いています。売上もアジアと欧州の合計で、国内売り上げの半分程度。今後、まずはアジアからさらに展開しようとしているそうです。

また、世界展開において、今年の6月にウェザーニューズ社は日本初の取り組みを発表しています。

それが、アメリカのDX推進を担う有力企業のひとつSnowflake社が提供する、様々な企業のデータをクラウドで取り扱うマーケットプレイス「snowflakeデータマーケットプレイス」とのデータプロバイダ契約の発表です。

この取り組みにより、国内外の様々な企業が気象データを自社事業とかけ合わせて、さらなる事業拡大につなげられることでしょう。すでに問い合わせも増えているとのこと、今後ますますの気象データを用いた事例創出が期待されます。

<編集後記>
ウェザーニューズの気象情報がビジネスの場で活用されている最新の事例をうかがいました。APIとして提供されるようになってからは、企業が持つデータやシステムと気象情報を手軽に組合せられるようになり、アイデア次第で使い方は無限大です。

ウェザーニューズは、売上データやメディアのPV数やGoogleトレンドの検索数の変動と天気の相関関係を簡易的に分析できるサービスを公開しています。まずは自社のビジネスと天気との関係を調べてみると面白いのではないでしょうか。

提供元・宙畑

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