「スカイウォーカーカード」は、オリコオリコカードが発行する旅行代理店HISのクレジットカード。あまり知られていないカードだが、実は2.5%の超高還元率も狙える、旅行の機会の多い人にとってはメリットの多いクレジットカードだ。このカードのメリット・デメリットを含め、どんな人におすすめなのかを解説する。

目次
1,「スカイウォーカーカード」の3つのポイント
2,「スカイウォーカーカード」の基本スペックと審査基準
3,還元率は通常0.5%で最高2.5%
4,5つのメリット 旅行保険や海外デスク、免税店割引など
5,デメリットは還元率とポイント交換の複雑さ
6,「スカイウォーカーカード」がおすすめなのはどんな人か?

1,「スカイウォーカーカード」の3つのポイント

オリコカードが発行する、旅行代理店HISと提携したクレジットカードが「スカイウォーカーカード」だ。あまり聞き慣れないクレジットカードだが、いったいどういうカードなのか?押さえておくべきポイントは以下の3つだ。

このクレジットカードの基本スペックや還元率、メリット・デメリットなど紹介していこう。

2,「スカイウォーカーカード」の基本スペックと審査基準

まずは、申し込みを検討する前に最低限知っておきたい「スカイウォーカーカード」の基本スペックと審査基準を確認しよう。

「スカイウォーカーカード」の基本スペック――年会費の安さと自動付帯保険に注目

国際ブランド VISA/Mastercard
年会費 1,100円(税込)
※初年度年会費無料
※年間利用額10万円以上で次年度無料
家族会員無料(2名まで)
ポイントサービス 暮らスマイル
通常ポイント還元率 0.5%
ポイント交換対象 ・オリコポイント
・HIS商品券
・UCギフトカード など
空港ラウンジサービス なし
付帯保険 ・海外旅行傷害保険(自動付帯)
・国内旅行傷害保険(利用付帯)
追加カード ・家族カード
・ETCカード

年会費は初年度無料で、次年度以降も1,100円と比較的安く、海外旅行傷害保険が自動付帯するのが特徴だ。

「スカイウォーカーカード」の審査基準――審査通過のハードルは高くない?

審査基準そのものではないが、公式サイトには申し込み資格として「18歳以上(高校生除く)の未成年・学生の方」と書かれている。また、パート・アルバイトや主婦のほか、年金受給者や不動産収入がある人でも申し込めるとあるので、一定の世帯収入があれば職種などは審査で重視されないと考えていいだろう。

ネットの口コミによると、発行会社のオリコカードの審査のハードルは比較的低いと言われており、世帯年収が200万円以上なら審査に通る可能性は高いようだ。ただし30代、40代と年齢が上がっていくと年齢相応の収入が求められ、少しハードルが高くなるかもしれない。

ただし年収が十分であっても、過去にクレジットカードやカードローンの支払い、携帯電話端末の分割払いなどで延滞があると、審査は厳しくなるだろう。

「スカイウォーカーカード」の年会費を下げる方法――実質年会費無料

「スカイウォーカーカード」の年会費は初年度無料で、次年度からは1,100円(税込)かかる。しかし、前年度の年間利用金額が10万円以上なら、次年度も年会費が免除される。普通にカードを使っていれば年会費は無料になるので、実質無料と考えていいだろう。

3,「スカイウォーカーカード」のポイントサービス、還元率 通常0.5%、最大で2.5%に

「スカイウォーカーカード」の最大の特徴は、HISの利用分に対して2.5%という超高還元率でポイントが付与されることだ。次に、そのポイントサービスの概要を紹介しよう。

貯まるポイントと還元率――「暮らスマイル」が0.5%還元で貯まる

貯まるポイントは、オリコカードの「暮らスマイル」。クレジット支払い1,000円ごとに1ポイント(約5円相当)が貯まるので、ポイント還元率は0.5%だ。

ポイントの有効期限は誕生月を基準にして決まり、付与された月から2回目に迎える誕生月まで13~24ヵ月有効だ(誕生月に付与されたポイントは次の誕生月まで有効)。

ポイントの交換対象

ポイントはHIS商品券に交換できるほか、各種賞品、ホテル宿泊プラン、ディナープラン、各種ギフト券などにも交換できる。

「暮らスマイル」の交換対象

ポイント交換対象 交換対象単位 必要ポイント数
(暮らスマイル)
HIS商品券 2,000円分 400P
オリコポイント 5P 1P
聘珍楼 横濱本店 ペアディナー2名分 3,600P
京料理 古都梅/祇園美登幸 ペアランチ2名分 2,200P
中禅寺 金谷ホテル 平休日ペア宿泊プラン
(1泊2食付)
1万1,000P
伊豆長岡ホテル天坊 平休日ペア宿泊プラン
(1泊2食付)
6,400P
ナガシマスパーランド 1日フリーパス+
湯あみの島ペア入場券
3.100P
TOHOシネマズ 映画鑑賞券1枚 400P
マックカード 2,000円分 450P
UCギフトカード 5,000円分 1,100P
図書カードNEXT

ポイントの利便性を高めてくれるのが、「オリコポイント」への交換だ。「暮らスマイル」1ポイント→「オリコポイント」5ポイント(5円相当)のレートで交換できる。さらに「オリコポイント」は、500ポイントから各種オンラインギフト券や他社ポイント・マイルに移行できる。

オリコポイントを交換できるマイルやポイントを一部紹介しておこう。なお、「スカイウォーカーカード」会員は「オリコポイント」をHIS商品券に交換することもできる。

「オリコポイント」の交換対象

ポイント移行・交換対象 交換対象単位 必要ポイント数
ANAマイレージクラブ 600マイル 1,000P
JALマイレージバンク 500マイル
Tポイント 1,000P
楽天スーパーポイント
dポイント
Pontaポイント
WALLET ポイント
WAONポイント
Google Play ギフトコード 1,000円分
nanacoギフト
Amazonギフト券 500円分 500P
iTunesギフトコード
UCギフトカード 5,000円分 5,500P
HIS商品券 2,000円分 2,000P

「オリコポイント」の有効期限は、獲得月を含めて12ヵ月後の月末と比較的短いことに注意したい。「暮らスマイル」から移行する場合で考えると、ポイント獲得と移行のタイミング次第では、有効期限は最長約3年となる。

ポイントアップの5つの方法――HISの旅行商品、投資など

0.5%の還元率は、クレジットカードでは一般的。「スカイウォーカーカード」におけるポイントアップの方法を紹介しよう。

・方法1,HISの支払いで還元率が2.5%に
通常1,000円の利用で1ポイントが付与されるが、国内のHIS店舗でパッケージツアーや航空券、ホテル、旅行用品を「スカイウォーカーカード」で支払うと5倍の5ポイントが付与され、ポイント還元率が2.5%になる。

・方法2,エイチ・エス証券の取引でポイント獲得
エイチ・エス証券で株式取引や投資信託、FX取引、外国債券の購入などを行うと、取引額に応じて「証券ポイント」を獲得できる。「証券ポイント」は、「スカイウォーカーカード」に「暮らスマイル」として同じポイント数が加算される。
 

エイチ・エス証券での
ポイント付与条件
ポイント付与数
証券ポイント申請
(証券ポイントを貯める設定を行う)
40P(200円相当)
国内株式
日経225先物・オプション
投資信託
外国株式の取引
取引手数料400円(税別)
ごとに1P(5円相当)
外国債券の取引 買付金額10万円ごとに5P
(25円相当)

・方法3,「得タク」の利用は還元率2%
「得タク」ステッカーのあるタクシーに乗車し「スカイウォーカーカード」で支払うと、1,000円につき4ポイントが付与される(ポイント還元率2%)。

・方法4,利用金額ごとのボーナスでポイント付与率が最大2倍に
ショッピング利用累計金額に応じて決まったステージごとに、ポイント付与率が最大2倍にアップする「クラステージ」という仕組みも用意されている。利用金額の集計期間(1年間)の途中でも、ステージ条件を満たした段階でポイントアップが適用される。

クラステージのステージ別ポイントアップ倍率

利用累計金額 ステージ名 ポイントアップ倍率
200万円以上 ステージ200 2.0倍
100万円以上 ステージ100 1.7倍
50万円以上 ステージ50 1.5倍
50万円未満 ノーマル 1.0倍

なお、オリコカードが発行するクレジットカードのうち「暮らスマイル」が貯まるタイプのものを複数持っている場合、その利用額の合計でクラスが決定される。

・方法5,オリコモール経由でオリコポイントも付与される
ポイントサイト「オリコモール」を経由してネットショッピングすることで、クレジット利用分に付与される「暮らスマイル」のほかに、ショップごとに設定されたポイント還元率0.5%相当以上の「オリコポイント」が付与される。登録ネットショップにはAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Apple公式サイト、じゃらんなどがあるので、普段利用しているショップでポイントアップを狙えるだろう。

オリコモールと「スカイウォーカーカード」の利用で貯まるポイントは別のものだが、最終的にオリコポイントにまとめるなら、ポイントアップ手段として有効だ。

4,「スカイウォーカーカード」の5つのメリット 免税店での割引や旅行保険

HISを利用する際にお得さを味わえる「スカイウォーカーカード」。ポイント還元率以外に、どのようなメリットがあるのだろうか。

メリット1,電子マネー感覚のサインレス決済ができてストレスフリー

国内・海外のサインレス決済(Mastercard PayPass/Visa payWave)に対応している店舗では、電子マネーと同じ感覚で、かざすだけで決済ができる。利用分はクレジットカード利用分と一緒に請求され、ポイントも同様に貯まる。

メリット2,成田空港免税店で5%オフとお得

成田空港「JAPAN DUTY FREE」でのショッピングで「スカイウォーカーカード」を利用すると、5%オフになる(一部対象外商品・店舗あり)。対象店舗は、成田空港第1ターミナル北1売店、北2売店、第2ターミナル本館店・サテライト店だ。

メリット3,海外最高2,000万円・国内最高1,000万円の旅行保険が付帯

「スカイウォーカーカード」には、旅行代金をカードで支払ったかどうかにかかわらず、最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯する(自動付帯)。国内旅行は、旅行代金をカードで支払った場合に付帯し(利用付帯)、補償金額は最高1,000万円だ。

・海外旅行傷害保険(自動付帯)

保険項目 補償内容
死亡・後遺障害 2,000万円
傷害治療費用 200万円
疾病治療費用 200万円
携行品損害 20万円(免責:1事故3,000円)
賠償責任 2,000万円
救援者費用等 200万円

・国内旅行傷害保険(利用付帯)

保険項目 補償内容
死亡 1,000万円
後遺障害 1,000万円

メリット4,海外デスクが利用できて便利

海外旅行の際は、世界51都市にある提携海外デスクにて日本語でさまざまな対応をしてもらえる。対応例は、以下のとおりだ。

メリット5,ETCカードの年会費が無料

年会費が実質無料のクレジットカードであっても、ETCカードの年会費がかかると結局毎年年会費を支払うことになってしまう。「スカイウォーカーカード」は年会費が実質無料であるだけでなく、ETCカードの年会費も無料なので、車に乗る人にも優しいカードと言える。

5,「スカイウォーカーカード」の2つのデメリット 通常還元率やポイント交換の手間など

年会費が実質無料であることを考えればデメリットはないに等しいが、あえて挙げるなら以下の2点になるだろう。

デメリット1,通常のポイント還元率が高くない

「スカイウォーカーカード」はHISで利用すると2.5%と圧倒的に高いポイント還元率になるが、通常の還元率は0.5%と決して高くはない。HISを利用する機会の少ない人には、メリットの薄いカードと言えるだろう。

同じオリコカードから、年会費無料でポイント還元率1%の「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」というクレジットカードが発行されている。このような高還元率カードと比較すると、ポイント還元率は見劣りする。

ただし「Orico Card THE POINT」には旅行保険が付帯しないので、どちらが自分に合っているかはケースバイケースということになる。

デメリット2,マイルなどに交換するのが面倒

「スカイウォーカーカード」の利用で獲得した「暮らスマイル」を航空マイルや他社ポイントなどへ移行するには、いったん「オリコポイント」に移行しなければならない。

移行するタイミングをうまく調整して、ポイントの実質的な有効期限を延長することができるのはメリットだが、2段階の移行・交換が必要になるのは、やはり煩わしいだろう。

6,「スカイウォーカーカード」はどんな人におすすめ?

HISの利用におけるポイント還元率が2.5%と圧倒的に高いことを考えれば、仕事やプライベートで旅行が多く、毎回HISで手配するような人におすすめであることは言うまでもない。

「暮らスマイル」から「オリコポイント」を経由する必要はあるが、ANAマイルへの交換レートが比較的良いので、ANA便をよく利用する人なら、貯めたポイントを有効に使えそうだ。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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