多くのクレジットカードには、海外旅行傷害保険が付帯する。しかし、「年会費無料で自動付帯」のカードは少ないようだ。年会費やポイント還元率ばかりに目がいってしまいがちだが、実は海外旅行傷害保険の内容は重要だ。その重要性と海外旅行保険が自動付帯のクレジットカード5枚について、詳しく解説していこう。

目次
1,海外旅行傷害保険とは?クレジットカードに付帯する重要性
2,クレジットカードの海外旅行傷害保険の種類
3,年会費無料で海外旅行傷害保険が自動付帯するクレジットカード5選
    3-1,「REX CARD」
    3-2,「エポスカード」
    3-3,「ミライノ カード GOLD」
    3-4,「ビックカメラSuicaカード」
    3-5,「DCカード Jizile(ジザイル)」
4,クレジットカードの海外旅行傷害保険の4つのチェック項目

1,海外旅行傷害保険とは? クレジットカードに付帯している重要性

海外旅行傷害保険とは、海外旅行中にケガや病気で治療を受けた際の治療費などを補償してくれるもの。旅行中にそのようなことが起こる可能性は低いと考えている人もいるだろうが、海外に行く際は保険に加入しておいたほうがいい。その理由は以下のとおりだ。

海外旅行傷害保険へ加入する重要性

海外旅行先で急病になったりケガをしたりすると、日本国内の場合と違って健康保険が適用されないため、治療費が高額になってしまうという話を聞いたことがある人もいるだろう。

たとえば、ハワイ・ホノルルで盲腸の手術をして入院すると、250万円以上の費用がかかるという試算がある。日本なら、盲腸の治療費は20万円前後。会社員であれば健康保険が適用されるので、自己負担はその3割の6万円程度で済む。日本と大差ない国もあるが、いずれにせよ健康保険が適用されないので注意したい。

このように海外旅行での病気・ケガによる金銭的なダメージを考えると、海外旅行傷害保険に加入しておくのが賢明だ。

海外旅行傷害保険への加入方法

海外旅行傷害保険は、空港の保険会社窓口や自動加入機、あるいは旅行代理店などで加入できる。それ以外で一般的なのが、クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険を利用することだ。

海外旅行傷害保険の保険料

ハワイへの5日間の旅行(2020年3月20日~24日を想定)で最高補償金額2,000万円の海外旅行傷害保険に加入するケースを考えてみよう。AIG損保の試算では、保険料は5,770円。一方クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険は、保険料の支払う必要はない。

たとえば年1回ハワイ旅行をする人なら、年会費無料で海外旅行傷害保険が付帯しないクレジットカードよりも、年会費3,000円で海外旅行傷害保険が付帯するクレジットカードを選んだほうがお得ということになる。

2,クレジットカードの海外旅行傷害保険の種類 利用付帯と自動付帯の違いとは?

クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険には、大きく分けて「利用付帯」と「自動付帯」がある。それぞれのメリットとデメリットを紹介してこう。

利用付帯の保険――クレジットカードカードで決済した旅行に保険が付帯する

クレジットカードで旅行代金を決済した場合に保険が付帯することを「利用付帯」という。旅費全額ではなく、旅行中の飛行機・電車・バス・タクシーなど公共交通機関の料金、ホテルの宿泊費など、一部をカードで決済するだけでも付帯される場合がある。

利用付帯の海外旅行傷害保険は年会費無料のカードに付帯することが多いが、年会費が有料のカードでも利用付帯のものがある。「楽天ゴールドカード」「三井住友VISAカード」「MUFGカード スマート」はいずれも年会費有料のクレジットカードだが、海外旅行傷害保険は利用付帯となっている。

注意したいのは同じ利用付帯のカードでも、日本出国前に旅行代金を決済した場合に保険が付帯するものと、日本出国後の決済でも保険が付帯するものがあるということ。後者の保険では新たに決済するたびに保険適用期間が延長されるので、長期間の旅行では重宝するはずだ。

・メリット 海外旅行費用を抑えられる
利用付帯のメリットは、保険会社で加入する場合と比べると、保険料がかからないので海外旅行の費用を抑えられることだ。手間もかからない。また、出国前に忙しく、保険に加入し忘れてしまった場合でも、クレジットカードで決済していれば保険が適用されるのもメリットと言えるだろう。

・デメリット 利用規約の確認が手間
クレジットカードで決済しないと保険が付帯しないため、現金決済や他カードでの決済では「無保険」になってしまう。また、旅行代金の一部をカードで支払っても、それが保険の付帯条件に該当しないことがある。何を決済したら保険が適用されるのか、事前にクレジットカードの利用規約をよく調べておく必要があるだろう。

自動付帯の保険――クレジットカードを保有するだけで保険が付帯

クレジットカードで旅行代金を決済したかどうかにかかわらず、そのカードを保有しているだけで、旅行保険が付帯することを「自動付帯」という。

自動付帯の海外旅行傷害保険は、年会費が有料のカードに付いていることが多い。たとえば、「セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード」「JCBゴールド」「三井住友VISAゴールドカード」「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」などだ。

ただし、「JCBゴールド」「三井住友VISAゴールドカード」「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」は、自動付帯時と利用付帯時の最高補償額が異なる。「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」では、旅行代金をカードで決済した場合の補償額は最高1億円だが、そうでない場合は最高5,000万円だ。

・メリット 補償金額を増やすことができる
最大のメリットは、自動付帯のカードを複数持っている場合、病気やケガの治療費の最高補償額は各カードのものが合算される。つまり、自動付帯のカードを複数所有していれば補償額を積み増しできるのだ。

たとえば、

  • カードA……利用付帯・最高補償額500万円
  • カードB……自動付帯・最高補償額300万円
  • カードC……自動付帯・最高補償額300万円

    という3枚のカードを持っていれば、利用付帯のカードAで旅行代金を決済すれば、3枚すべての保険が適用され、最高補償額は1,100万円になる。

・デメリット
利用付帯の保険についても言えることだが、クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、ケガでの死亡や後遺傷害は補償されるが、「疾病死亡」は補償の対象外であること多い。

また、自動付帯の保険目当てで複数枚のクレジットカードを所有した場合、日常的に使用しないため有効期限切れになっていたり、何らかの理由で利用停止・強制解約になっていても気がつかなかったりすることがあるので注意しておきたい。

3,年会費無料で海外旅行傷害保険が自動付帯するクレジットカード5選

このように、利用付帯と自動付帯を比べると、保険が自動付帯するクレジットカードを所有するほうが、海外旅行の際に手間がなく、安心感も強いだろう。ここからは、年会費無料で海外旅行傷害保険が自動付帯するクレジットカードを紹介していく。なお、使用金額や回数などの条件を満たせば、実質年会費無料になるものも含む。

3-1,「REX CARD」――最高2,000万円の補償が自動付帯する超高還元率カード

1.25%と超高還元率カードである「REXカード」は、付帯保険も充実している。

「REX CARD」の基本スペック

年会費 無料
国際ブランド VISA
Mastercard
ポイントサービス REX POINT
ポイント還元率 通常1.25%
追加カード 家族カード(年会費無料)
ETCカード(年会費無料)

最高補償金額2,000万円の海外旅行傷害保険が自動付帯。その他の補償内容は以下のとおりだ。なお、これとは別に最高1,000万円の国内旅行傷害保険が利用付帯となる。
 

海外旅行傷害保険
補償項目
補償金額
傷害死亡 最高2,000万円
後遺障害 80万円~2,000万円
傷害治療費用 最高200万円
疾病治療費用 最高200万円
賠償責任 最高2,000万円
携行品損害 1旅行かつ1年間の限度額20万円(免責3,000円)
救援者費用 1年間の限度額200万円

また海外旅行で便利なサービスとして

  • 海外用Wi-Fiルーターレンタル10%オフ
  • 海外レンタカー割引サービス
  • オプショナルツアーやショーのチケット申し込み
  • 海外リザーブサービス(人気レストランの予約などを、日本を発つ前の時点で代行※有料)

    などを利用できる。

    3-2,「エポスカード」――最高500万円の保険が自動付帯保険する作りやすいカード

    マルイやモディをお得に利用できる「エポスカード」。

「エポスカード」の基本スペック

年会費 無料
国際ブランド VISA
ポイントサービス エポスポイント
ポイント還元率 通常0.5%
追加カード ETCカード(年会費無料)

即日発行、年会費無料という作りやすいクレジットカードであるにもかかわらず、自動付帯の海外旅行保険が付いているのはうれしい。「エポスカード」に自動付帯する保険の最高補償額は500万円。最高補償額は比較的低いものの、疾病治療費用の補償額は最高270万円と、年会費無料のカードに付帯する保険としてはレベルが高い。
 

海外旅行傷害保険
補償項目
補償金額
傷害死亡・後遺障害 最高500万円
傷害治療費用 1事故の限度額200万円
疾病治療費用 1事故の限度額270万円
賠償責任 1事故の限度額2,000万円(免責なし)
救援者費用 1旅行・保険期間中の限度額100万円
携行品損害 1旅行・保険期間中の限度額20万円(免責3,000円)

そのほか、海外旅行で便利なサービスとして

  • 旅行商品や免税店の割引やポイントアップ
  • 海外レンタカーの割引
  • 海外ショッピング優待

    などが提供される。

    補償額がやや心もとないので、他のカードと組み合わせて使用するといいだろう。

    3-3,「ミライノ カード GOLD」――充実の最高5,000万円の海外旅行傷害保険が自動付帯

    「ミライノ カード GOLD」の年会費は3,300円(税込)だが、年間100万円以上の利用で次年度は無料になる。月8万3,500円ほどの利用で条件をクリアできることを考えれば、これをメインカードとして使うなら、実質年会費無料と言っていいだろう。

「ミライノ カード GOLD」の基本スペック

年会費 3,300円(税込)
※年間100万円以上の利用で次年度無料
国際ブランド JCB
ポイントサービス ミライノ ポイント
ポイント還元率 通常1%
その他の付帯保険 年間最高50万円の海外ショッピング保険(自己負担額1万円)
追加カード ETCカード(新規カード発行料・年会費無料)

このカードには、最高補償額5,000万円の海外旅行傷害保険が自動付帯する。傷害・疾病治療保険金額が最高500万円と比較的高額であることも特徴だ。補償内容は以下のとおり。
 

海外旅行傷害保険
補償項目
補償金額
死亡・後遺障害保険金 最高5,000万円
傷害治療保険金 最高500万円
疾病治療保険金 最高500万円
賠償責任保険金 最高5,000万円
携行品損害保険金 最高50万円(1旅行・1年間)
救援者費用保険金 最高300万円(保険期間中)

なお、これと別に最高5,000万円の国内旅行傷害保険が利用付帯となる。

そのほか、海外旅行に便利なサービスとして

  • 国内主要空港とハワイ・ホノルルの空港ラウンジ
  • 海外の主要都市にあるJCBプラザ

    が無料で利用できる。また、空港免税店割引、空港宅配優待、海外レンタカー割引などのサービスが用意されている。

    3-4,「ビックカメラSuicaカード」――人気カードにも最高500万円の海外旅行傷害保険が自動付帯

    「ビックカメラSuicaカード」の年会費は524円(税込)だが、年1回のクレジット利用で次年度は無料になる。こちらも、実質年会費無料と言っていいだろう。

「ビックカメラSuicaカード」の基本スペック

年会費 524円(税込)※年1回のクレジット利用で次年度無料
国際ブランド VISA
JCB
ポイントサービス ビックポイント+JRE POINT
ポイント還元率 通常1%
(ビックポイント0.5%+JRE POINT0.5%)
追加カード ETCカード(年会費524円・税込)

このカードには、最高補償金額500万円の海外旅行傷害保険が自動付帯する。また、それと別に最高1,000万円の国内旅行傷害保険が利用付帯となる。
 

海外旅行傷害保険
補償項目
補償金額
死亡・後遺障害 最高500万円
傷害治療費用 最高50万円
疾病治療費用 最高50万円

JR東日本のカードということもあり、海外旅行で便利なサービスはほとんどない。保険の補償額も比較的低いことから、海外旅行傷害保険に関しては、他のカードと組み合わせて補償額の積み増しとして使うといいだろう。

3-5,「DCカード Jizile(ジザイル)」――最高1,000万円の海外旅行傷害保険が自動付帯

「DCカード Jizile(ジザイル)」は年会費無料のリボ払い専用カード。リボ手数料を払いたくない場合は、毎月の決まった支払い額を超えないよう利用するか、追加返済でまとめて支払って残債が残らないようにする必要がある。

「DCカード Jizile(ジザイル)」の基本スペック

年会費 無料
国際ブランド Mastercard
ポイントサービス DCハッピープレゼント
ポイント還元率 通常1.5%
その他の付帯保険 年間限度額100万円のショッピング保険(自己負担額1万円)
追加カード 家族カード(年会費無料)
ETCカード(新規発行手数料1,000円・税別)

このカードには、最高補償額1,000万円の海外旅行傷害保険が自動付帯する。補償内容は以下のとおり。
 

海外旅行傷害保険
補償項目
補償金額
死亡・後遺障害 最高1,000万円
傷害治療限度額 最高30万円
疾病治療限度額 最高30万円
賠償責任限度額 最高1,000万円(免責金額1,000円)
携行品損害限度額 1旅行につき10万円(免責金額3,000円、年間100万円限度)
救援者費用限度額 最高50万円

海外旅行で便利なサービスとして、地元スタッフが日本語で対応してくれる海外アシスタンスサービス窓口「ハローデスク」を世界各地に設置。そのほか、

  • ツアー代金最大5%オフ
  • スーツケースレンタル優待
  • 海外レンタカー優待
  • Wi-Fiルーターレンタル優待

    などがある。利用付帯のカードの補償額積み増しとして、保有を検討したい。

    4,クレジットカードの海外旅行傷害保険の4つのチェックフロー

    海外旅行の際に特に注目したいのは、傷害治療・疾病治療の補償額。自動付帯だからといって、よく確認せずクレジットカードの海外旅行保険に頼るのは危険だ。たとえば「ビックカメラSuicaカード」の傷害治療費用・疾病治療費用の補償額は、それぞれ50万円。前述のとおり、ハワイでの盲腸の治療には250万円ほどかかるので、このクレジットカードの保険だけではカバーできない。

    海外旅行に行く際は、一般的に300万円の傷害治療費用・疾病治療費用補償があると安心と言われている。海外旅行前に、以下のフローに従ってチェックしておこう。

    チェックフロー1,契約しているクレジットカードの保険の有無を確認

    そもそも、海外旅行傷害保険サービスが付いているか?

  • 付いている場合→チェックフロー2へ
  • 付いていない場合→新しいクレジットカードを申し込むか、海外旅行保険に加入する

チェックフロー2,クレジットカードの保険の種類を確認

クレジットカードに付いている保険は「自動付帯」か、「利用付帯」か?

  • 自動付帯の場合→チェックフロー3へ
  • 利用付帯の場合→適用条件を確認し、適用されるように支払いをする→チェックフロー3へ

チェックフロー3,クレジットカードの保険の補償金額を確認

傷害治療費用・疾病治療費用の補償金額は300万円以上か、未満か?

  • 300万円以上の場合→海外旅行へ
  • 300万円未満の場合→所有している他のクレジットカードの積み増し分を確認→チェックフロー4へ

チェックフロー4,合計補償金額の最終確認

傷害治療費用・疾病治療費用の合計補償金額が300万円以上か、未満か?

  • 300万円以上の場合→海外旅行へ
  • 300万円未満の場合→他のクレジットカードに申し込むか、海外旅行保険に加入し、傷害治療費用・疾病治療費用の合計補償金額が300万円になるように調整する

    渡航先によって治療費用は異なるため、300万円という基準も絶対に安心というわけではない。海外旅行の際は、行き先の医療制度を簡単にでも調べておくといいだろう。

    年会費無料で旅行保険が自動付帯するクレジットカードだけですべてをカバーできなかったとしても、補償金額の積み増しにはなる。セーフティネットを厚くするためにも、1枚は持っておきたいところだ。

    文・モリソウイチロウ(ライター)
     

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