北京五輪、考えてみれば試合の動画を一つも見ていません。外交的ボイコットをしているカナダゆえに当地の報道も控えめで、私が目にするのは日本のヤフーのニュース欄に並ぶ同じような記事ばかり。だから余計に読まなくなります。メダル期待が高かった選手が軒並みダメだったのはなぜか、ふと思ったのはコロナで選手も審判も裏方を支える人たちも明らかに本来の状況ではないということかもしれません。社会すべてが病み上がりというか、まだ病んでいる中で五輪を強行する価値は本当にあったのか、夢と希望には程遠い大会に感じます。
では今週のつぶやきをお送りします。
今、なぜ利上げをしなくてはいけないのか?
金融政策の根本は雇用と物価の調整です。では今、世の中は好景気に沸いているかといえば完全なまだら模様です。よい業種はよいが悪い業種はさっぱりダメです。
例えば自動車業界の決算が良いとされますが、それは通常ある値引き販売がないからです。ベンツは不足する半導体を高級車に優先的に回して高額商品が売れるようにしています。これ、本当の好景気でしょうか? 雇用は全く本調子ではありません。在宅勤務で業務効率は明白に下がっても給与は上がります。売り上げはそれ以上に上がるので企業決算はよさげに見える、これが実態です。
これに対して利上げをしたらどうなるでしょうか? 我々は今、半導体工場を新設し、再生可能エネルギー源を生み出し、ガスのパイプラインをもっと敷設し、高騰する住宅の旺盛な需要を冷やすべく供給量を増やさねばなりません。しかし、利上げをすれば投資は冷え、企業は採用を留保し、住宅ローンの上昇と賃料の上昇の間に挟まれた住宅難民が続々生まれるかもしません。
FRBは自らが未知との戦いといいながらFRBの理事はタカ派的発言を繰り返します。今は通常の経済状態ではない中で暗中模索の金融経済対策のはずではないでしょうか?
原油価格が高騰するのはなぜか、といえば全く足りていないからです。理由は投資が足りないからシェールオイルも少ない中、投資家は環境問題で手を引いているのです。鉄鉱石やリチウムなどの資源は更に2倍、3倍になってもおかしくなく、電気自動車はバッテリーがなくて作れなくなるでしょう。
私が投資しているリチウムの会社も今年半ばにようやくアルゼンチンで稼働します。しかし、そんなのは雀の涙にしかならないのです。今はもっと投資を増やさせる方策を取らないと世界経済は持たなくなります。生き残るのは大企業だけ、それをFRBは目指すのか、私には大疑問であります。
カナダの「トラック野郎」にみる社会の歪み
Convoy(コンボイ)とは大型トレーラーなどが隊列を組んで走行すること。昔、同名の映画もありました。それらがカナダの首都を占拠し、アメリカとの主要国境を封鎖し、クラクションを鳴らし、都市機能、貿易機能、貨物輸送を混乱のどん底に陥れています。理由はトルドー政権が国境を超えるトラック運転手にワクチンを強要したからです。
しかし、カナダでワクチンは7-8割の人が打っています。「トラック野郎」だけワクチンを打ってないわけではないので今回の暴挙はワクチンを理由にした反政府活動だとみています。同様の動きはフランス、ニュージーランドでもあり、アメリカでも大規模なものが計画されています。トルドー退陣を声高に叫ぶのは現政権が中道左派でやや頼りなさが見えるところかもしれません。
では連中の活動費は何処から出ているのか、といえば寄付で8億円相当ぐらいあるともされます。誰が、といえばその多くの割合がアメリカからきています。
社会の不満は何処にあるのでしょうか? コロナでの各種規制や自由の制限、政府の強権力、うっぷんなどいろいろあります。日本で戦後、労働組合や学生運動が盛んになったあの背景は長年の抑圧と社会の歪への抗議だったと思います。
今、カナダを起点に起きている声はあの日本の50年代から60年代の声と似ています。あるいはアメリカがベトナム反戦運動で燃え上がった時にも重なるかもしれません。昨年1月のアメリカ議会襲撃事件も根は同じだと思います。ではどうすればよいのでしょうか? 間違っても軍隊が強制撤去させてはいけません。法的根拠に基づいた冷静な処理しかないと思います。
彼らは本心でワクチンのことを恨んでいるわけではなく、振り上げたこぶしを下げられないだけなのです。最大の方法は市民や国民が連中にそっぽを向くことです。日本の学生運動はそれが下火になった原因でしたね。