結婚資金、子どもの教育費用、親の介護費用、自分たちの老後費用など、ライフステージの変化により必要となる「お金」に対する不安は尽きないことでしょう。
いざお金が必要となったときに十分な準備ができていなければ、その後の選択肢が非常に限られてしまいます。
そこで今回は、「資産形成」をテーマに解説します。
資産形成の種類や投資額の目安、注意点などについて解説しますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
なぜ資産形成が必要なの?
長い人生を歩んでいくうちに、ライフステージは変化していきます。
ライフイベントによっては、まとまった大きなお金が必要になることがあるのです。
また、年齢を重ねていくにつれて、収入源や支出の内訳も変わってくるでしょう。
年金制度に不安を感じて老後資金を十分に蓄えられるのか不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2019年に話題になった「老後2,000万円問題」は、記憶に新しいですよね。
金融庁が公開した報告書によると、夫婦の老後30年間で約2,000万円が不足するという内容でした。
実際には退職金や年金受給額、必要となる生活支出額などが人によって異なりますので一概にはいえませんが、少子高齢化が進み長寿化している日本においては、老後資金を多めに確保しておいた方がよいでしょう。
そこで大事な考え方となるのが「資産形成」です。
老後になってから急に2,000万円を準備するのは難しいでしょう。
そのため、早いうちから長期的な資産形成を行い、お金が本当に必要なときに備えることが大切だといえるのです。
資産形成とは?
それでは、資産形成をするための方法にはどのようなものがあるでしょうか。
貯蓄と投資の違いから代表的な金融商品について解説します。
貯蓄と投資の違い
貯蓄とは、お金を蓄えることです。
銀行の普通預金や定期預金口座にお金を預けるイメージがわかりやすいのではないでしょうか。
基本的には元本が保証されていて大きく資産を増やすことには向いていませんが、リスクが少なく安全に資産形成ができるものだといえるでしょう。
一方で投資は、株式・投資信託・不動産など、資金を投じて資産を運用していくことをいいます。
金融商品の多くは元本が保証されていない代わりに、資産を大きく増やせる可能性がある点が貯蓄と異なります。
リスク・リターンの度合いは投資先や金融商品によって異なりますので、十分に吟味する必要があるでしょう。
代表的な金融商品
投資先には様々な種類がありますが、ここでは代表的な金融商品についてご紹介します。
これから資産形成を始めたいと考えている方の参考になれば幸いです。
元本割れリスクのない「預貯金」
先ほどの「貯蓄」でもご紹介したように、普通預金や定期預金口座にお金を蓄える「預貯金」では、基本的に元本割れのリスクはありません。
安全性が高いので、日常で必要な生活資金などを確保するために利用することに適しています。
なお、基本的に預貯金は元本割れのリスクはありませんが、将来的なインフレリスクには対応できない可能性があります。
節税効果のある「iDeCo」「NISA」「積立NISA」
投資を考える上で、売却益や配当金などにかかる税金にも着目することが大切です。
金融商品ではなく「制度」となりますが、「iDeCo」「NISA」「積立NISA」については知っておいて損はないでしょう。
iDeCoは、毎月自分で決めた掛け金を自身で運用しながら積み立てていく仕組みの制度です。
運用益などは非課税となりますが、原則として60歳までは引き出すことができません。
投資先は投資信託・定期預金などがあり、年金の種別や企業などによって掛け金の上限が異なります。
NISA・積立NISAを利用して得た売却益や配当金などの利益は、基本的に非課税となります。
NISAは年間120万円までの非課税枠が5年間、積立NISAでは年間40万円までの非課税枠が20年間利用できるという違いがあります。
また、NISAと積立NISAでは購入できる金融商品が異なるため、より長期的な投資を行いたいのであれば積立NISAが適しているといえるでしょう。
リスクの大小が異なる金融商品
一般的に、リスクとリターンは背中合わせの関係だといえます。
大きいリターンの得られる可能性があるものは、ハイリスクでもあるということです。
たとえば、ローリスクの金融商品としては「国債」「社債」が挙げられるでしょう。
基本的には満期まで保有していれば、リスクを最小限に抑えることが可能です。しかし、リターンは決して高くありません。
リスクの幅が広いものの1つが「投資信託」です。
国内・海外の株式や債券の組み合わせによって、リスクの大小が異なります。また、「個別銘柄株式投資」も運用方針によってリスクの大小が異なるでしょう。
デイトレードのように短期売買での利益を重視する場合はリスクが高く、配当金や株主優待目当てでの長期投資の場合は比較的リスクが抑えられるといえます。
短期間で大きなリターンを得られる可能性があるかわりに、一方でリスクも高い金融商品として「仮想通貨」「FX」などが挙げられます。
このようなリスクの高い金融商品は、長期的な資産形成には向いていないといえるでしょう。