目次
- テクニック1:フラット・ライティング
- テクニック2:キー・ライト
- テクニック3:バック・ライト&フィル・ライト
- テクニック4:余計な影のリムーブ
- テクニック5:トップ・ライト&アンダー・ライト
- テクニック6:トーン調節
- テクニック7:カラーで人物の個性を出す
映画制作にとって監督や役者陣、カメラマンの仕事が重要なのは言うに及ばない。
ところが映画を観ているだけではその細かなテクニックに気づきにくい重要な役所がある。
照明技師(ガッファー)だ。
素人で「カメラの構図が綺麗」とは言えても、「あのキー・ライトの当て方が粋なんだよ」とは中々言わない。しかしやはり照明を何の考えもなく役者に当てるだけでは意味がない。
そこで今回は、現役の照明技師アンドリュー・デイ氏による照明テクニックの動画についてご紹介しよう。デイ氏は多くのハリウッド大作にガッファーとして参加しており、『メン・イン・ブラック2』『ナショナル・トレジャー』『グレイテスト・ショーマン』などを手がけている。
そんなデイ氏が「バー」を舞台にしたシーンを例にして、極め尽くした照明テクニックの数々をレッスンしてくれる。
最初のシーンは、バーに入ってきた男性が女主人に酒を注文するところだ。しかしこの時点で照明はなく、外から入ってくる光のみ。これでは人物の顔も何も見えない。
これをデイ氏ならどうするか。
テクニック1:フラット・ライティング
まずデイ氏が入れるのは「フラット・ライティング」だ。
これはカメラと同じ方向から照射するライトで、影を取り払うことにより、対象の細部をしっかり見せることができる。ただし照明を過度に使用しすぎると、シーンのムードを削ぎ落とすことになるので注意が必要だ。
こうなるとバーのムードとマッチしなくなり、返って邪魔をしてしまう。
テクニック2:キー・ライト
次に使うのが「キー・ライト」と呼ばれる照明。
これは被写体の中に強調したい影を作るために、光を左か右の特定方向から当てる技術である。シーンのムードを決定づけるのは、光でなく影であることを理解しなければならない。
このように左サイドからキー・ライトを当てることで、その反対側に妖艶な影ができ、女性のミステリアスさを強調できる。