3つの治療方法

上から目線の人は、自分が社会的に疎まれる態度でいることに気づいていないことが多いと感じる。始終、自分が他の人より上であることを確認する作業に忙しいために、相手の立場で言われた側の気持ちを想像する余裕がないためだ。本稿に有意義さを持たせるため、以下、個人的に治療法を3つほど展開したい。

まず1つ目はどのような振る舞いが「上から目線」と判定されるかを理解するための知識を得ることだ。端的に言えば客観性を得るということである。もしも、自分に該当する点があるなら、その振る舞いを見直すことで治療につながるのではないだろうか。

そして2つ目は自信を取り戻すための努力をすることだ。上から目線という態度は、自信がなき自己承認欲求が満たされないことに起因している。そのため、マーケットで自分の価値を高めるためのスキルアップに勤しんだり、ビジネスを通じて相手から「ありがとう」という感謝の言葉を集めることで自己愛が満たされ、上から目線という手段で自分を気持ちよくする必要性はなくなるのではないだろうか。

最後の3つ目は、自分のことで忙しくすることだ。ビジネスや自己研鑽で忙しい人は、文字通り承認欲求を満たす暇がない。目の前のタスクや自分の人生を生きることに必死になっている人ほど、他人に目が向かないだろう。筆者はコールセンタースタッフをやっている時は、社内の話題は人間関係の悪口が多かった。「あいつは新人のクセに挨拶の声が小さい」など他者評価をする人が多かったように思う。だが、外資系企業で専門職をやっている時期は「MBAを取るにはどのスクールが良いか?」「この課題を解決するためには、どうアプローチすればよいだろう?」といった自己研鑽や課題解決の話題が多かったと記憶している。

上から目線にも治療法はある。知識を得て、生産的な環境を構築して自らを投入することで善処が望めると思っている。

文・黒坂 岳央

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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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