Web広告の運用において獲得目標とともに重要なのが予算です。Web広告は大きくメディア、広告メニュー、課金形式でさまざまな種類に分けられます。一様でないWeb広告を予算内で運用し、目標を達成するのは決して容易ではありません。
運用担当者が特に悩ましいのは、どのWeb広告にどれだけの予算を費やすか考えることでしょう。今回はWeb広告の予算の決め方と最適な配分方法について紹介します。予算管理に関しては下記コラムもあわせてご覧ください。
目次
Web広告費用の発生の仕方
Web広告予算の決め方
広告予算配分のポイント
まとめ
Web広告費用の発生の仕方
Web広告には、Google広告やYahoo!広告の検索エンジンと、FacebookやTwitter、YouTubeなどのSNS広告などがあります。それぞれのメディアに広告メニューがありますが、課金形式はある程度共通したものがあります。
適切な予算配分を考える際には、どのように広告費用が発生しているのか理解することが必要不可欠です。課金形式は、①運用型広告と②非運用型広告の2つに大きく分けられます。
①運用型広告の課金
運用型広告とは「リアルタイムで入札額や広告素材等を変更・改善していきながら運用していく広告」です。予算上限や配信期間、配信方法をコントロールできるのが運用型広告のメリットです。
運用型広告には、Yahoo!やGoogleの検索連動型広告やディスプレイ広告、FacebookやTwitterなどのSNS広告、YouTubeなどの動画広告が該当します。料金体系としては大きく4種類あります。
クリック課金(PPC)
表示された広告がクリックされて、はじめて費用が発生する仕組み。 クリック単価は広告表示目的とする各キーワードや市場の動向により費用が変動する。 リスティング広告、アドネットワーク、SNS、リターゲティング広告が対象。
インプレッション課金
広告の表示回数により費用が発生する仕組みで、広告の表示が1,000回ごとに費用を支払う。 リターゲティング広告やアドネットワーク、Facebook広告などが対象。
コンバージョン課金
広告表示に対して設定した最終目標が達成された際に、はじめて広告費用が発生する。 コンバージョン1件における費用も自由に設定できるが、Google広告では利用条件がある。 アフィリエイト広告も対象。
エンゲージメント課金
各ユーザーがクリック、シェア、フォローをすると課金される。 アドネットワークやSNS広告が対象。
②非運用型広告
運用型広告とは反対に「特定のサイトの枠を予約して買う」純広告などを非運用型広告と呼びます。メディアとのタイアップ企画や広告枠が該当します。また、課金形式は大きく2種類あります。
期間保証型
メディアの特定の枠に掲載し、期間ごとに課金される。 メディアとのタイアップである記事広告や媒体の枠に掲載する純広告が対象。
インプレッション保証型課金
メディアの特定の枠に掲載し、インプレッションごとに課金される。 期間保証型と同様の広告が対象となり、メディアの広告メニューによって異なる。
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Web広告予算の決め方
Web広告予算を決めるには主に3つの方法があります。
①売上目標額から決定する
目標の売上金額から逆算して、達成するために必要なWeb広告の費用を算出して決定します。例えば、売上目標額が1,000万円で売上単価4万円の商品の場合、250件の申込が必要になります。
さらにリスティング広告で1件の申込に必要なクリック数が100、平均CPCが100円だとすると、必要な広告予算は250万円になります(クリック数100×平均CPC100円×申込250件から計算)。
一方で、広告予算は、売上から算出できる金額が一定の割合を超えると赤字になってしまうため、一定の割合を決めて、そこから設定した売上目標額にその割合をかけて算出して、広告予算を決める場合もあります。
②損益分岐点から決定する
赤字を超えないように広告予算を決める方法で、製品・サービスの損益分岐点から算出する方法もあります。売上価格から売上原価や営業コストを引いた金額を損益分岐点と設定し、広告予算が損益分岐点を超えないように設定します。
③LTVから決定する
SaaSなどのサブスクリプションサービスでは、継続的な製品・サービスの購入を前提としています。そのため、1回の購入金額ではなくLTV(ライフタイムバリュー)から広告予算を決定します。
LTVは顧客が最初の購入から終了するまでの期間にもたらす利益の合計額です。継続利用の平均回数に1回の購入のあたりの広告費をかけて広告予算を算出します。