指定感染症5類相当に変更する理由・メリット
⑪. 5類に変更されれば、軽症、中等症の患者は一般の医院でも診察可能となり、制約なく広く検査を受けられ、処方薬局で薬をもらうなど自宅で治療もできる。一方、軽症、中等症の患者を受け入れて医療ひっ迫している病院に、人材や医療設備の余裕が生まれ、重症者の受け入れがスムーズになる。よって自宅難民は減り、致死率、重症化率も下がるはず。
⑫. オミクロン株はデルタ株等従来型の特徴と大きく異なり、インフルエンザに似ており、インフルエンザではPCR検査実施や感染者・濃厚接触者を調べる必要はなく、自宅待機者が急増して企業や学校が機能不全に陥るリスクは少ない。
「オミクロン株はデルタ株よりインフルエンザに近い」と考える理由
高齢者の新型コロナ致死率は5類のインフルエンザよりやや高いようだが、新型コロナウイルス感染では、主因でなくても死後判明であってもすべて“コロナ死”となるので、人数はかなり割り引いて考える必要がある。
また、新型コロナは2年掛かって無症状まで含め感染者は約260万人、かたやインフルエンザは、冬1シーズンで毎年約1000万人が罹患(ほとんどは感染した時点ではなく、咳や発熱などの症状が現れ受診・治療する)するのに、医療崩壊したという話は聞いたことがない。
⑬. 現在日本では、5波の時と違って、対処しやすい環境(ワクチンの高い接種率、飲み薬や中和抗体の存在など)であり、発症してからでも開業医が直接患者を受け入れ、病院に連絡した方が迅速かつ的確な治療ができるはず。
⑭. 感染者数が激増すれば、オミクロン株のよう低い重症化率であっても重症者の絶対数は急増するので、医療逼迫が起きないためにも5類相当に引き下げるべきである。
⑮. 医療費は2類から5類にすると全額控除から一部負担になるが、特例として一定期間新型コロナの治療費を免除あるいは減額することもできるはず。
⑯. 過去の事例から、猛威を振るった感染症はほとんど弱毒化して、最後は人間と共存できるようになる。
⑰. 「5類に変更すれば把握できない感染者が増え、発症・重症者の治療漏れが起こる」という意見もあるが、コロナ患者の多くは軽症・無症状であり、これまでにも把握できない無症状感染者は相当数いたと推測できる。国民の大半は新型コロナ前より感染対策をこまめ実行しているので、必然的に感染拡大スピードは以前より低く抑えられる可能性が高い。
⑱. 指定感染症1類、2類のエボラ出血熱やSARSなどは、致死率がけた違いに高い反面収束するのも早い。かたや新型コロナはいつまでも収束しないので、早く5類に変更して無症状者・濃厚接触者の調査・追跡、入院勧告、外出自粛要請などをやめないと、経済や日常生活が破綻する。
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最後になりますが、現在日本では、老衰や事故も含めて年間約137万人もの方が亡くなっています。一方新型コロナ感染による死者は、主因でない事例まで含めても年間1万人程度です。
人の命を軽んずるつもりはありませんが、治療・救命措置を施す順番は、新型コロナ感染の有無に関わらず、死亡の確率・リスクの高さであり、死因の99%以上を占める新型コロナ感染者以外の重病・救急患者を忘れてはならないはずです。
死亡率・重症化率などの客観的なデータに基づけば、やはり現在の新型コロナウイルスは、感染症5類にあたるのではないでしょうか?
文・和田 慎市
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文・和田 慎市/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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