2019年は老後2,000万円問題や消費税増税など、「お金」に関する話題が多い年でした。
この記事をご覧の方の中にも、老後や将来の生活に必要なお金をどのように工面したらよいのかお悩みの方は多いのではないでしょうか?
また、将来のために貯蓄に励んでいるものの、「このまま貯蓄のみを続けていてよいのだろうか」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、社会人生活にも慣れ、ライフプランの転換期を迎える人が多い「30代」に注目して、30代で投資を始めるメリット・デメリットを解説します。
おすすめの投資方法についてもご紹介しますので、将来のお金に不安を抱える方の参考になれば幸いです。
30代で投資を始めるべき理由
投資を始める理由には様々な理由がありますが、ここでは「30代」で投資を始めるべき理由にフォーカスして解説します。
将来のライフプランを考えやすい
30代になると、転職や結婚、子育てなど、今後の人生に関係する大きなイベントを経験する人が多くなってくるのではないでしょうか。
「投資で資産を増やしたい」と考える上で、「いつまでに、どの程度のお金が必要であるか」を把握しておくことは非常に重要です。
30代になると、将来のライフプランを具体的に計画しやすくなるため、投資戦略を立てやすくなります。
そのため、30代は投資を始めるのに最適だといえるのです。
投資は早くから始めた方がよい
30代という若さで投資を始めることには多くのメリットがあります。
投資には様々な種類がありますが、投資で成功するために共通していえることは「知識と経験が必要」であるということです。
早くから投資を行うことで、リタイアする頃には安定した資産を築く力が身に付いていることでしょう。
その他にも30代で投資を始めるメリットはいくつもあります。
興味をお持ちの方は、後の項目「30代で投資を始めるメリット」の章をご覧ください。
30代の資産状況
みなさんの中には、同世代の人がどの程度の資産を持っているのか、どの程度の収入であるのか興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ここでは、各種データを用いながら、30代の資産状況について解説します。
年収
国税庁が公開している「平成30年分 民間給与実態統計調査」では、年齢階層別の平均給与が公開されています。30代の結果を下記の表にまとめました。
平均給与(30~34歳)
30~34歳(男性) | 30~34歳(女性) | 30~34歳(合計) |
---|---|---|
470万円 | 315万円 | 410万円 |
平均給与(35~39歳)
35~39歳(男性) | 35~39歳(女性) | 35~39歳(合計) |
---|---|---|
528万円 | 314万円 | 448万円 |
「平成30年分 民間給与実態統計調査」
また、上記の統計では給与階級別の給与所得者数と平均給与も公開しています。
給与階級 | 給与所得者数 | 平均給与 |
---|---|---|
100万円以下 | 4,097,925 | 81万円 |
200万円以下 | 6,881,901 | 144.8万円 |
300万円以下 | 7,617,401 | 252.3万円 |
400万円以下 | 8,667,304 | 351万円 |
500万円以下 | 7,481,745 | 447.6万円 |
600万円以下 | 5,147,574 | 548.4万円 |
700万円以下 | 3,289,651 | 646.5万円 |
800万円以下 | 2,210,980 | 746万円 |
900万円以下 | 1,449,369 | 847.1万円 |
1,000万円以下 | 931,916 | 947.9万円 |
1,500万円以下 | 1,803,716 | 1181.8万円 |
2,000万円以下 | 393,027 | 1718.4万円 |
2,500万円以下 | 127,647 | 2249.5万円 |
2,500万円超 | 163,589 | 4324.5万円 |
合計 | 50,263,745 | 440.7万円 |
「平成30年分 民間給与実態統計調査」
上記の表から、「400万円以下」「500万円以下」の給与所得者層が厚いことがわかります。
平均給与も考慮すると、中央値は400万円前後であると読み取れるでしょう。
貯金額
厚生労働省が公開している「平成28年 国民生活基礎調査」によれば、30代における1世帯あたりの平均貯蓄額は403.6万円となっています。
また、貯金額についてのデータは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」でも公開されています。
最新の情報である令和元年のデータを参照すると、30代における金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)の平均額は529万円、中央値は240万円です。
平均額と中央値の差は、貯金をしている人とまったくしていない人の差であるといえるでしょう。
投資経験者の割合や投資に対する意識
株式会社グローバル・リンク・マネジメントが、東京都・愛知県・大阪府に住む未婚の男女600名を対象に行った「未婚者の将来設計に関する意識調査」では、投資に対する意識などの調査結果が公表されています。
「将来に不安を感じますか」という問いに対して「不安を感じる」と回答した人は80.2%でしたが、「現在将来設計にあたり対策や準備を行っていますか」という問いに対して「はい」と答えた人の割合は36.3%にとどまりました。
将来に不安を感じつつも、実際には何も行動できていない人の多さがうかがえます。
さらに、現在将来設計にあたり対策や準備を行っている人の内訳としては、「定期預金(57.3%)」が最も多く、次いで「積立保険(31.2%)」、「投資信託(30.3%)」という結果になっています。
また、現在行っていないけれど今後取り組みたいこととして「不動産投資(26.6%)」が最も多く挙げられる結果となりました。
元本が保証されていたり、少額から始めやすかったりする投資方法を選ぶ人が多い一方で、ミドルリスク・ミドルリターンが魅力の不動産投資にも興味があるという人が多いということが読み取れます。