
ユベントスは1月28日、現時点2021/22セリエA得点ランキング首位に位置するセルビア代表FWドゥシャン・ヴラホヴィッチ(22歳)をフィオレンティーナから獲得した。背番号はクリスティアーノ・ロナウド(2018-2021)が着用した「7番」に決まり、大きな期待がかかっている。
ヴラホヴィッチはパルチザン・ベオグラード(セルビア1部)の下部組織を経て、2016年2月に同クラブ史上最年少の16歳24日でトップチームデビュー。同年4月には16歳2カ月5日でクラブ史上最年少得点を記録。2018年にフィオレンティーナに加入し2019/20シーズンにセリエA初出場を果たすと、翌2020/21シーズンから力を発揮し始めた。今2021/22シーズンは前半だけで24試合中20得点4アシストを記録(カップ戦も含む)。当然、今冬の移籍市場期間(1月3〜31日まで)にビッグクラブからのオファーが出てくると思われた中での、ユベントスとの契約となった。
ここでは、これまでにセリエAまたはセリエBのプロヴィンチャ(地方クラブ)で驚くべき活躍をして、ビッグクラブへの大昇格を果たしてきたの若手天才選手をまとめていく。
サンドロ・トナーリ(ブレシア→ミラン)
イタリア代表MFサンドロ・トナーリ(21歳)は、2017年8月26日17歳でブレシア(セリエB)でプロデビューを果たすと、2年連続セリエB最優秀若手選手賞を受賞。ブレシアのセリエA昇格にも大きく貢献した。昇格した2019/20シーズンにセリエAの舞台でも大暴れし、多くの欧州ビッグクラブの目に止まることになる。
2020年夏の移籍期間中、イタリアからはインテルやユベントス、海外からはマンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、バルセロナなどが同選手の獲得を争った。トナーリは経済的な処遇面より幼い頃から応援していたという理由を優先し、ミランへの移籍を決断した。
プレースタイルが元イタリア代表のレジェンドMFアンドレア・ピルロ(2001-2011ミラン所属)に似ていると世間に騒がれるも、トナーリが憧れているのは技術よりガッツのあるプレーで有名なMFジェンナーロ・ガットゥーゾ(1999-2012所属)であるようだ。それによってミランでは背番号「8番」を選んだと言われている。
デヤン・クルゼフスキ(パルマ→ユベントス)
スウェーデン代表MFデヤン・クルゼフスキ(21歳)は、2019/20シーズンにパルマ(当時セリエA)でプレーしセリエA初ゴール。2020年1月2日には、3500万ユーロ(約42億円)の移籍金でユベントスに加入が決まり(同シーズン終了まではパルマでプレー)、これはユベントス史上最も高額な冬の移籍取引となった。
セリエAで17試合、コッパ・イタリア(カップ戦)で2試合のみという非常に浅いプレー経験であったクルゼフスキに、なぜユベントスがここまでの大金をかけるのか、不思議に思ったサポーターもいるだろう。
しかし、クルゼフスキはユベントスの判断が正しかったことをすぐに証明する。2019/20シーズン後半には多くの試合で活躍し、リーグ最優秀若手選手賞を受賞。2020/21シーズンからはユベントスでスタートを切るが、途中出場を含め多くの試合に出場となった。2022年1月31日、プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーにローン移籍することが発表された。
マルコ・ベッラッティ(ぺスカーラ→PSG)
イタリア代表MFマルコ・ベッラッティ(29歳)は、地元のクラブであるペスカーラ(当時セリエB)で2008年16歳でプロデビュー。2011年まで同クラブでプレーし、多くの欧州クラブの注目を集めていた。
特に2011年6月、卓越した若手育成で有名なズデネク・ゼーマン氏がぺスカーラの指揮官となって以降ベッラッティの才能は開花し、ロレンツォ・インシーニェ(現ナポリ所属)やチーロ・インモービレ(現ラツィオ所属)と共にぺスカーラの20年ぶりとなるセリエA昇格に大きく貢献した。
2011/12シーズン終了後、ユベントスやナポリなどのイタリアのビッグクラブがベッラッティの獲得に動いたが、唯一彼の才能に沿った相応しいオファーを出したのは、リーグ・アン(フランス1部)のパリ・サンジェルマン(PSG)だった。2012年7月18日に同クラブへの移籍が発表された。