不動産投資にはさまざまなリスクがありますが、中でも収入に直結する「空室リスク」を不安視している方は多いのではないでしょうか。
不動産投資は入居者から回収する家賃が収入源ですから、空室期間が長引いてしまうと資金繰りが上手くいかなくなってしまう可能性が高まります。
そこで今回は、不動産投資における空室リスクについて解説します。
空室リスクの原因や対策などを解説しますので、空室リスクに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
空室リスクとは
空室リスクとは、所有物件が空室になり家賃収入を得られなくなってしまうリスクのことをいいます。
不動産投資は所有物件を貸し出して入居者から家賃を回収して収入を得る仕組みですから、収入源は「家賃収入」です。
そのため、空室率が高かったり、空室期間が長引いてしまったりすると、賃貸経営が苦しくなってしまう可能性が高まります。
最も有効な空室リスク対策は、購入する物件の見極めをしっかりと行うことです。
不動産投資において、最初の物件選定は非常に重要です。
空室になったとしても、すぐに次の入居者が見つかる強みのある物件が理想でしょう。
とはいえ、将来起こり得るすべてのリスクを見通すことは不可能です。
物件選びの段階で現地調査や分析を行い、考えられるリスク対策を検討した上で、物件取得後にも継続的なリスク対策を行っていくことが大切です。
昨今の空室率
空室リスクを考える上で、今ある物件の空室率が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この章では、総務省統計局が公開している「住宅・土地統計調査」より、全国のおおよその空室率を計算します。空室率の現状や推移を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、ここでは統計上の「居住世帯のない住宅・空き家(賃貸用)」「居住世帯のある住宅・借家」の数値を用いて計算します。
ただし、一時的に貸し出している住宅や賃貸借契約の把握が難しいケースなどがあるため、賃貸住宅の総数を正確に算出するのは難しいでしょう。
今回ご紹介する数字は、あくまでも概算として参考にしていただければ幸いです。
空室率の現状
出典:「政府統計の総合窓口(e-Stat)」「平成30年住宅・土地統計調査」より
ここでは、「居住世帯のない住宅・空き家(賃貸用)」と「居住世帯のある住宅・借家」を合計した数値を賃貸住宅の総数として、「居住世帯のない住宅・空き家(賃貸用)」の割合を算出しています。
統計によれば全国の空室率は約18.4%であり、東京都(23区)は約13.7%と全国平均よりもおおよそ5%低く、神奈川県(横浜市・川崎市)は約13.4%、愛知県(名古屋市)は16.7%です。
一方、大阪府(大阪市)の空室率は約20.7%と全国平均より上回っていることが読み取れます。
不動産投資に適した物件を探す際には、このような統計情報から賃貸需要を分析することも1つの戦略だといえるでしょう。
空室率の推移
出典:「政府統計の総合窓口(e-Stat)」「平成30年住宅・土地統計調査」「平成25年住宅・土地統計調査」「平成20年住宅・土地統計調査」より
総務省統計局の住宅・土地統計調査より、直近3回分の数値を表にまとめました。全国の空室率はほぼ横ばい、東京都(23区)は多少数値が上下しています。
なお、「空室」とされている中には、「築年数が古すぎる」「建て替えを予定している」などの理由から、入居者を募集していない物件も含まれているでしょう。
そのため、「空室」を「入居者を募集している物件」に限れば、空室率は少し低くなることが予測されます。
統計情報は、賃貸住宅の需要・供給状況の指標となります。住宅・土地統計調査は総務省統計局のWebサイトで公開されていますので、興味のある人はぜひご覧ください。