職場で部下ができて上司の立場になったら、「困った上司」にはなりたくないものだ。しかし実際は、部下から尊敬されない上司は存在する。上司との関係が苦で退職してしまう人もいる中、上司の立場になったら部下との関係は良好に保つことも重要な仕事だ。今回は、職場の「困った先輩・上司」にならないために注意すべきことを紹介していく。

尊敬できる上司になると仕事が楽しくなる

職場で部下から尊敬される上司になれば、仕事も楽しくなるはずだ。尊敬されていないと、部下と信頼関係が築きにくく、お互いにストレスが溜まってしまう。その結果、部下も上司も仕事がうまくいかなくなり、みんなが不幸になってしまう。部下に尊敬されるとWin-Winの関係になり、仕事もうまくいくのだ。

尊敬されない上司に共通する特徴は「部下に不信感を与えている」

Win-Winの関係を築けない、困った上司の特徴とは何だろうか。人材採用・入社後活躍サービスを提供するエン・ジャパン株式会社が行った「上司と部下」についてのアンケートを見てみよう。「困った上司のもとで働いたことがある」という回答は20代で78%、30代では90%以上だった。

困った上司の特徴として全体の半分以上が挙げたのは、以下の3点だ。

  • 「人によって態度を変える」(66%)
  • 「いざというときに部下を守ってくれない」(58%)
  • 「指示・指導が曖昧」(55%)

    不安や不信感を与えるようなことをしていては、尊敬される上司にはなれない。上司の立場にある人は、これらの項目に当てはまっていないか振り返ってみてほしい。

部下に尊敬されるには、安心感を与える必要がある

一方で、20~30代のうち約7割のビジネスマンが「尊敬できる上司と出会っている」と回答している。部下が考える尊敬できる上司とは、「いざというときに部下を守る」人物だ。厳しい上司であっても、部下がミスを犯した時にすぐフォローたり、部下に仕事を任せる時に「責任は上司である自分が取るからチャレンジしなさい」と背中を押す姿勢を見せたりすると、部下に安心感を与えられるだろう。

また、「指示・指導が的確」「知識や経験が豊富」「いつでも相談できる」なども、尊敬できる上司の特徴として挙げられている。

部下が上司に最も求めていることは「話を聞いてくれる」こと

部下が上司に何を求めているのか理解するためには、20~30代にあたるミレニアル世代やZ世代の考え方や価値観が、自分たちの世代とは異なることを認識しておく必要がある。

彼らに共通する特徴は、ダイバーシティーとインクルージョンを重視していることだ。アンケートにおいても、上司に期待することは「自分の意見や考えに耳を傾けてくれること」(61%)が最も多かった。「公正・公平に評価してくれる」(56%)、「具体的なアドバイスをくれる」(51%)ことも求められている。

尊敬できる上司の共通点は、「安心感を与えてくれる人」「不安を和らげてくれる人」と言えるだろう。部下のニーズを知り、それに応えていくことが尊敬できる上司への第一歩なのだ。

逆に上司が困る部下とは?良い職場を築くために積極的なコミュニケーションを

一方、上司が思う困った部下の特徴は、「言い訳が多い」(53%)が最も多かった。次いで、「報告・連絡・相談を怠る」(51%)、「上司からの指示待ち」(37%)。この結果から、上司が部下に求めていることは、「自主的に動いてくれること」であることがわかる。部下が将来自分の力で仕事上の困難を乗り越えていくことを、上司が期待しているのではないだろうか。

部下の不満を拾い上げつつ、自分が部下に期待していることをしっかり伝えることで、より良い職場を作っていけるだろう。

文・小塚信夫(ビジネスライター)
 

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