昨今の日本において、少子高齢化により高齢者を支える現役世代が減少していることから、年金制度に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
年金をもらえなくなるということはないかもしれませんが、今後も少子高齢化が進むことが予想されますので、老後の生活資金はある程度自力で確保できるように準備をしておいた方が安心でしょう。
老後の生活資金を確保するための手段の1つとして「投資」という方法があります。
そこで今回は、初心者におすすめしたい投資の種類をいくつか紹介します。
それぞれのメリット・デメリットについても解説しますので、将来の資産形成に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
投資とは
投資とは、将来的な利益を見込んで現在持っているお金を投じることをいいます。
たとえばA社の株式を購入する「株式投資」を考えてみましょう。
A社は投じられた資金を元に事業に取り組みます。
事業で利益が出れば、株主は利益の一部を配当金として受け取ることができます。
A社の企業価値が上がれば、株価の値上がりも期待できるでしょう。
投資は、お金を蓄える「貯蓄」とは異なる資産形成方法なのです。
投資の種類
投資を始める前に、どのような種類の投資があるかを知ることが大切です。
投資に興味はあるものの、初心者にはハードルが高くて挑戦しにくいのでは?と思っている方も多いのではないでしょうか。
実際、株式会社グローバル・リンク・マネジメントが行った「未婚者の将来設計に関する意識調査」によると、「将来に不安を感じる」と答えた人が約8割いるのに対し、「現在将来設計にあたり準備や対策をしていない」と回答した人は約6割いるという結果になっています。
【出典:グローバル・リンク・マネジメント調べ】
この章では投資の種類について解説します。
リスクとリターンの大きさ別に紹介しますので、投資に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
ローリスク・ローリターン
まずは、ローリスク・ローリターンの投資について紹介します。
定期預金
定期預金は、お金を預けてから一定期間引き出すことのできない預金方法のことをいいます。
自由にお金の出し入れができる普通預金よりも高い金利が設定されているのが一般的です。
定期預金は預入期間(満期日)を選ぶことができます。
金融機関によって用意されている期間は異なりますが、数か月といった短期間のものから10年超の長期間のものまで存在します。
定期預金は基本的に元本割れすることがないのでリスクは小さいのですが、他の投資方法と比較すると金利はあまり高くないことからリターンも小さいです。
また、満期を迎える前に引き出す場合は解約手数料などが発生する場合もあるので注意しましょう。
債券(国債)
債券とは、国・地方公共団体などが資金調達のために発行する有価証券のことをいいますが、ここでは国債についてご説明します。
国債は利息・利払日・償還日などの条件が決められていて、保有していれば利払日に利息が支払われ、償還日には額面金額が受け取れます。
国債は利息や償還日・額面金額があらかじめ決まっているため、リスクが小さいことが特長です。
なお、償還日を迎える前の国債を売買することも可能ですが、中途換金調整額が差し引かれることで額面金額より低くなることもあるので注意が必要です。
ミドルリスク・ミドルリターン
ここでは、ミドルリスク・ミドルリターンの投資について紹介します。
投資信託
投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を専門家が運用する金融商品のことをいいます。
運用された結果によって、投資家には投資額に応じた運用成果が分配される仕組みです。
投資信託は数百円といった少ない金額からでも購入することができます。
そのため、少ない資金でも債券・株式・不動産などに分散して投資できることがメリットの1つです。
また、投資信託は専門家が運用するので、金融や経済の知識がない人でも始めやすいことも特長だといえるでしょう。
ただし、投資信託は元本が保証されていません。
運用成果によっては元本を下回る可能性がありますので、きちんと検討した上で商品を選ぶことをおすすめします。
株式投資
株式投資とは、企業が発行した株式を購入して、値上がり益や配当金、株主優待といった利益を享受する投資のことをいいます。
株式投資では、信用売りなどの場合を除き、株価が安い時に購入して高い時に売却すれば、差額が利益になります。
企業が利益を出せば、株主に配当金として利益を分配することもあります。
また、自社製品などを株主に還元する株主優待制度のある企業があることも、株式投資の魅力といえるでしょう。
ただし、株価が下落したり、企業が倒産したりすると、投資した資金を失ってしまうリスクがあります。
また、業績によっては配当金が減配となったり、株主優待制度がなくなったりすることも考えられるでしょう。
株式投資を行う場合は、さまざまなリスクを考慮した上で取引するようにしましょう。
不動産投資
不動産投資とは、所有している不動産を貸し出し、家賃収入を得る投資のことを指します。
不動産投資における最大の魅力は、入居者からの家賃収入でしょう。
また、煩雑な管理業務を専門の管理会社に委託することで、少ない手間で運用することが可能です。
場合によっては不動産の売却益も期待できるでしょう。
しかし、不動産投資には空室リスクや災害リスクといったさまざまなリスクや、すぐに換金できないといったデメリットがあります。
そのため、不動産投資を始める前に、購入する物件を見極めるための知識を身に付けることや、信頼できる不動産会社を探すなどしっかり準備を行うことが重要だといえるでしょう。
ハイリスク・ハイリターン
ここでは、ハイリスク・ハイリターンの投資について紹介します。
投資においては、リスクとリターンには密接な関係性があります。
大きなリターンを得られる可能性のある投資は、同時に大きなリスクも抱えているのです。
投資を考える際は、リターンだけでなく、リスクについても理解しておくことが大切だといえるでしょう。
FX
FXは外国為替証拠金取引のことで、外国の通貨を売買して利益を得る手法の投資です。
FXは基本的に、為替レートが安い時に購入し、高い時に売却することで、利益を得ることができます。
為替レートは常に変動していますから、短期間で大きな利益を得られる可能性もあれば、大きな損失を出してしまう可能性もあるのです。
FXを行う場合は、リスクについて十分理解した上で、投資金額の上限を決めるなど自分なりのルール作ってから投資を始めることをおすすめします。
仮想通貨(暗号資産)
仮想通貨(暗号資産)とは、主にインターネット上での送金・決済に利用される電子データのみでやり取りされる資産のことをいいます。
仮想通貨は安い手数料で送金できることや、両替をすることなく外国で利用できることなどがメリットとして挙げられます。
仮想通貨は価格変動が大きいので、短期間で大きな利益を得られる可能性ある一方、暴落により大きな損失を被る可能性もあります。
投資として仮想通貨を取引する場合は、ご自身のリスク許容度を把握した上で行うとよいでしょう。