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パブリックチェーンを採用するConflux社
中国のNFT購入者はどんな人?
パブリックチェーンを採用するConflux社
アリババやテンセントなど、著名IT企業が開発したNFT取引プラットフォームは、会社自体の知名度で脚光を浴びたが、実はConfluxという中国のブロックチェーンのスタートアップが存在する。
この会社が開発したパブリックチェーン「Conflux Network」は中国政府が支援する唯一の無認可の公的ブロックチェーンプロジェクトである。同社は2018年に創業し、その後上海市政府から500万ドルの投資を獲得。

Conflux社はConflux Networkを中心に様々なサービスを開発しており、最近はNFT取引プラットフォーム事業にも乗り出し、「淘派」(前出のグラフにも記載)というプラットフォームをリリース。チャイトピは「淘派」ブランドの運営責任者である劉暢氏にインタービューし、中国NFTの現状やパブリックチェーンの事情などについてお話を伺った。

劉暢氏の話のポイントは以下5点である:
・パブリックチェーン関連の法整備が出きていない
・政府に禁止されたのは仮想通貨のみ。パブリックチェーンの発展は禁止せず
・現時点ではNFTの再販売は禁止されているが、今後は制限緩和の可能性がある
・メタバースが構築されたら、NFTの価値が拡大していく見込み
・Conflux社は政府の監督の下でNFT分野での模索を展開予定
以下はインタービューの詳細である:
チャイトピ:アリババやテンセントが開発した取引プラットフォームと比べて、「淘派」の優位性はなんですか
劉:最大の優位性は、淘派のインフラであるConflux Networkがイーサリアムのような分散型パブリックチェーンであることです。アリババやテンセントが利用したのは、コンソーシアム型ブロックチェーンであり、それを基にしたNFTは国際社会が言うNFTと違うと私は思っています。
チャイトピ:中国政府はパブリック型ブロックチェーンの公的許可をしておらず、法律的にはグレーゾーンだと言われていますが、御社が開発したパブリックチェーンは上海政府から出資を受けていますね、これについてどうお考えですか
劉:中国では、ブロックチェーン関連の法整備がまだ出きていないと思っています。現在政府に禁止されているのは仮想通貨であり、パブリックチェーンの発展は禁止されてないんです。
チャイトピ:中国のNFT取引プラットフォームは、購入者による再販売を禁止しており、その上著作権は元の著作者のままなので、NFTの価値が下がったと言われていますが、これについてどうお考えですか
劉:短期的に見ると、そうかもしれませんが、中国NFT業界はまだ模索段階です。一部地方の文化産権取引所(*政府が認可し、設立した総合的な文化産権取引サービス機関)がNFTの二次販売を試験的にやっているので、今後は二次販売の制限が緩和される可能性があると思います。
チャイトピ:「淘派」のアクセス方法と対応している支払い通貨はなんですか
劉:ホームページ、またはwechatのミニプログラムからアクセスできます。支払い通貨に関しては、法律に従い、現在は人民元だけ対応しています。
チャイトピ:「淘派」でリリースされた作品はどんなものですか
劉:若者に支持されるアパレルブランドなどが「淘派」でNFT作品をリリースしました。メタバースが大ブームとなったことで、ブランドもこれに乗ってNFTプロモーションを行っています。また、個人のNFT作品製作とリリースが「淘派」と契約することによって可能です。将来、我々はより多くの個人アーティストをサポートしてNFT作品をリリースしていきたいと思っています。
チャイトピ:NFT作品はデジタル画像以外、他にどのような形がありますか
劉:現在のNFT作品はデジタル画像が最も多いですが、実は車や土地など、なんでもNFT化して取引できます。
チャイトピ:政府が警戒を強める中、中国NFT市場はどうなると思いますか、そして御社は今後どう事業を展開していきますか
劉: NFTの価値は信用問題を解決できることにあると思います。政府や法律がなくても、データの改ざんが不可能という特徴で信用問題を解決できます。今後はデジタル・コレクティブルズだけではなく、たくさんの分野で活用できるのではないでしょうか。長期的に見ると、メタバースが確立したらNFTの価値がさらに拡大していくと思います。我々も政府監督の中、NFTの模索を続けていく予定です。
中国のNFT購入者はどんな人?
ビジネス的な視点で見ると、中国のNFTビジネスはまだ初期段階である。それでも一部の取引プラットフォームでは、NFT作品がリリースされてすぐ完売となり、ネットでホットな話題となっている。
では、購入者はどんな人たちなのか、筆者は実際にNFT関連のチャットグループに入り、購入者の属性や何のために購入したのかを探ってみた。
そこでわかったことは以下4点である:
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