スーツの裏地の生地の種類
裏地生地の種類は豊富ですが、大きく分けて「合成繊維」、「天然繊維」、「再生繊維」。ここからはそれぞれの特徴、メリット、デメリットを紹介していきます。
● 合成繊維
多くのスーツには、ポリエステルのこの合成繊維が使われています。この合成繊維は、耐久性に優れているのが特徴です。丈夫な素材なのでメンテナンスが不必要というのも大きな利点。ですが、静電気などが起こりやすいため、冬場の着用は注意が必要になります。
● 天然繊維
天然繊維は、一般的に高級な素材とされています。シルクなどを使用した生地は特にデリケートで耐久性はさほど強くありません。ですが、天然繊維だけが持つ良さは、肌触りの良さ、静電気の起こりにくさ、吸湿性が高い点が挙げられます。吸湿性が高い分、夏でも快適に過ごせるのも利点。
● 再生繊維
再生繊維とは天然繊維を加工したもの。よく耳にするレーヨンなどがそれにあたります。この再生繊維は万能で、合成繊維と天然繊維の利点を兼ね備えています。肌触りの良さはもちろん、吸湿性が高く、静電気も起こりにくいとされています。そして薄く軽い点もこの生地の特徴です。
● 背抜きの場合
背抜きのメリットは、裏地の範囲が少ない分、総裏仕様に比べ通気性が良い点。見た目の良さ、つまり軽やかな雰囲気も魅力です。総裏仕様は暖かく保温性があり、丈夫で厚みがありますが、背抜きは、スーツを薄い生地で仕立ててしまうと、シャツ等の背部分が透けてしまうことがあります。
スーツの裏地の色の選び方
スーツの裏地カラーの選び方は、季節感やスーツとの相性を意識することです。
● 春・夏 春といっても変わりやすい天候であるため、肌寒い日は合成繊維の総裏仕様のものがオススメ。春は淡いカラーの裏地を選ぶと一気に春気分を味わえます。例えば淡いピンクカラーとグレースーツの相性は抜群。
夏の場合は、薄く軽いレーヨンなどの生地か背抜きのものを選びましょう。ネイビーなどのブルー系の裏地とともにネイビースーツを合わせると軽やかで爽やかな夏らしいビジネススタイルに仕上がります。その場合の注意点は、スーツと同色でなく、少し色合いの違うネイビーを。
● 秋・冬 秋は、タンカラーやトープといったクラシカルかつ重すぎないカラーを選ぶのがオススメ。ブラックやグレースーツと相性が良いのもその理由。冬に近づくほど、ダークなカラーをチョイスするのも良いでしょう。
冬に合わせる裏地は、グレーやブラウン、オリーブが最適。上記画像にあるカラーは全て、重厚感ある冬のビジネススタイルを実現します。それ以上に深みあるビジネススタイルを目指すなら、ブラックの裏地を合わせてシンプルかつシックなスタイルもオススメ。