筋トレの代償として起こる筋肉痛。筋肉痛の時は、トレーニングを休むべきか、続けるべきか。ここでは、効率的に筋肉を成長させるための筋肉痛との付き合い方を紹介する。筋肉痛のメカニズムや、筋肉痛の対処法などにも触れる。

筋肉痛は筋繊維の修復に伴う刺激で発生する

そもそも、筋肉痛とは何だろうか。筋肉痛とは、普段使わない筋肉を使ったり、筋肉に強い負荷をかけたりすることで、翌日以降に痛みが出てくる「遅発性筋痛」のことだ。実は、「遅発性筋痛」は医学的に完全には解明されていないのだ。

現在有力なのは、「筋線維の修復に伴う痛み」という説だ。

  • 筋肉を酷使
  • 筋線維が損傷
  • 損傷を回復させようと身体が反応
  • 白血球などの血液成分が集まる
  • その際に出る刺激物質が筋膜を刺激

それが痛みとして感じられるのが、筋肉痛が起こる仕組みだと言われている。

筋肉痛時の筋トレや有酸素運動は運動の種類によって効果が変わる

筋肉痛は、筋肉が大きくなるシグナルと言われている。筋肉を大きくするためには、一度筋線維を損傷させ、それを修復させるというプロセスが必要だからだ。このサイクルは「超回復」と呼ばれ、トレーニング後48~72時間程度持続する。

超回復の間は、筋肉に十分な休息を与えることが望ましいとされているが、その間はトレーニングや有酸素運動をするべきではないのだろうか。運動の種類別に紹介しよう。

筋トレなどの無酸素運動は超回復を妨げる

無酸素運動とは短い時間で行う強度の高い運動のことで、筋トレもこれに当たる。筋肉にエネルギーを供給する際、酸素を使わない供給回路を使うことから無酸素運動と呼ばれている。乳酸が生成されるため、疲労を感じやすいことが特徴だ。

筋トレは、基本的に筋肉痛の時は避けたほうがいいだろう。筋肉痛の裏側では、超回復という修復作業が行われている。その際筋肉にさらに負荷をかけてしまうと、回復する前にさらに筋線維が損傷するため回復効率が悪くなるからだ。

トレーニング効率の問題もある。痛みがある時のトレーニングでは、どうしても負荷が弱くなってしまうし、可動域も狭くなってしまう。そんな状態でトレーニングをしても、大した効果は望めない。この観点からも、筋肉痛の時は十分な休息を取るのがベターだ。どうしてもトレーニングを行いたい場合は、部位を分けて行うといいだろう。

ランニングなどの有酸素運動は?

では、有酸素運動の場合はどうだろうか。有酸素運動とは負荷が比較的小さく、長時間行うランニングやバイクなどのエクササイズのことだ。酸素を使ってエネルギー供給をするため「有酸素運動」と呼ばれている。

有酸素運動には、筋肉に直接負荷を与えるだけでなく、全身の血流を良くしたり、筋肉に栄養を生き渡らせたりする役割もある。その点で、軽い有酸素運動は筋肉の回復に役立つと言えるだろう。あくまで、筋肉に負荷をかけないことを意識して行いたい。

筋肉痛の対処法 自宅でできる筋肉痛のリカバリーアクションを紹介

では、筋肉痛の時に筋肉の回復を助けるために、どのようなことを行えばいいのだろうか。筋肉のリカバリーアクションとして注目したいのが、アクティブレストだ。

アクティブレストとは「積極的な休養」という意味で、疲労時に血液循環を良くし、疲労物質の排出を促すことを目的として行う。筋肉痛の回復に加え、心身のコンディションを整える効果もある。

代表的なアクティブレストに、ストレッチがある。トレーニング後は、どうしても筋肉が固くなりやすい。そんな時、筋肉を伸ばすことで柔軟性と疲労の回復を促進できる。

その他、入浴や軽い有酸素運動もアクティブレストに当たる。うまく活用すれば疲労回復が早くなるため、トレーニング後には積極的に行うようにしよう。

筋肉痛にはアクティブレストで効果的な回復を

筋肉痛の時は、基本的にあまり運動をしないのがベターだ。ただしストレッチや有酸素運動など、筋肉痛の回復に役立つ運動もある。筋肉痛の状態を見極めながら上手に回復を促し、無理や無駄のない効率的なトレーニングライフを送ってもらいたい。

文・MONEY TIMES編集部
 

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