子どもの学費と自分の老後、どちらを優先?地域によって違い

2018.9.13
家族・子育て
(写真=digitalskillet/Shutterstock.com)
(写真=digitalskillet/Shutterstock.com)
「子どもの学費と自分の老後、どちらを優先させるか」という米調査で、4割以上が自分の老後を選んだ。自分の老後のためにしっかりと貯蓄しておいて、子どもの学費はローンで—と考えている親が多い。

4年制大学の費用を全額負担出来るぐらいの貯蓄を目指している親は2割。実際に学費用に十分貯蓄している親の割合は、貯蓄していない親の割合を若干下回る。

子どもの将来を優先させる傾向は発展途上国で根強いようで、特にアラブ首長国連邦やインドネシアでは、7割以上の親が18歳以上の子どもを経済的に援助している。

「学費より重要な投資はない」と答えたのは4割以下

米学資ローン情報サイト「Student Loan Hero」が2018年1月、子どものいる1035人の成人を対象に、教育費用に対する親の考えを探る調査を実施した。「子どもの学費より優先させたい投資」という質問では、44%が401kなどの「年金積立制度」と回答。37%が「子どもの学費より重要な投資はない」と学費の負担を親としての義務と捉えている一方で、33%が「住宅」、24%が「生命保険」、14%が「株式市場」と答えた。「学費を負担するより旅行に行く方がいい」親が6%いるという事実に驚かされる。

しかし「老後の貯蓄を崩してまで学費を負担するかどうか分からない」と答えた親の2倍以上に値する37%が、「自分の老後の貯蓄を担保に学費の融資を受ける予定」だ。

貯蓄手段は貯蓄口座が圧倒的に多く74%が所有。学資貯蓄制度「529プラン」の利用者は26%で、現金が24%、貯蓄国債が21%、その他が6%という結果になった。

2割以上が1~2年分の学費を貯蓄ゴールに

親はどの程度の金額を目指しているのだろう。米非営利教育団体カレッジボードのデータによると、4年制大学の2017~18年度の平均的な学費は年間9970万ドル。私立や米国外の大学だとさらに高額な費用が必要になる。

十分に補える金額である5万ドル以上をゴールにしている親は20%。23%が1万~2万ドルと答えているが、 これでは国内の公立大学に進学した場合でも1~2年分の費用しか補えない。多くの親が学資ローンや貯蓄に頼らざるを得ない。

52%が国の教育ローン、43%が民間の学資ローンをあてにしている一方で、22%が個人ローン、16%がクレジットカードの利用を検討している。個人ローンやクレジットカードの金利は学資ローンよりはるかに高い。クレジットカード情報サイト「クレジットカーズ・コム 」が2016年8月に発表した調査では、公立・私立問わず、米国の大きな学校300校の85%がクレジットカードでの学費支払いを受けつけている。クレジットカードで支払うとキャッシュバックがつくという利点もあるが、手数料や金利はそれを超える。

4割が今の自分の学費を返済している

子どもの学費を十分に貯蓄できる親とそうでない親の差は、資産や所得、子どもが進学する大学などに大きく左右されるだろう。しかし学費用に十分貯蓄している親としていない親の割合は48%、44%と大差ない。

子どもの学費のために現在貯蓄している親の43%が、「自分の親から援助を受けなかった」と答えており、全体の40%が「今も自分が借りた学資ローンを返済している」。これらの親にとって、子どもの学費が家計をさらに圧迫するものと推測される。

たとえそうなっても、子ども学費を負担してやりたいという親心もあるだろう。しかし、90%が「価値ある投資」だと捉えている。そのため、学資ローンを借りる場合は67%が「(子どもの)連帯債務者になる」、61%が「返済を援助する」と考えている。「価値があるとは思わない」というシビアな親も10%いる。

発展途上国で根強い家族への経済的支援

こうした傾向は国によってがらりと変わる。HSBC グループが2017年に発表した調査報告書「Power of Protection」から、特に発展途上国では家族を経済的に支援する風潮が強く根付いていることが明らかになっている。

この調査は、世界13カ国・地域 (米国・英国・フランス・アルゼンチン・中国・香港・インド・インドネシア・マレーシア・メキシコ・シンガポール・台湾・アラブ首長国連邦)に住む1.3万人以上を対象に実施された。

「家族のだれかに定期的な経済支援を提供している」回答者の割合は平均74%だが、インドネシアは94%、アラブ首長国連邦は89%、インドは87%、マレーシアは84%など、アジア圏は軒並み平均を上回る。米国、英国、フランスはいずれも50%に満たない。「家族のだれか」には未成年・成人の子どもだけでなく、両親や兄弟姉妹も含まれる。

アラブ首長国連邦では79%の親が18歳以上の子どもを経済的に支援しており、インドネシアでも77%、メキシコでも59%だ。これらの親の50%が「子どもの学費」、49%が「生活費」を支援しており、27%は「ホリデー」という娯楽にもお金を出している。

家族を経済的に支援している回答者の全てが、経済的に余裕があるわけではない。29%は「好きなことを我慢している」、20%が「貯蓄や投資からお金を引き出している」、16%が「余分に働いている」、15%が「経済的な不安に駆られている」など、プレッシャーやストレスを感じている。

子どもの将来への投資か、自分の将来への投資か—究極の選択ではあるものの、多くの専門家の意見は「 子どもの学費は借りることが出来るが、自分の老後のためには今しか貯蓄出来ない」で一致しているようだ。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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