新潟県五泉市別所地区。

大きな店が立ち並ぶわけでも、電車やバスが通っているわけでもない。

山と田んぼに囲まれ、そこにはただ暮らしがあるだけ。

そんな集落の中に1軒、ひっそりと佇むゲストハウスがある。

築60年のその木造古民家には、囲炉裏に薪ストーブ、薪風呂と、現代ではなかなかお目にかかれない代物が使われている。

玄関の外には、1匹のヤギと10数羽の鶏。

少し離れたところには、手作業で耕された野菜畑が広がる。

通常ゲストハウスといえば、観光地の近くや駅周辺など交通アクセスの良い立地に多い。

なぜ、こんなところにゲストハウスが??
 

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▲エサを頬張るのは五泉ゲストハウス「五ろり」の看板娘ならぬ看板ヤギ(画像=Fledge)

今回は、五泉ゲストハウス「五ろり」の経営者である斉藤明さんに、地方創生アンバサダーのつぼじゅんがお話を伺いました。
 

つぼじゅん

1988年4月生まれ。新潟県加茂市出身。国内で農業に携わった後、青年海外協力隊に参加。南米ペルー共和国で、現地の野菜菜園の普及などに携わる。現在、限りなく農民に近い公務員として畑を耕し、週末はDIY軽トラキャンピングカーで日本&新潟県1周の旅を実行中。

【東京から新潟へUターン】なぜ、田舎でゲストハウスなのか?

進学を機に上京し、そのまま東京でテレビの大道具などを制作する会社で働いていた斉藤さん。

初めてゲストハウスに出会ったのは30歳の頃。

休暇を利用しプロ野球キャンプを見るため沖縄へ旅した時、浜辺にある海の家のようなゲストハウスに泊まったのがきっかけでした。

「簡素な宿で浜砂や潮風が入り込み、床がザラザラするようなところでしたが、旅先で出会った仲間と浜辺で火を囲み、夜遅くまで語り合っていたことを今でもよく覚えています。」

それから35歳で新潟へUターンしてからも、ゲストハウスに魅了され全国20か所以上の宿を渡り歩きました。
 

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▲五泉ゲストハウス「五ろり」オーナーの斉藤明さん(画像=Fledge)

「ゲストハウスの魅力はコミュニケーションが生まれること。」

斉藤さんにゲストハウスの魅力について聞くとこんな答えが返ってきます。

「ホテルだったら、部屋に入ってテレビのスイッチを入れた瞬間、旅が終わってしまう。

ゲストハウスなら宿の人や旅人と自然に会話が始まり、夜眠りにつくまで旅が続く。

翌朝起きて挨拶を交わすとともにまた旅が始まる。

そんな気がするんです。」
 

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▲旅人やゲストハウス好きが集う「五ろり」(画像=Fledge)

とはいえ、当時はまさか自分でゲストハウスをやることになるとは思ってもみなかったという斉藤さん。

Uターン後新潟の企業に勤務したものの、せっかく地方に住むなら、地方だからこそできることを自分でやってみたいという思いがじわじわと湧き上がってきました。

「地方は都会に比べれば仕事の種類や選択肢は少ないかもしれません。

でもだからこそ、新しく何かにチャレンジできる自由度があると思います。」

当時新潟県内にはほとんどなかったゲストハウス。

「だめならやめればいい」という気持ちで空き家を借り、借金などはせず無理のない規模で、2014年6月に「五ろり」を開業しました。
 

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▲ゲストと行った餅つき体験(画像=Fledge)

昔の田舎暮らしのちょっとした不便さを楽しむおもしろゲストハウス
「うちは周りが田んぼばかりなんで、途中で迷うと目印になるものがなくて、こっちも探しに行けなくなっちゃうんですよ(笑)」

▼地図上の「五ろり」

https://goo.gl/maps/U1h5t3Nrj8mwLEcB8

確かに、周囲には田んぼと山と民家しかない。

車やバイクで来る旅人はまず迷ってしまうだろう。

宿に辿り着くまでにもちょっとした旅が味わえるのも地方ならでは。

徒歩圏内に駅はないため、近く(?)の駅に到着したゲストは斉藤さんが自らピックアップに向かう。
 

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▲囲炉裏を囲んでの食卓(画像=Fledge)

昔の田舎の暮らしをコンセプトにしている「五ろり」。

暖を取るのには、囲炉裏に火をくべる。

囲炉裏を囲んで、ぽつりぽつりと話が始まる。

ストーブに薪をくべ、野草を乾かした茶を沸かす。

畑で獲れたての野菜と、鶏の産みたての卵。

それぞれが持ち寄った具材を加えて、共に食事づくりをする。

料理ができたら囲炉裏を囲んで、夜遅くまで語り合う。

風呂はじっくりと時間をかけ、薪を燃やして暖める。
 

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▲平飼いされている鶏の産みたて卵は朝食にぴったり(画像=Fledge)

「少し昔の田舎の暮らし方を体験してもらって、田舎のちょとした不便さを楽しんでほしいんです。」

田舎のゲストハウスには旅と暮らしの真ん中にいるような不思議な魅力がある。

旅を続けながらも、そこには日常がある。

【ミスマッチ防止!】ゲストハウス経由での地方移住のススメ

15年間東京で働き、都会と地方の両方の魅力を知っている斉藤さん。

地方に移住する際には、良い面ばかりをみていきなり飛び込むのではなく、暮らしを体験してから決めるのがいいと話します。 

「地方には沢山良いところがあります。でも、それらをどう感じるかはその人次第。

だからこそ移住を考えるなら、一度地方での暮らしを体感できる場所を経由したらいいと思います。

例えばその結果、やっぱり都会に住むということになっても、田舎暮らしも悪くない、新潟(地方)も悪くないと感じてくれればいいと思うんです。」
 

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▲囲炉裏に薪ストーブに、薪風呂。昔の田舎暮らしが体験できる。(画像=Fledge)

認定NPO法人ふるさと回帰センターが公表したデータ( 2018年調査)によると、20代以下の年代別移住希望地ランキングでは1位、全体では5位という人気ぶりだった新潟県。

新潟移住を考えている人は、是非一度五泉ゲストハウス「五ろり」で田舎暮らしの体験を経由してみてはいかがでしょうか!?
 

▼五泉ゲストハウス「五ろり」
「五ろり」の名前は、五泉市でろ(囲炉裏)を囲んで畳の上でごろりとゆっくりして欲しいという意味が込められている。2014年に築60年の木造古民家を借りて開業。田んぼと山に囲まれた別所集落の中にひっそりと佇むゲストハウス。オーナーは斉藤明さん。
https://gorori.jimdo.com/

提供元・Fledge

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