飲食店の「カスハラ」傾向と対策。悪質クレーマーからスタッフを守るには?

2019.10.4
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(画像=iStock.com/Jirakarn)
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近頃、よく聞く「カスハラ」という言葉。客による悪質な嫌がらせを意味する「カスタマー・ハラスメント」を略したものだ。店員に土下座を強要したり、店のことをSNSで中傷したり……。飲食店におけるカスハラは年々深刻化している。今回は、カスハラはどのような時に起こるのか、また実際にカスハラがあった場合にはどう対処すべきかを考えていきたい。

そもそも「カスハラ」とは?

まず、カスハラと一般的なクレームとの違いを明確にしておこう。クレームとは、客による「正当な主張」のことだ。例えば、「料理に髪の毛が入っていたから新しいものに取り替えて欲しい」といったものは正当なクレームと考えていいだろう。

一方、カスハラの特徴は、クレームだけでなく店員に対しての説教、謝罪の強要、暴言、暴力などがある点だ。初期段階では正当なクレームと区別がつきにくく、徐々にエスカレートして店員に無理やり謝罪をさせるケースも多いようだ。

カスハラ客に遭遇してしまった店は、「とにかく問題を最小限に収めたい」「相手を怒らせてSNSなどへの拡散をされたくない」などの理由から、相手の言いなりになってしまうことも少なくない。しかし、カスハラは場合によっては犯罪となる可能性もあるため、毅然とした対応が必要だ。

それでは、実際に飲食店ではどのようなカスハラがあるか代表的なものを挙げてみよう。

■料理を作り直させる客

飲食店で起きうるものとして考えられるのが、「美味しくない」「気が変わった」というような理由で、料理を作り直して欲しいと言われるケースだ。もちろん、この時点ではカスハラと断定することはできない。店側のミスもありえるからだ。しかし、通常通りの提供を行ったにも関わらず作り直しを強要されたり、暴言を吐かれたり、SNSでの中傷をほのめかされた場合などにはカスハラに該当する可能性がある。メニュー写真と実物のイメージが異なるというのもカスハラの原因になりやすいので注意が必要だ。

■必要以上に説教をする客

昔から一定数存在するのが「説教」をする客だ。特にオープンしたばかりの店に多い傾向があるが、店のサービスや商品などについて意見するというものだ。もちろん貴重なアドバイスもあるが、業務に支障が出るレベルのものも存在する。例えば他の客がいるにも関わらず長時間スタッフを引き止める客、料理や接客といったサービス内容の変更を執拗に迫る客など。こちらも即座にカスハラとは断定できないが、業務に戻らせてもらえない場合や、来店の度にしつこく説教をする場合、頻繁に電話をしてくる場合などはカスハラに該当する可能性がある。一定時間経過したところで他のスタッフに助けに入らせるなどのマニュアルを用意しておきたい。
 
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■故意のドタキャン

近年、社会問題化している飲食店でのドタキャン問題だが、カスハラの手段として用いられる場合もある。偽名で団体予約を入れておき、無断キャンセルして店に損害を与えるというものだ。週末やイベントのある繁忙期を狙う悪質なものもあるので注意しよう。故意の場合は犯罪となる可能性もあるので、予約の詳細や予約者の特徴などはきちんと記録しておくこと。通常のドタキャン対策と同様に、数日前に電話確認を入れたり、一部を前金で支払ってもらうことも防衛策になる。

■看板で怪我をしたという客

意外なところでカスハラの元になりやすいのが店頭の看板だ。「看板が邪魔だ」「ぶつかって怪我をした」というクレームは実はかなり多い。公道に無許可で看板を設置している場合には撤去しなくてはならないが、敷地内の場合でも注意は必要。「服が引っかかって破れた。弁償しろ」などと高額な請求をされるケースも考えられる。カスハラの原因とならないよう、看板の角を柔らかいもので覆ったり、通行人の足が電源コードに絡まらないような設置方法の工夫が必要だ。客の路駐自転車も苦情の原因になりやすいので対策を練っておこう。

■長時間居座り続ける客

飲食店ではよくあるシーンだが、営業終了時間になっても帰ってくれない客は多い。5~10分程度であれば許容範囲と考えられるが、30分から1時間経っても居座る客がいるのが実情だ。もちろん、客と店側が合意していれば問題はないが、客が「金を払っているんだからまだいいだろう」などと営業時間延長を強いるような場合はカスハラになる可能性もある。ただし、店側がしっかりと閉店時間を伝えていなかったことから暴言に繋がるケースもあるため、接客マニュアルの見直しも検討すべきと言えるだろう。
 
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カスハラの原因と対処法

カスハラの代表的な例を挙げたが、これはまだ一部。クレームやカスハラはあらゆることが原因になるからだ。これを防止するには、クレームやカスハラに発展しやすい問題を事前に潰しておくことが大切。例えば料理であれば、使っている材料やアレルギー表示を明記しておく、注文商品の復唱を徹底することなどでクレームの芽を摘むことができる。あらゆる局面で想定される問題と、その対応策を検討しておきたいところだ。

また、常に杓子定規な接客ではなく、様々なケースで臨機応変な接客技術を身につけておくことも予防策にはなるはずだ。クレームの初期段階でしっかりと対応できれば、カスハラ化を防ぐことはできるだろう。

万一、客が無理やり店員に謝罪をさせれば「強要罪」、手を出せば「暴行罪」となる。経営者には従業員を守る義務があるので、カスハラ知識の研修や警察への通報方法の徹底、防犯カメラの設置など早急に準備を進めておきたいところだ。

カスハラ問題は非常に深刻なものではあるが、世間の注目を集めたことで飲食店側も体制を整えやすくなった。これを機にクレーム対策と合わせてカスハラ対策もしっかりと整備していきたいところだ。

文・大槻洋次郎/提供元・Foodist Media

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