都内で我が子を名門私立中高一貫校に入れるには――受験・授業料は6年間で1,000万円?

2018.12.1
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(写真=RimDream/Shutterstock.com)
(写真=RimDream/Shutterstock.com)
首都圏の小学6年生のうち、6人に1人が中学受験をする現在、特に人気があるのが中高一貫校だ。2020年の大学入試改革に向けて、充実したカリキュラムが期待できる中高一貫校の注目度は高い。子供の合否はもちろんだが、親としては受験費用や入学後にかかる費用も気になるところだ。

中高一貫校は「私立」「共学」が人気増

首都圏における中学受験者数は、2018年度には前年度より850人増えて4万5,000人に達すると推計されている。これは小学校6年生の15.82%に当たる。首都圏模試センターの調べでは、中学受験者数のピークは2007年度の5万500人(16.45%)。割合では2008年度の16.57%(4万9,000人)が最高だったが、その後減少。2014年度を底に4年連続の増加となった。

受験者の注目を浴びているのが中高一貫校だ。小石川中等教育学校や武蔵高等学校付属中学校など公立中高一貫校が知名度も高く、かつ私立より学費が安いため根強い人気がある。しかし2018年度においては、早慶といった難関私大附属中をはじめとする私立中高一貫校の希望者が増えている。

その理由としては、2020年度から始まる大学入試改革の存在が大きい。新制度では知識量だけでなく「思考力・判断力・表現力」が一層重視される。私立ではそれらに対応できるカリキュラムや教育環境が整備されており、早くから大学入試に向けた学力アップが図れるという期待が大きいからだ。

私立中高一貫校の名門といえば、「男子御三家」と言われる開成・麻布・武蔵、「女子御三家」の桜蔭・女子学院・雙葉が主流だったが、ここ数年は進学実績の上位校として渋谷教育学園幕張中学校、渋谷教育学園渋谷中学校、早稲田実業など共学校の名前が上がるようになってきた。もともと男子校・女子高だった学校の共学化の流れも進んでおり、もはや名門中学=男子校・女子高のイメージは崩れつつある。

塾代は4年生からの3年間で300万円にも

中学受験では学校の授業の範囲を超える問題も出題されるため、塾通いは必須と考えられている。入塾のタイミングは、小学4年生からが最も多い。

ある受験情報サイトの調べでは、小学3年生の2月(つまり新小4)を含む小学4年生から通い始めた子供が全体の37.5%を占めるという結果が出ている。小4から受験まで塾に通った場合、費用はどのくらいになるのだろうか。

大手進学塾の小学6年生1年間の塾費用はざっと100万円程度。特に受験直前の冬期講習はカリキュラムの密度が濃く、料金も高い。

季節講習を除く授業料は年間50~60万円が多く、小学4・5年生の間は夏期講習や冬期講習を受けなければ、3年間通って塾代は合計200万円になる。ここに1回25~30万円の講習に申し込むと、3年間の塾代は一気に300万円に跳ね上がる。

さらに受験料もかかる。都の調べによると1回当たりの受験料は2018年度で2万3,000円程度。併願で5~6校受けると仮定した場合、15万円はみておいたほうがいいだろう。

私立中高一貫の学費は6年間で800~1,000万円

学費の相場はどのくらいだろうか。ある有名私立中高一貫校の例を紹介する。

【中学(3年間計) 】
(1)入学金……30万円
(2)施設拡充資金……26万円
(3)授業料……144万円
(4)施設維持費……14万4,000円
(5)実験実習料……14万4,000円
(6)PTA会費……10万800円
(7)生徒会会費……1万9,800円
(8)学校旅行費等(概算)……33万円

中学合計:273万8,600円

【高校(3年間計)】
(2)施設拡充資金……26万円
(3)授業料……144万円
(4)施設維持費……14万4,000円
(5)実験実習料……14万4,000円
(6)PTA会費……10万800円
(7)生徒会会費……1万9,800円
(8)学校旅行費等(概算)……25万5,000円

高校合計:251万3,600円
        
6年間計:525万2,200円

一般的に私立中高一貫校の6年間の学費は、500~600万円と言われている。年間で約100万円、初年度に限り120~130万円かかる予算感を持っておきたい。

ただしこれらの金額に塾代や部活動費は含まれていない。中高の学校外活動費は年間30万円が相場なので、余裕を見て6年間で700~800万円を見込んでおく必要がある。

子供を私立中高一貫校に行かせるには年収900万円必要?

私立中高一貫校に行かせるには、どのくらいの世帯収入があればいいのだろうか。多くのファイナンシャル・プランナーが提唱する、家計における教育費の割合の目安は「手取り年収の15%以内」だ。

気を付けたいのが、教育費とは学校の授業料だけでなく学用品や塾代、部活動費を含めた「純粋な教育費」であることだ。中学や高校における学校外活動費は、教育費全体の約25%を占める。授業料は全体の一部であることを覚えておきたい。

また、年収は額面ではなく「手取り年収」であることにも注意したい。税金や社会保険料の額にもよるが、額面が800万円なら手取りは650万円程度だ。

先ほど、多めに見積もって私立中高一貫校には入学までの3年間に約300万円、入学後の6年間に約700万円必要だと書いた。単純計算で年間約110万円必要だということだ。110万円が家計の15%というと、手取り収入は733万円、年収にして900万円は必要になる。さらに子供が2人以上いても、教育費は15%以内に収めなければならない。

これらの試算は少し高めにしている。公立私立問わず対象となる高等学校等就学支援金制度や各自治体独自の補助制度などもあり、実際にかかる費用はもう少し抑えられる可能性がある。

私立は、成績優秀者に特待生制度や奨学金制度を設けている学校も多い。2020年からは私立高校の授業料の一部無償化を進めることが検討されており、負担の軽減が期待できる。

文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)
 

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