新生活を機に「旅行に行こう」「マイホームを買いたい」などの目標を決めて貯蓄を始めたは良いが、超低金利が長く続く現状では、「お金を貯める」ことはできても「お金を増やす」ことは難しい。

自分が働くことでしかお金を得られていない場合、身体は一つしかなく、働いた分だけの給料しか受け取れないため、病気やケガなどで働けなくなれば、その分だけ収入は減ることになる。貯蓄で収入が減る事態に備えることはできるが、いずれは貯蓄も底をついてしまうだろう。

一方、お金を働かせることで収入を増やす可能性を考えたことはあるだろうか。会社員として働いて得たお金に加えて、収入源が二つに増えることになる。収入源が増えればその分だけお金が増えることになるので、自分で働くことで得られる収入源が途絶えた場合にも備えることができる。この考え方が何よりも重要になる。

具体的な投資のはじめ方 インカムゲイン狙いから

これから投資を始める場合、投資に漠然と不安を抱いたり、投資を始めることに二の足を踏んでしまう人も多い。具体的にはどのような投資を行えばよいのだろうか。

株式や投資信託への投資を考えた場合、買った値段から値上がりすることで得られる利益(キャピタルゲイン)のイメージが強いかもしれないが、これからはじめる場合には安定的かつ継続的に得られる収入(インカムゲイン)を得られる投資について考えたい。

インカムゲインの種類には、株式投資では企業が株主に対して行う配当であり、投資信託であれば分配金、債券であれば金利、銀行預金であれば預金利息、不動産投資であれば家賃収入がある。対象の金融商品を保有することで定期的に受け取れるようになる。

株式に投資した場合に受け取れる配当金で、お金がお金を増やしてくれることについてトヨタ自動車を例にトヨタ自動車<7203>を例に考えてみよう。トヨタ自動車の株主になれば、配当金を受け取ることができる。予想配当利回りは3.12%(購入金額は4月9時点で約67万円)とされているため、1年間に2万円程度(税金は考慮しない)の配当金を受け取れることになるが、株価は常に変動するため配当利回りは日々変動する。

配当金は企業業績によって金額が変更になるため配当利回りが固定されるわけではなく、業績が好調になれば配当金は増額になることもある一方で、業績が悪化すれば配当金は減額になることもある。

銀行の1年間の定期預金金利が0.01%なのだから、同じ金額を定期預金に預けて受け取れる利息は67円になる(税金は考慮しない)配当金の多さに驚く人も多いかもしれない。同じ金額でも、預け先が銀行の定期預金か株式か違うだけで、受け取れる金額には大きな差がついてしまう事実を肝に銘じておく必要があるだろう。

受け取った配当金をさらに投資に回して(再投資)、お金にお金を増やしてもらってもいいだろうし、好きなことに使ってもいいだろう。いずれにしろ投資でお金が増えれば、日々の生活にゆとりが生み出されることは間違いないだろう。

さらに、株式投資では株主優待という独自のサービスもある。株主優待とは、株主優待制度を導入している企業が実施しているサービスのことで、企業が株主に利益を還元する方法の一つ。株主優待の内容は企業によって異なっていて、食品メーカーであれば自社製品、娯楽関連企業であれば買い物優待券や商品券という風にさまざまな商品がある。

たとえば、定期的にディズニーランドに遊びに行くという人であれば、オリエンタルランド<4661>の株式を購入すれば、株主優待で「1デーパスポート(入場チケット)」を保有株数に応じて1年に2回受け取ることができる。2018年4月時点の1デーパスポートは大人一人7400円だから、1年間に1万4800円。その分の費用を使わなくて済むようになるのだから、浮いたお金を投資に回してもいいし、他の好きなことに使ってもいいだろう。さらに、年間の配当利回りは0.36%(日々変動する)と高くはないが、オリエンタルランドの株主になれば配当金も受け取れることになる。

「お金がお金を生み出す仕組みづくり」を意識してみよう

このように少しずつでもいいのでお金を投資に回していけば、お金がお金を生み出す仕組みを作っていくことができるようになる。価格の変動によって利益を得ることを中心としたキャピタルゲイン狙いの投資よりも、定期的な収入を受け取るインカムゲイン狙いの投資では、投資期間が長いほど受け取れるインカムゲインの金額は増えることになる。さらに、投資金額が増えればインカムゲインで受け取れる金額も雪だるま式に増えるようになる。

これから投資を始める場合、投資資金が少額でも時間を味方につけることで、お金がお金を増やすための仕組みをつくることができるようになる。「自分が働いて得るお金とは別の収入源をつくる」という、意識改革から始めて、自分の生活を着実に変えてみてはどうだろうか。

文・横山利香(CFTe、ファイナンシャル・プランナー)/ZUU online
 

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