つみたてNISAで選べる銘柄は意外と少ない?投資信託のタイプをわかりやすく解説

2019.9.13
INVESTMENT
(写真=Joyseulay/Shutterstock.com)
(写真=Joyseulay/Shutterstock.com)
つみたてNISAの銘柄は投資初心者でも比較的選びやすい。金融庁があらかじめ安定的な長期積立投資に適した商品を選んでくれているからだ。対象銘柄は大きく分けて4つに分類できる。どのタイプが向いているのかはそれぞれの特性をおさえて判断したい。

つみたてNISAの対象銘柄は全部で163本

投資信託の総数は日本だけでも3,000種類以上あると言われている。しかし、つみたてNISAの対象商品は現在のところ163本しかない(2019年7月時点)。これは、金融庁が提示した基準を満たすものしか対象にならないからだ。

つみたてNISAの対象商品となるのは長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託だが、その基準はなかなか厳しい。政令で定められた以下の要件をすべて満たさなくてはならない。

<政令の要件>
(1)信託契約期間が無期限又は20年以上であること
(2)分配頻度が毎月でないこと
(3)ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
(4)告示で定める要件を満たしていること
 
(1)は長期投資が可能なファンドに限定すること示すものだ。(2)は分配頻度が高いと長期投資のメリットである複利の効果が得られないためだ。あまりリスクの高い商品は積立投資にそぐわないということで、金融派生商品取引を禁じる(3)も要件に入っている。(4)は商品タイプごとに決められているため以降で説明する。

つみたてNISAの対象商品は、指定インデックス投資信託、アクティブ運用投資信託、上場株式投資信託(ETF)から成る。さらにインデックス投資信託は、単一指数(株式型)と複数指数(バランス型)に分けられる。したがって銘柄を物色する際はこの4種類のどれに該当するか考えると良い。

つみたてNISAの指定インデックス投資信託は大きく2つに分けられる

つみたてNISAの対象となるインデックス投資信託は、販売手数料が無料(ノーロード)で、信託報酬は国内資産なら0.5%以下、海外資産なら0.75%以下と決められている。指定された指数と連動することが条件であるため、極端な値動きをする可能性が低い。つまり低コスト・低リスク商品に限られる。

インデックス投資信託は1つの株式指標(単一指数)に連動するものと、株式以外を含む複数の資産に投資するものに分かれる。まずは単一指数に連動する投資信託をみてみよう。

つみたてNISAの銘柄タイプ1……1つの株式指標と連動する単一指数(株式型):73本

単一指数連動型インデックス投資信託は、1つの株式指標と連動するように設計されている。どの指数に連動するかはファンド名を見ると一目瞭然だ。国内の指数であれば「TOPIX」「日経平均株価」「JPX日経インデックス400」がファンド名に含まれている。
    
海外の指数を対象とするファンドの場合、つみたてNISAには「MSCI ACWIインデックス」や「FTSE Global All Capインデックス」という指標に連動するものが多い。これらは全世界の株式と同じパフォーマンスを目指すもので、先進国から新興国まで国際分散投資ができる。ACWIとはAll Country World Indexの略だ。MSCI、FTSEは指数を算出した企業の名称で、それぞれ米国と英国に拠点を有する。

先進国に限定して分散投資するファンドもある。「MSCI Worldインデックス」「FTSE Developed All Cap インデックス」に連動する投資信託だ。構成国数は25ヵ国前後、FTSE には日本も含まれるが、MSCIには含まれない。先進国に限ることである程度安定した値動きが期待できるが、新興国にあるような成長性には少し欠ける。

成長率が高い新興国に限って投資したければ「MSCI新興国株式インデックス」「FTSE Emerging Index」をベンチマークとするファンドを選ぶのがいいだろう。構成は随時見直されるが、現在のところ中国や韓国、インド、ブラジルといった国の株式の比率が高い。

他にも、米国株式市場の75%をカバーする「S&P500」、大型株から小型株までほぼすべてカバーする「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」をベンチマークとするファンドもある。

つみたてNISAの銘柄タイプ2……複数の資産に投資する複数指数(バランス型):69本

1つの株式指数に連動するのではなく、債券や不動産といった複数の資産に投資するファンドを「バランス型投資信託」という。バランス型投資信託のなかには国内株式と国内債券の2資産に分散するものや、海外株式と海外債券を加えた4資産に分散するものなどがある。新興国株式や債券、国内外REITを加えると最大9資産に分散投資できる。

組み入れ比率は商品によって異なる。完全に均等にしているものから、株式重視または債券重視のものもある。一般的に株式比率が高いファンドほど値上がりが期待できるがリスクも高い。

投資初心者など自身でポートフォリオを組むのが難しい場合は、1銘柄で多数の国や資産に投資できるバランス型投資信託が向いているとされている。

つみたてNISAの銘柄タイプ3……積極投資するアクティブ運用投資信託等:18本

市場全体を上回るパフォーマンスを目指して積極投資するファンドがアクティブ運用投資信託だ。インデックス型では物足りないと感じる投資家に向いている。ただし、つみたてNISAの長期安定の信条に合わないためか、対象銘柄は18本と少ない。

つみたてNISAの対象となるアクティブ運用投資信託は、純資産が50億円以上、運用が始まってから5年以上経過していて、販売手数料が無料(ノーロード)、信託報酬は国内資産なら1%以下、海外資産なら1.5%以下と決められている。

大別して国内型・海外型があり、つみたてNISAの対象となっている商品は投資対象によって株式のみ、株式および公社債、株式とREIT、株式と公社債およびREIT、など4種類に分けられる。

アクティブ型投資信託はインデックス型投資信託のように「○○(=対象指数)インデックス」という名前ではなくニックネームのような名称が多い。「ひふみ」や「ハッピーエイジング」、「のむラップ」などがその代表例だ。

つみたてNISAの銘柄タイプ4……信託報酬の低い上場株式投資信託(ETF):3本

上場株式投資信託(ETF)は信託報酬が低いのが魅力だが、現在のところ大和証券の取り扱う3本しか認められていない。購入できるのは大和証券のつみたてNISAだけだ。ETFにおけるつみたてNISAの対象要件となる、最低取引単位が1,000円以下、販売手数料1.25%以下という条件が厳しいのかもしれない。

つみたてNISAで対象となる銘柄は長期の積立が前提

つみたてNISAを始めていまひとつ成果を実感できない人は、つみたてNISAが長期の積立投資の支援を目的としていることを思い出してほしい。基本的に短期間で利益を実感できるようにはできていないのだ。10年、20年のスパンで資産形成することよりも、積極的に運用して投資スキルを上げたいと考えている場合は、銘柄が豊富な一般NISAを検討してみても良いだろう。

文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)
 

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