初心者が不動産投資を始める前に知っておきたい4つのポイント 新築・中古の選択肢、フローもわかりやすく解説

2019.9.13
INVESTMENT
(写真=elxeneize/Shutterstock.com)
(写真=elxeneize/Shutterstock.com)
不動産投資初心者の場合、「いったい何からスタートしていいか分からない…」という人もいるだろう。今回はそんな人のために、不動産投資を成功させるために、事前に押さえておきたい4つのポイントを紹介。新築か中古か?始めるまでにどういうフローをたどればいいのか?など、基本をわかりやすく解説する。

目次

STEP1:不動産投資物件の特徴 マンション、アパート、戸建てなど
STEP2:投資する物件の詳細  新築か、中古か?区分か、一棟か?など
STEP3:不動産投資を始めるまでのフロー
STEP4:不動産投資をはじめるときの注意点

STEP1:不動産投資物件の特徴は?マンション、アパート、戸建てなど

不動産投資というと、最近は「区分マンション(ワンルームマンション)」の経営を指すことが多い。しかし、それ以外にもアパートや戸建てなどもある。

ここで大切なことは、仮に「マンション経営をする」と決めている場合でも、アパートや戸建ての特徴も知っておくことだ。比較することによって、「選択したもので本当にいいか」がクリアになってくる。それぞれの特徴は、以下のとおりだ。

1-1:マンション投資の特徴 定期メンテナンスによって50年現役で稼ぎ続けてくれることも

・ポイント1:ローン返済を長期で設定することができる
・ポイント2:好立地物件多く、空室リスクが少ない
マンションの最大の特徴は、建物の寿命が長いことだ。鉄筋・鉄骨とコンクリートを組み合わせた建物は、定期的にメンテナンスをしていけば、40年、50年は現役で稼ぎ続けてくれる。そのため、マンション経営は金融機関のローン返済期間を長期に設定したい人に特に向いている。返済期間を長くすれば、月々の返済額を抑えることができる。

これに対して、木造建築が多いアパートや戸建ての場合は、数十年経つと傷みが目立ってくる。構造の腐りなどによって大幅なリフォーム、あるいは建替が必要になることが多い。

マンション経営の他の特徴としては、人気ターミナルの駅前など好立地の物件が多いので、比較的空室リスクを抑えやすいことが挙げられる。なおマンション経営には、区分所有と一棟という選択肢があることも覚えておこう。

1-2:アパート投資の特徴 部屋数が多いのでまとまった家賃を得やすい

・ポイント1:まとまった家賃収入を得やすい
・ポイント2:投資額をマンション投資に比べて抑えやすい
マンション経営の場合は、区分所有と一棟(建物丸ごと)という選択肢がある。これに対して、アパート経営は一棟での経営が基本だ。

おのずと複数の部屋で賃貸経営をすることになるので、その分まとまった家賃収入を得やすいという特徴がある。もちろん、空室が増えるとダメージが大きくなる。また、一棟マンションは中層・高層が多いのに対してアパートは低層が中心なので、アパートのほうが投資額を抑えやすい。

立地環境は、マンションよりも劣ることが多い。一般的なアパートの立地は、乗降客の少ない駅周辺や郊外などだ。そのため、マンションよりも空室リスクが高くなりやすい。よって、大学や大手企業の工場近くなど、賃貸ニーズの高いエリアで経営するのがセオリーだ。

1-3:戸建て住宅投資の特徴 1戸あたりの家賃を高めに設定しやすい 

・ポイント1:ファミリー向け施設が近隣にあるとプラス材料に
・ポイント2:1戸あたりの家賃を高めに設定しやすい
戸建ての場合、基本的なターゲットはファミリーだ。そのため保育園や幼稚園、学校の近くなどの物件は安定経営がしやすい。また、スーパーや公園などが近くにあることもプラス材料になる。医師は転勤が多いため、大病院近くなどもニーズがある。

戸建て経営はマンションやアパートと比べると、「部屋数が多い」「面積が広い」「庭がある」といったメリットがあることが多いため、1戸あたりの家賃を高めに設定しやすい。

一方、短期間でまとまった戸数を確保するのが難しいため、経営効率が悪いとも言える。

1−4:景気に左右されるテナント経営はビギナーに不向き

この他にも、オフィスビルやテナント経営などがあるが、ビギナーには向かないと言われている。理由は、住居系のマンションやアパートと比較して、以下のような特徴があるからだ。
  • 投資額が膨らみやすいこと
  • 空室リスクがより景気に左右されやすく不安定なこと
オフィスビルやテナント経営は、このようなリスクを許容できるような潤沢な資金がない限り、手を出さないほうがいいカテゴリと言えるだろう。

STEP2:投資する物件の詳細をチェック 新築か、中古か?区分か、一棟か?東京か、エリアか?

マンション投資、アパート投資、戸建て住宅投資の特徴について理解したら、次は投資する物件の詳細をチェックしたい。
  • 新築にするか、中古にするか
  • ワンルームか、ファミリータイプか
  • 区分(一室)所有か、一棟(建物丸ごと)か
  • 東京か、地方都市か
    (※上記は主にマンションを選択した場合の項目)
この中から、自身が求める条件と物件の種類を選択し、ミスマッチの可能性が低くしていくことが重要だ。それぞれの内容を見ていこう。

2−1:新築と中古、収益物件の選び方 現時点の収益重視か将来の私的年金重視か

同じマンション経営でも、新築と中古では大きな違いがある。この選択を間違うと、「こんなはずじゃなかった」というミスマッチに後悔することになるので注意しよう。「新築と中古はどちらが優れているか」よりも、「どちらが自分に合っているか」という観点で考えよう。

最大の違いは毎月の収支(家賃収入-ローン返済=手残り)で、中古は利益が出やすく、新築はプラスマイナスゼロ、あるいはマイナスになるケースが多い。これは、単純に新築のほうが物件価格が高いので、月々の返済額が高くなりやすいからだ。

「利益が出ないなら、新築に投資する意味はないのでは?」と思う人もいるかも知れない。しかし、毎月のマイナス分(ワンルームの場合は数千円~1万円程度が多い)を負担しながらローンを完済すれば、家賃収入を毎月生み出してくれる投資用マンションが手に入る。これによって、リタイヤ後の私的年金が得られることになる。また、収支をマイナスにすることで節税効果も期待できる。

「ローン完済後に家賃がそのまま収入になるのは、中古も同じではないか?」という意見もあるだろう。しかし、中古の場合は完済した頃には築年数がかなり経っているため、空室リスクが高くなりやすい。建替や大幅リフォームの費用が発生しやすいのも中古のほうだ。途中で売却することを考えても、築年数が浅い新築のほうが有利である。

とはいえ、物件価格の割安感は中古のほうが圧倒的に優位で、その分利回りが高くなりやすい。これらを踏まえると、「現時点の収支を重視する」人は中古向き、「将来の私的年金を重視する」人は新築向きと言えるだろう。
 
(写真=MONEY TIMES編集部※一般的な傾向であり、個別の物件について表すものではありません)

2−2:ワンルームか、ファミリー向けかの選択はエリアニーズ特性に注目

この選択の軸になるのは、狙っているエリアの「ニーズ特性」だ。投資物件を購入しようとしているエリアにおいて、単身者(ワンルーム)とファミリー層、どちらのニーズが高いかが決め手になる。

たとえば、転勤族が多い地方都市に狙いを定めたとしよう。そのエリアのファミリー向けマンションが少なければ、ファミリータイプを選択すべきだ。独身ビジネスパーソンのニーズが高い、東京のメガターミナル駅周辺なら、ワンルームを選択するのがセオリーである。

ニーズ特性をつかむには、そのエリアに強い不動産会社にヒアリングするといいだろう。不動産会社に直接訪問しなくても、電話やメールである程度の情報提供をしてくれることも多い。

他にも、「家賃とコストのバランス」はよく考えたい。ファミリータイプは部屋数が多い分、(同じ立地・築年数なら)ワンルームよりも家賃設定を高くできる。ただし、その分ワンルームよりも物件価格は高く、入居者が退去したときのハウスクリーニングやリフォームのコストも高くなりやすい。また、同じ条件ならワンルームのほうが、1平方メートル当たりの家賃単価が高いことが多い。
 
(写真=MONEY TIMES編集部※一般的な傾向であり、個別の物件について表すものではありません)

2−3:区分(一室)所有か、一棟(建物丸ごと)所有かは投資金額と担保力を考慮

ビギナーは、まず区分所有で経験を積み、その後一棟にステップアップすべきという考え方がある。実際、不動産投資の初心者の大半は区分所有からスタートしている。一方、不動産投資の本を書くような投資家は、一棟マンションやアパートを複数所有していることが多い。

区分所有と一棟の最大の違いは、投資額だ。東京の場合、区分所有なら2,000万~5,000万円、一棟なら数億円のものが多い。だからといって、必ず区分所有から始めなければならないということではない。ビギナーの時から一棟を購入する投資家もいる。

区分所有と一棟を比較した場合、空室発生時のダメージは一棟のほうが小さいと言われている。1部屋所有していて空室が発生したら空室率は100%だが、10部屋所有していて1部屋が空室になっても空室率は10%でしかない。ただし、いくら所有する部屋数が多くても、その大半が空室ならダメージは大きいことは言うまでもない。

他の比較要素に、担保力がある。担保力は、一棟のほうが高い(=融資がスムーズ)と言われている。これは、一棟のほうが区分所有よりも広い土地を所有することになるからだ。土地の担保力があるから、融資がスムーズになるというわけだ。

区分所有の場合は、担保力が低い分、投資家の属性が重視される。一般的なメガバンクや地銀に融資を申し込む場合、安定した定期収入がある会社員は、自営業者やフリーランスよりも審査に通りやすいと言われている。
 
(写真=MONEY TIMES編集部※一般的な傾向であり、個別の物件について表すものではありません)

2−4:東京か地方都市かは利回りと空室リスクと利回りのバランス

この選択においてよく聞かれるのが、「これからの日本は人口減少が本格化するので、空室リスクが少ないのは人口が安定している東京のほうである」という意見だ。たしかに、日本の大都市の大半で人口が減る中で、東京の人口減少はかなり緩やかだ。東京23区の人口予測は、2025年976万人、2035年970万人、2045年931万人と微減である(東京都政策企画局の資料より)。

「東京の不動産経営は安定運用しやすい」という説は一理あるが、東京は投資用マンションの価格が高いので、利回りが低くなりやすいというデメリットもある。そのため、成功した不動産投資家の中には、賃貸ニーズの高い地方都市で高利回りを実現している人もいるようだ。
 
東京と地方都市の比較
  東京 地方
利回り 低利回り 高利回り
空室リスク 低い 高い
※一般的な傾向であり、個別の物件のデータではない。

つまり「東京か、地方都市か」の選択は、「低利回りだが空室リスクを抑えやすい東京」か、「高利回りだが空室リスクが高い地方都市」という選択になる。

補足だが、地方都市の中でも、リニア中央新幹線の開業を控えた名古屋、万博開催など好調なインバウンド需要や世界文化遺産認定などのプラス材料が豊富な大阪など、労働者の流入(=賃貸ニーズ)が期待できるエリアもある。「投資エリアは東京」と決めつけず、東京と地方都市両方の情報を収集し、比較した上で決定するのが賢明だ。

STEP3:不動産投資を始めるまでのフロー(流れ)を事前に知っておく

物件探しや融資申し込み、契約などのフローについての知識がないと、「購入チャンスを逃がしてしまった」「割高な価格で買ってしまった」といったことになりかねない。理想的なフローは以下のとおりだ。
  1. 投資額を決める
  2. エリアの絞り込み
  3. 物件探し(不動産会社探し)
  4. 買付申込書の提出、条件交渉
  5. 融資申し込み
  6. 契約手続き
  7. 管理会社選び
それぞれの項目にポイントがあるので、詳しく見ていこう。

3-1:投資額を決める 鍵になるのは用意できる頭金の額

始めに決めたいのが、おおまかな投資額(予算)である。これが決まると、「新築or中古」や「区分or一棟」などの選択が自然に決まってくる。たとえば、予算2,000万円では新築の一棟は難しいので、区分を選択することになる。

投資額の目安になるのは、用意できる頭金の額だ。一般的に、不動産投資では、購入する物件価格の2割程度の頭金が必要と言われている。担保力がある物件の場合(あるいは属性が良い場合)は頭金なしのフルローンという条件もあり得るが、まずは頭金ありでイメージしておいたほうが無難だ。

手持ちのキャッシュのうち、どれくらい頭金に回せるかを考えれば、おのずと投資額が決まる。仮に400万円を頭金に回せるのであれば、2,000万円までの物件が投資対象になる。

中には、手持ち資金がほとんどないためフルローンで不動産投資を始める人もいるが、この考え方は初心者には危険だろう。物件購入後に空室や修繕が発生してもキャッシュでカバーできないため、経営が立ちいかなくなってしまうことがある。頭金をしっかり貯めてスタートするのが、不動産投資のセオリーだ。

3−2:エリアの絞り込み 将来の人口推計に注目

投資エリアを決めるにあたっては、始めにエリアを1つに絞り込まずに、いくつかの候補エリアの情報を収集し、比較検討した上で絞り込むといい。エリアの比較には、都市同士の比較(東京と大阪など)や、同じ都市の区同士の比較(新宿区と江東区など)などがある。

最低限収集したい情報は、対象エリアの人口推計、つまり「将来の人口がどうなっていくか」である。日本は人口減少社会に突入しているため、大半のエリアで人口が急減しているが、なるべく減少カーブが緩いエリアを選びたい。「××市 人口推計」などのキーワードで検索すれば、ほとんどの場合すぐに情報が出てくるはずだ。

ワンルームを選択するのであれば、単身者世帯の推計や近隣の大学の有無(大学の移転情報も含む)なども収集したいところだ。ファミリー向け物件を選択するなら、物件の近くに学校があるか、大企業の工場や工業団地があるかといったことも確認しておきたい。

このようなエリアリサーチにかける時間がない人は、候補エリアの不動産会社に動向をヒアリングしたり、提供してもらえるデータがないかを確認するのも手だ。

3−3:物件・不動産会社探し 軸になるのは効率性と候補物件の多さ

物件探しについては、「不動産会社を先に決める」または「物件を先に決める」という選択肢がある。判断基準は、「効率性と候補物件の数」だ。効率性重視なら「不動産会社を先に決める」、候補物件の数を重視するなら「物件を先に決める」といいだろう。

「不動産会社を先に決める」とは、パートナーとなる不動産会社を決めて、その不動産会社から物件を提案してもらうやり方だ。不動産会社を探す具体的な方法には、以下のようなものがある。
  • 対象エリアに強い不動産会社をネットで探す
  • 不動産投資セミナーをいくつか受講して、相性の良い不動産会社を見つける
「物件を先に決める」場合は、不動産投資物件の検索サイトなどを活用して、自分が求める条件に合った物件をピックアップし、その物件を取り扱っている不動産会社にコンタクトを取る。

手間がかからないのは、「不動産会社を先に決める」ほうだ。なぜなら、予算や志向などに合う物件を担当者がセレクトしてくれることが多いからである。ただし、その会社の提案力が乏しい可能性があることも覚えておこう。

「物件を先に決める」場合は、インターネット上にある数多くの物件が候補になり、選択肢が豊富であることがメリットだ。ただし、気に入った物件を見つけて問い合わせても、すでに買付申込が入っていることも多い。特に利回りが高く、立地も良い優良物件は、インターネット上に掲載されるとすぐに買付が入るようだ。このように、物件を探しても徒労に終わる可能性があることがデメリットと言えるだろう。

3−4:買付申込書の提出 スピードが何より大事

気に入った物件を見つけたら、購入意思を売り手に示す「買付申込書」を不動産会社に提出して物件を押さえる必要がある。この時点では法的な契約ではないので、申込みを撤回してもペナルティーはない。

買付申込書を提出した後は、価格などの条件交渉を行い、折り合いがつけば融資審査や契約に進む。買付交渉がまとまったら、売主に「売渡承諾書」を出してもらうのが理想だ。法的拘束力はないものの、確かに売り渡す約束をしたという証明になる。

実際には、買付申込書を提出しても、すでに他の投資家から買付申込書が出されていて「交渉待ち」となるケースも多い。原則的に、買付申込書を先に出した投資家の交渉権が優先する(あくまでも原則である)。特に中古の優良物件は、競争率が高い。「これぞ」と思う物件に出会ったら、スピーディーに買付申込書を提出するようにしよう。

ちなみに、中古物件は公開されている価格から値引き交渉をするケースも多い。一方で、売主に短期間で売却したい事情がある場合は、当初から割安な価格で売り出されているケースもある。見極めるためには、はインターネットで周辺相場を調べたり、不動産会社の意見をヒアリングしたりするといいだろう。

3−5:融資申し込み 金融機関は不動産会社からの紹介が無難

買付物件が決まったら、いよいよ金融機関の融資審査に進む。メガバンクや地銀、ネットバンク、信販系、公的機関など多くの選択肢があり、それぞれ利率が違う。一般的にはメガバンクは利率が低く、信販系は利高いと言われているが、低金利政策が続く中、その差はあまりなくなってきているとも言える。

経験豊富な不動産投資家なら、複数の金融機関を競わせて有利な条件を引き出すといったやり方もある。しかし、初心者は不動産会社に金融機関を紹介してもらうのが得策である。自力で金融機関を開拓しようとしても、門前払いになることもあるからだ。

3−6:契約手続き 契約前に頭金と諸経費を準備

契約手続きについては、不動産投資の初心者だと「何をすればいいのかわからないので不安……」という人も少なくないだろう。しかし実際には、不動産会社の担当者が準備する書類や手続きをナビゲートしてくれる。不安であれば、買付申込書を提出する時や融資が通った段階で、「契約にはどんな手続きが必要か」について、不動産会社の担当者にレクチャーしてもらうといいだろう。

忘れてはならないのが、契約締結までに頭金や諸経費を用意することだ。諸経費は物件価格の7~8%程度が相場だが、ケース・バイ・ケースなので事前に正確な金額を確認しておきたい。

3−7:管理会社選び 管理戸数や平均入居率をチェック

物件引き渡しまでに、入居者対応をしてくれる管理会社を決める。投資家(オーナー)自らが管理することもできるが、トラブルのたびに時間を取られるため、会社勤めや本業のある人には負担が大きいだろう。管理会社が提供してくれる主なサービスは以下のとおりだ。
  • 家賃集金代行
  • 家賃滞納の督促業務
  • クレーム対応
  • 入退去に伴う手続きなど
毎月支払う管理料は、一般的に賃料の4~10%程度である(不動産流通近代化センター調べ)。幅があるが、管理料は高くなるほどサービスが充実するわけではない。どのようなサービスを提供してくれるのか、内容をしっかり確認した上で契約しよう。

小規模の都市でも、そのエリアに根ざした管理会社があることが多い。物件購入時に関わったデベロッパーや仲介会社の子会社・グループ会社に管理会社があるなら、そこに委託するのも手だ。

ただし、対応力やノウハウのない管理会社をパートナーにしてしまうと、トラブルが拡大したり、空室が発生しやすくなったりするため、慎重に選択したい。直近の管理戸数や平均入居率をヒアリングして、頼れる管理会社をパートナーにすべきだろう。管理戸数、平均入居率ともに数値が高いほど、信用力があると言えるだろう。

STEP4:不動産投資をはじめるときの注意点を知る

不動産投資を始めるにあたっては、以下の3点を注意すべきだ。あらゆる投資や資産運用に共通するが、長期的な視点を持ち、失敗と改善を繰り返し、粘り強く運用していくことで、ようやくリターンを得られることを肝に銘じてほしい。

不動産投資の注意点1:短期間で儲けようと考えない

不動産投資は、「コツコツ積み上げる」意識が求められる投資だ。毎月の家賃収入と融資の返済額のわずかな差益をコツコツ積み上げ、資産を増やしていくのが基本である。物件によっては、手持ちのキャッシュを毎月投入しながら残債を減らしていくスキームもある。不動産投資は、決して短期間で大きな儲けが出せるタイプの投資ではない。

不動産投資には、家賃収入(インカムゲイン)の他に、売却益(キャピタルゲイン)もある。物件価格の相場が短期間で上がれば売却益が出るが、物件価格はグローバル・国内景気などの影響を受けるため、個人でコントロールできるものではない。ゆえに、インカムゲインを重視して運用するのが基本となる。

不動産投資の注意点2:出口戦略を意識する

注意点1で「不動産投資は家賃収入(インカムゲイン)が基本」と書いたが、一方で購入する時点で「理想の売却タイミング」もイメージしておきたい。この目安となるのが「デッドクロス」と呼ばれる時期である。

不動産投資には、家賃収入を得る他に節税効果というメリットもある。しかし、元金返済額が減価償却費を上回る「デッドクロス」の時期を過ぎると、その後は節税効果が薄れてしまう。つまり、節税効果を重視するなら、デッドクロスにさしかかる前に売却したほうがいいということになる。

デッドクロスがいつ訪れるかは、頭金をどれくらい入れるか、新築、中古のどちらかなどの条件によって変わる。自分でデッドクロスの時期を計算できるのが理想だが、ビギナーは物件検討時に不動産会社からデッドクロスを含めた経営シミュレーションを提案してもらうといいだろう。

不動産投資の注意点3:将来の経営規模を意識する

最終的にどれくらい家賃収入を得たいか。これによって、所有する戸数や種類の選択は大きく変わってくる。たとえば、家賃収入が将来の私的年金の一部になればいいという考えなら、区分を数戸を所有すれば十分だろう。こういった投資家には、ワンルームや貸家が向いている。

これに対して、ゆくゆくは家賃収入だけで豊かな暮らしをしたいという考えなら、アパートや一棟マンションを複数所有すべきだろう。望む家賃収入をしっかり決めてから不動産投資を始めると、方向性がぶれにくくなり、成功する確率は高くなる。

各ステップを慎重に確認しながら投資を

一般的に、不動産投資は他の投資と比べると、投資金額が高くなるケースが多い。しかし、成功すれば安定した収益を得ることができる。

実際に始めるにあたっては、基本的なステップ1から4までを正しく理解し、何を目的に始めるのかを再確認し、最終的な出口はどこなのかを見定めた上で、慎重に進めていってもらいたい。

文・本間貴志(不動産・税務ライター)
 

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