IPO投資の3つのデメリット 勝率の高さは魅力だが投資機会は限られる

2019.8.11
INVESTMENT
(写真=MaximP/Shutterstock.com)
(写真=MaximP/Shutterstock.com)
投資ニュースを見ていれば、「IPO」というワードを何度か目にしたことがあるだろう。IPOは未上場企業が株式市場から資金調達を図る手段の一つだ。投資家にとっては投資収益を獲得するチャンスでもある。IPO投資は勝率が高く投資家に人気だが、デメリットも整理しておきたい。

IPO投資とは新規に上場する株式を上場前に購入すること

IPOとは「Initial Public Offering」の略で、新規公開株式を公募・売り出しすることをいう。IPO投資とは、こうして新規に上場する株式を上場前に購入することだ。IPO株は事前に決められた公開価格で売り出される。公開価格で購入したIPO株を、上場後の高値がついた時点で売り抜けようとするのがIPO投資の一般的な流れだ。

公開価格の決定には、一般的にブックビルディング(需要調査)方式が用いられる。事前に設定された仮条件に対する投資家の需要状況や市場の動向から売り出し価格が決定されるのだ。IPO投資を行うには幹事の証券会社を通じてブックビルディングに参加し、購入の意向を示す必要がある。

IPO投資のメリットは投資初心者でも利益を得やすいこと

IPO投資は個人投資家に人気が高い。儲かる可能性が高いからだ。統計上、IPOでは上場直後に初値が公開価格を上回ることが多く、公開価格の数倍まで大きく上昇することもある。IPO投資はわずか数日で大きな利益をもたらす機会となり得るのだ。

IPO投資は勝率が高いため、初心者でも比較的簡単に利益を得やすいと言える。

IPO投資の3つのデメリット

IPO投資はメリットばかりではなく、デメリットもあるので注意しておきたい。

IPO投資のデメリット1……損失もありえる

勝率の高い投資と言われれば飛びつきたくなるかもしれないが、IPO投資は必ず儲かるものではない。上場後に想定した株価とならず、損失を被ることもある。

例えば最近の大型IPOとして注目された、2018年12月に新規上場したソフトバンクを見てみよう。初値が公開価格を下回ったばかりか、株価はこれまで一度も公開価格を上回ったことがない。(2019年7月現在)

また、初値が公開価格を上回ったとしても、その時点で売却しないでいると、後になって株価が公開価格を下回ってしまうこともありえる。特に、新興企業であれば上場後の値動きが激しくなる傾向にある。売却のタイミングが投資家の損益に大きく影響を与えることも覚えておこう。

IPO投資が勝率の高い投資であると言えるのは過去の実績値を見た統計上の話だ。今後のIPO投資でも高い勝率が保証されるわけではない。

IPO投資のデメリット2……抽選に当たる確率が低い

IPO投資はいつでもできる投資ではない。まずIPOがなければチャンスはやってこない。どれほどの会社が新規に上場を目指すのかは景気や市場の動向により違ってくる。

また、IPO投資は非常に人気があり、多くの投資家は新規公開株式を購入したいと考えている。一方、上場前に売り出される株式には限りがあるため、IPOの売り出しで株式がどの投資家に割当てられるかは抽選となることが多いのだ。完全な抽選ではなく、過去の取引実績などに応じて優先的にIPO株式を配分する証券会社もある。

多くの場合、IPOを扱う幹事証券会社は一つではなく数社に及び、割り当てられる株式数は証券会社によって大きく異なる。すべての投資家がIPO投資をする機会を平等に持つわけではないのだ。

IPO投資のデメリット3……購入資金が一時的に拘束される

基本的にIPO投資の申込には資金が必要だ。いつ資金を用意するか、どれくらい資金拘束されるのかは、証券会社によって大きく異なる。

証券会社によってはブックビルディングの申込をした時点で資金が拘束されることもある。一方、当選が確定してから買付資金を入金すれば良いとする証券会社もあるのだ。

超低金利の現在であれば、資金が拘束されることによって得られなくなる金利収入はそれほど気にならないかもしれないが、他の投資機会を逃してしまうことがないように注意したい。

IPO投資はデメリットを理解したうえでトライしたい

IPO投資は確実に儲かる投資ではないが、過去の実績から見ると儲けやすいと言えるのは事実だ。ただし、ブックビルディングに何度も応募しなければならず、応募しても当選しない可能性もある。こうした手間を惜しまないのであれば、収益のチャンスを求めて挑戦してみる価値があるのではないだろうか。

文・潮見 孝幸(金融ライター)
 

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